空の青にぐるりと囲まれた石窯ピッツァ屋さん

空がごく間近に感じられるパノラマ風景が広がる

生駒ケーブルの宝山寺駅から徒歩7分。石段の坂道をたどっていくのですが、この道のりからすでにワクワクします。駅からそんなに遠くないはずなのに、旅気分。道端には野花が咲き、草の匂いがします。本当にこんな場所に店があるのかしら、と思った頃に看板が見えてきました。 入口には薪が積まれています。そして敷地に入ると、まるで月見台のように見晴らしのいい場所に粋な古民家があります。こちらの建物はもと別荘だったそう。眺めを愉しめるように、窓は足元までガラス貼りで、家の中からはもちろん、庭からもその風景を愉しむことができます。

旅の味がする前菜と手作りの石窯で焼くピッツア

手前が「雲亭オリジナルピザ」、奥が「太陽のマルゲリータ」

人気のメニューはPizza Lunch（2100円）です。4種類の中からお好みのピッツァが選べ、前菜の盛り合わせと季節の大和野菜サラダ、ドリンクが付きます。この日の前菜はひよこ豆のサブジ、クスクス、タンドリーチキンなど異国情緒あふれるメニュー。ピッツァなのでてっきりイタリアンだと思いきや、店主の濱本さんが旅で出合った味を前菜に取り入れているそうで、それがとても新鮮。スパイシーな香りがまた食欲をそそります。 ピッツァは「雲亭オリジナルピッツァ」をオーダーしました。香ばしい薪の香りをまとった生地に、大和野菜と自家製ベーコンがのる一枚です。味と香りがしっかりした新鮮な旬の野菜に、旨みがギュッと凝縮されたベーコンがアクセントに。燻されたベーコンの味が、生地のおいしさを引き立てます。

Pizza Lunchのメニューのひとつ「蜂蜜と青カビチーズのあま～いピザ」は雲亭唯一のデザートピッツァ

この場所の良さを活かした、見晴らしのいいピッツァ屋さん

レトロな家具が並べられた素敵な古民家

店主の濱本さんは、この場所の良さを活かしたくて、ピッツァ屋をはじめたといいます。「田舎だと身近にある薪も使えるし、煙も出せる。そして何よりこの素晴しい景色を皆とシェアできると思いました」。濱本さんは、旅の縁で繋がったフランスのマルセイユのピザ屋で働きながら工程を教えてもらったあと、独学で腕を磨きました。イタリアの小麦「カプート」と北海道の「ハルユタカ」をブレンドして、ナポリピッツアの軽さのなかにも、日本人好みの重みを少し持たせた雲亭ならではの食感に仕上げています。窯も自ら手作りしました。 店は完全予約制です。晴れたの日の空のクリアな青はもちろん素敵。でも、雨の日の真っ白な雲に包まれたときこそが、最高にゆっくりできる穴場の時間です。雨だれが古民家の軒先から伝うシトシトという音をBGMに、ゆっくりと時間をかけてランチをするなんて、すごく贅沢ですね。 梅雨こそ生駒におでかけして、雲亭に流れる心地のいい時間を体感してみてくださいね。