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2015.08.27
映画『ロマンス』タナダユキ監督インタビュー 【前編】大島優子との撮影秘話と、はじめての箱根
ロマンスカーと箱根を舞台に繰り広げられる、ある1日の出来事。偶然の出会いと別れを綴った小さな旅の物語『ロマンス』が8月29日に公開されます。 この映画の監督と脚本を務めたタナダユキさんに、本作について、そして旅についてお聞きしました。
タナダユキ 映画監督・脚本家・小説家
<旅のプロフィール>
初めて行った海外の旅行先:ポルトガル
旅に出たくなる瞬間:忙しいとき
気になっている旅行先:チェコ
楽しかった国内旅行先:伊豆
キャストに助けられた時間制限のあるロマンスカーでの撮影
――「ロマンス」は、小田急ロマンスカーのアテンダントとして働く26歳の女性が主人公の映画ですが、等身大の女性が描かれているのが魅力だと思いました。監督が思う本作の魅力や見どころを教えてください。 「主演の大島優子さんのいろいろな表情や、大島さんと大倉孝二さんの掛け合いが魅力です。見どころは、やっぱり箱根のいろいろな風景ですね」 ――映画を観ていても、大島さんと大倉さんの相性の良さが伝わってきましたが、撮影現場の雰囲気はいかがでしたか? 「2人の相性は非常に良かったです。主導権は、早い段階から大島さんが握っていた感じでしたね(笑)。彼女はすごく朗らかで明るいので、時間のない撮影の中、精神的に大島さんに助けれられる部分が大きかったです」 ――ロマンスカーでの撮影はいかがでしたか? 「小田急さんの全面協力で、往復の回送電車を貸していただいたり、実際に走っている電車の車両を使わせていただきました。走っているロマンスカーの中での撮影は、時間に制限があるので、どうしても気持ちが焦ってしまいましたが、大島さんも大倉さんもNGはほぼなく、とても助かりました」
2人のテンポ良い掛け合いが魅力
今回の撮影をきっかけに初めて訪れた箱根
――本作の撮影をするまで、箱根を観光されたことがなかったとお聞きしました。 「そうなんです。新宿から1時間半弱で行けるから、いつでも行けると思っていたためか、行ったことがありませんでした。今回、ロケハン(ロケーション・ハンティング。撮影場所を探すこと)で何度か箱根に行ってみて、都会とは全く景色が違うし、ロマンスカーに乗って外を見ていても、途中から高い建物がなくなってくるので、すごく旅行気分を味わえることを知りました。そうそう!下調べに『ことりっぷ箱根』を使わせてもらいました。一泊二日ならどう回ればいいかとか、車だったら大涌谷に行けて、仙石原も芦ノ湖も行けるんだなと、非常に参考になりましたよ」 ――それは嬉しいです。ありがとうございます! 撮影期間中に、自由な時間はありましたか? 「残念ながら、撮影中は忙しくて、温泉にも全く行けませんでした。すごく行きたかったんですけど。撮影で登山鉄道や、ロープウェイに乗りましたが、箱根にはいろいろな乗り物があるんですね。今度はプライベートで、ぜひまた行きたいですね」
後編に続きます
タナダユキ 1975年8月12日生まれ、福岡県出身。2001年、『モル』で第23回PFFアワードグランプリとブリリアント賞に輝き監督デビュー。主な監督作に『百万円と苦虫女』『ふがいない僕は空を見た』『四十九日のレシピ』などがある。
『ロマンス』 (c)2015 東映ビデオ 8月29日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開 配給:東京テアトル 公式サイト:http://movie-romance.com/
映画『ロマンス』の紹介記事はこちら
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清水久美子 撮影:小野さやか
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