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暮らすように滞在できる朝の光が美しい宿。[離れ にのうみ/京都府亀岡市] by ONESTORY

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暮らすように滞在できる朝の光が美しい宿。[離れ にのうみ/京都府亀岡市] by ONESTORY
「日本に眠る愉しみをもっと。」をコンセプトに47都道府県に潜む「ONE=1ヵ所」の 「ジャパン クリエイティヴ」を特集するメディア「ONESTORY」から京都府亀岡市の「離れ にのうみ」を紹介します。

官民一丸となって生まれ変わらせた築100年の古民家

官民一丸となって生まれ変わらせた築100年の古民家 広々としたダイニングキッチンがあれば、旅先の自炊がグッと楽しくなる
苔むした石垣に刻まれた家紋を探したり、木彫りの涅槃(ねはん)像に触れてみたり。古き良き城下町・亀岡観光を満喫した後は、静かな興奮を胸に眠りたいもの。そんな滞在を可能にしてくれるのが、築100年の古民家を改装した『離れ にのうみ』です。亀岡がある丹波では、春や秋に昼夜の寒暖差から深い霧が発生します。朝方、乳白色の濃い霧が朝日に染まる様子を、古人は「丹の海」と表現しました。
『応挙』のリビングで寛ぐアレックス氏。濃い緑と石灯籠の日本的な美に彩られた中庭を望む
なんとも風流な名を冠したこの宿、もともとは京都の老舗薫香商の所有。一時期、アレックス・カー氏が借りて事務所にしていたこともありました。その後、荒れるままになっていた建物を亀岡市が引き取り、地方創生の一助となるスペースにできればと生まれ変わらせたのです。今回、監修を担ったアレックス氏に宿の見所を聞いてみました。
『応挙』には2階がある。少し急な階段を上ると、その先にもご褒美のように書がかけられていた
「この計画が持ち上がったのが2016年のこと。一部改修が入れば2017年にはオープンできるねと話していたのですが、思いのほか朽ちている箇所があり、昨年の秋にオープンした形です。その分、古い蔵など昔ながらの風情を生かす形での素晴らしいリノベーションになりました。もともとは母屋だった建物を2ブロックに分け、そこに離れを入れた3つの棟には、それぞれ『応挙』『了以』『梅岩』と亀岡が生んだ偉人の名がついています。早速、お部屋を見てみましょう」とアレックス氏。
リビングとベッドルームをつなぐ回廊にも力強い書が。いたる所に日本の美が張り巡らされている
江戸時代の絵師・円山応挙(まるやま・おうきょ)の名を冠した『応挙』は、宿の中で最も大きな棟。情緒溢れる光で目を覚ますことができるベッドルーム、日本庭園と中庭に面したリビング、古き良き城下町を望む2階の和室からなり、5名まで利用可能です。どの部屋も古民家特有の趣を湛えつつ、キッチンやお風呂などの水回りは現代的に設え、快適なステイが可能になっています。地元食材を自分好みに調理し、地酒で一杯いきたいタイプに嬉しい調理器具や食器一式はもちろん、大型の冷蔵庫もあります。タオルや浴衣などのアメニティもひととおり揃っているので、少ない荷物で「暮らすように過ごす」ことができます。

行燈の灯りに先人を想い、ウッドデッキで星光浴を

行燈の灯りに先人を想い、ウッドデッキで星光浴を 離れにある『了以』は母屋とお隣の畑の間にある小路の先にある。天井の高い開放的な空間だ
戦国時代を生きた京都の豪商・角倉了以(すみのくら・りょうい)は、亀岡の一大観光・保津川くだりの礎を築いた人物。その名を冠した『了以』は離れにあります。天井の高いベッドルームとリビング、その先の日本庭園が地続きになっているこの部屋は、すりガラスから入ってくる美しい光で目覚めることができます。また、全ての部屋にアレックス氏秘蔵の書や軸がかけられています。『了以』のベッドルームには保津川の軸がかけられており、旅情が掻き立てられます。
建具とダイニングテーブルの相関関係に和の美を感じる。ここでゆっくり地酒の杯を交わすのもいい
「行燈(あんどん)などの間接照明もほとんど私が持ち込んだもの。照明の位置にもこだわりました」とアレックス氏。柔らかな間接照明は闇の神秘性と光の有難さを際立たせます。

亀岡駅構内にも座像がある江戸時代の思想家・石田梅岩(いしだ・ばいがん)の名を冠した『梅岩』は、リビングから蔵が見える部屋。広いウッドデッキもあり、サンチェアに寝そべって読書に耽るなど、自由な使い方ができます。

外出せずとも味わえる地元の名店の美味

外出せずとも味わえる地元の名店の美味 『京懐石 雅』の「花」コース。旬の亀岡の食材を取り入れた一番人気のメニューだ
ここで気になったのが食事のこと。自炊派は旅先の道の駅や近くのスーパーマーケットで食材を調達すれば良いのですが、外食派は? そのあたりも抜かりありません。地元の名店からのケータリングが可能なのです。亀岡は昼夜の寒暖差があり、野菜や米が美味しいことで有名ですが、そんな地元食材を使った懐石料理を堪能するなら『京懐石 雅』を。お部屋のキッチンで盛りつけをしてくれるので、出張料理のような贅沢な気分を味わうことができます。仕出し料理屋の『八百捨』では、『離れ にのうみ』オリジナル料理をご用意。旬の食材を多用した、洗練された京料理を味わうことができます。
『クッチーナ トラスクア』では、地元食材を使ったパスタや煮込み料理が楽しめる
こだわりの生産者から直接買いつけた食材を使ったイタリアンなら『クッチーナ トラスクア』を。また、『コーヒースタンド ブラッキー』にはトーストやサンドウィッチと美味しいコーヒーのセットが用意されているので、ゆっくり朝の時間を過ごすこともできます。

地域活性化の礎としても期待される滞在型の宿

地域活性化の礎としても期待される滞在型の宿 『離れ にのうみ』のすぐそばにある稱名寺。境内には平安時代の女流歌人・和泉式部の墓と伝わる五重宝篋印塔(ほうきょういんとう)がある
官民一丸となって生まれたこの施設では、移住促進のイベントも行っています。2019年6月には『タルマーリー』の渡邉 格氏を迎え講演会を開催。渡邉氏は、鳥取県智頭町(ちづちょう)で、野生酵母で作るパン、クラフトビール、カフェの3本柱で事業を展開しながら、資源の地域内循環や地域活性化に尽力している人物。この時、講演会は『離れ にのうみ』のそばにある稱名寺(しょうみょうじ)本堂で行われ、その後の懇親会は『離れ にのうみ』で行われました。
2019年6月に行われた講演会『タルマーリーに学ぶ~地域の資源を活かす暮らし方』でのひとコマ
参加者は地域活性化や古民家再生・景観保存を考える人から亀岡移住を考えている人まで様々。中には東京や大阪からの参加者もおり、次のステップを考えている皆さんにとって、この宿が多くのインスピレーションを与えたことは間違いありません。
亀岡駅から徒歩約15分、亀岡ICからクルマで約5分の場所に『離れ にのうみ』はある
リピーターの多さを誇る『離れ にのうみ』で、100年先も残したい日本の良さを体感できる旅はいかがでしょう?

離れ にのうみ(はなれにのうみ)

京都府 亀岡市西竪町1 MAP


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