174
2016.04.26
花の都パリのオアシス!エリザベス女王も訪れたセーヌ川ほとりのフラワーマルシェ
※こちらの記事は2016年4月26日に公開されたものです パリの人達の生活になくてはならないのが、マルシェ(市場)。野菜やフルーツなどの食料品だけではなく、洋服、アンティーク、切手まで、さまざまなものを購入することができます。パリ市内のマルシェは、実に100か所近く。そのなかから、200年以上続く、歴史あるフラワーマルシェをご紹介。
ナポレオン1世が活躍した時代に誕生したフラワーマルシェ
「メゾンのテラスにグリーンを置きたいの」と、フラワーマルシェを散策する素敵なマダム
マルシェには、スーパーとは違った魅力がいっぱい。「今日のおすすめを教えて!」と、ショップの店主とおしゃべりを楽しみながら買い物ができるのが、マルシェの醍醐味です。 花が欠かせないパリジェンヌの毎日を支えるフラワーマルシェは、パリ発祥の地と言われるセーヌ川に浮かぶシテ島に19世紀初頭に誕生しました。建物は、当時そのままのディープグリーンの鉄筋の骨組みが使用され、はるか昔の趣を今に伝えています。 フラワーマルシェは、カトリックの総本山・ノートルダム寺院を後方に、地下鉄パリ4号線のシテ駅を降りてすぐ目の前です。
エリザベス女王も訪れたフラワーマルシェ
エリザベス女王花市場の看板
思いがけないお客様が2014年、このフラワーマルシェにやって来ました。イギリスのエリザベス女王です。第二次世界大戦中、米英などの連合軍の勝利を決定づけたノルマンディー上陸作戦から70周年記念式典に参加された折、このフラワーマルシェに立ち寄られました。 その時、エリザベス女王に花を贈呈したのが、このマルシェで16年にわたってお店を営むリオネルさんです。
僕のお店に来たら「ことりっぷの記事をみたよ!」って声をかけてね、とリオネルさん
「なんていう栄誉だったんだろう!」と、リオネルさんが当時を振り返ります。 ある日突然パリ市の職員と共に、イギリス政府の要人がやってきて「ぜひ花をエリザベス女王に贈呈してほしい」と依頼されました。エリザベス女王が愛するバラをあしらったフラワーバスケットを用意したリオネルさん。バスケットを受け取った女王は、美しいフランス語でお礼を述べられたそうです。 エリザベス女王にとって、このフラワーマルシェはとても思い出深い場所です。ご結婚の翌年1948年女王即位前のエリザベス王女は、ご主人であるフィリップ殿下と初めてパリにやってきました。 その思い出を胸に再びマルシェを訪れたエリザベス女王の訪問を記念して、パリ市はこのマルシェの名前を「エリザベス二世花市場」と改名しました。
パリらしさがいっぱいの雑貨が見つかりそう!
雑貨もパリジェンヌにとっては欠かせないアイテム。このマルシェではガーデニング用品、種や球根、そしてパリらしい雑貨が所狭しと並んでいます。 マルシェの散策を楽しみながら、オリジナリティーあふれるおみやげも見つけられそう!
パリの真ん中にあるオアシス
フラワーマルシェは、セーヌ川に浮かぶ小さな島の中にあります。パリの中心にあるにも関わらず、その静けさに驚かされます。 「車の音が聞こえないでしょう?まるで田舎にいるような気持ちになるの」と、マルシェの常連が話しかけてくれました。 足を踏み入れた瞬間、花々の香りとさわやかな緑に包まれ、ゆっくりと穏やかな時間が流れていくのを感じるはず。まさにパリのオアシス、癒しの空間です。 生活の中に花が息づくパリジェンヌの毎日。旅の途中に立ち寄り、ホテルに飾るお花を探してみるのも、リアルなパリジェンヌライフを体感できる鍵かもしれません。 日曜を除き、毎日開催しているので、ぜひ訪れてみて。
marché aux fleurs reine Elizabeth II(エリザベス二世女王 花市場)
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
撮影 髙野志津
の人気記事