雅な京都の雛祭り、歴史と文化を感じる桃の節句へ
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雅な京都の雛祭り、歴史と文化を感じる桃の節句へ

※こちらの記事は2014年2月28日に公開されたものです。 3月3日は「雛祭り」。古式ゆかしい「流し雛」や、人が着物姿で扮する「ひと雛」、華やかな「つりびな」など、京都らしい伝統と雅さを感じる行事をご紹介します。

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平安時代の厄除け行事に由来する「雛祭り」

3月3日は「上巳(じょうし)の節句」です。旧暦では桃の花が咲く季節になるため「桃の節句」とも呼ばれ、雛段にお雛様や調度類を飾り、白酒、菱餅、桃の花などを供えて女の子の健やかな成長を祈ります。 上巳とは、旧暦3月「上」旬の「巳(み)」の日のことで、古来中国では人びとが川のほとりに集まって身の穢(けが)れを祓う習わしがありました。これに倣って日本でも平安時代には、宮中において紙などで作った人形(ひとがた)で身体を撫で、息を吹きかけて穢れを移し、身代わりとして水に流して身に降りかかる災厄を祓う風習が広まりました。 やがてこうした「人形流し」と、宮中の「ひいな遊び」と呼ばれる紙の着せ替え人形遊びがひとつになって、雛を川に流す「流し雛」の習わしが生まれ、室町時代になると紙の流し雛から豪華な雛人形へと変化をし、現在の「雛祭り」が成立していきました。

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京都では「男雛」を向かって「右」に飾ります 

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京都と関東では男雛、女雛の配置が異なります

雛飾りの最上段に飾られる男雛(お内裏様)と女雛(お雛様)は天皇と皇后を表すとされています。そのため、伝統を重んじる京都では、京都御所の紫宸殿(ししんでん)において、向かって右に天皇、向かって左に皇后が位置するという習わしに従い、向かって右に男雛を飾ります。これに対し、関東では昭和天皇が国際マナーに即して、向かって左に並ぶようになって以来、男雛を左に配置するようになりました。

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穢れを川へと流す下鴨神社の「流し雛」

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古式ゆかしい下鴨神社の雛祭行事

京阪電車・出町柳駅から北へ徒歩10分のところにある「下鴨神社」は、平安遷都前から続く由緒あるお社。境内を包む「糺の森(ただすのもり)」は、「糺(ただす)」が「身を正す」に通じ、神の神域として古くから穢れを払う神事が行われた場所でした。 境内を流れる御手洗(みたらし)川では、毎年3月3日に「流し雛」が行われ、子どもたちの無病息災を祈願する大勢の人で賑わいます。川に流す雛は、藁に乗せた和紙の素朴な人形(メイン写真)。当日は雅な平安装束・十二単(ひとえ)の着付けが披露され、お雛様姿の女性や舞妓さんらによる流し雛の儀が行われます。 ○下鴨神社(しもがもじんじゃ) [所] 京都市左京区下鴨泉川町59 [TEL] 075-781-0010 [URL] http://www.shimogamo-jinja.or.jp/ 3月3日 流し雛   10:20~ 受付 10:30~ 十二単の着付け 11:30~ 流し雛の儀  12:00~ 一般見学者の流し雛

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「ひと雛」が並ぶ市比賣神社の「ひいなまつり」

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雛人形に扮した「ひと雛」

京阪電車・清水五条駅から南西へ徒歩10分ほど歩くと、「市比賣(いちひめ)神社」があります。元は市場の守護神として創建されましたが、祭神がすべて女神であるところから、女人守護の神社として信仰を集めています。 3月3日には、神社近くの「ひと・まち交流館」において「ひいなまつり」が催されます。この日のために用意された大きなひな壇に十二単姿のお雛様をはじめとした「ひと雛」が勢ぞろいすると、五人囃子の雅楽に合わせ優雅な三人官女の舞が披露されます。 そのあと参加者は、女子は小袿(こうちぎ)、男子は狩衣(かりぎぬ)という平安装束を着装してひな壇で記念撮影をしたり、貝合わせなど平安貴族の優雅な遊びを体験することもできます。 ○市比賣神社(いちひめじんじゃ) [所] 京都市下京区河原町五条下ル一筋目西入ル [TEL] 075-361-2775 [URL] http://ichihime.net/ 3月3日 ひいなまつり  13:00~ ひと・まち交流館にて(参加費1000円) 京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83-1

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三十三間堂の「春桃会」と雅な法住寺の「つりびな」

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法住寺の「つりびな展」

鴨川の東、京阪電車・七条駅から東へ徒歩7分にある「三十三間堂」では、寺院名にちなんで「三」の重なる3月3日の桃の節句に「春桃会(しゅんとうえ)」が行われ、境内が無料公開されます。堂内の中心にある本尊・千手観音像の前にも豪華な雛飾りが並び、女性用の「桃のお守り」がこの日に限り授与され、境内は大いに賑わいます。 ○三十三間堂(さんじゅうさんげんどう) [所] 京都市東山区三十三間堂廻り町657 [TEL]075-561-0467 [URL] http://sanjusangendo.jp/ 3月3日 春桃会  9:00~15:30(当日は境内無料) 三十三間堂のすぐ東に立つ「法住寺」では、「つりびな展」が行われます。昔、豪華な雛飾りを手に入れることが難しかった庶民が、子や孫のために手作りしたのが「つりびな」です。布で作られた人形、花、金魚などの飾りが紐に吊るされた様子はとても華やか。7段飾りの立派な雛人形や、貝あわせなどの道具も一同に展示されます。雅やかな空間へと、ぜひともお出かけください。 ○法住寺(ほうじゅうじ) [所] 京都府京都市東山区三十三間堂廻り町655 [TEL] 075-561-4137 2月25日~3月3日 つりびな展  9:00~16:00(拝観料300円)

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