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2014.06.04
桂に訪れたなら必ず立ち寄りたい「御菓子司 中村軒」
※こちらの記事は2014年6月4日公開のものです。 桂離宮を眼前に望む老舗和菓子店「御菓子司 中村軒」。“おくどさん(かまど)”を使い、昔ながらの手法でふっくら炊き上げた粒餡を包んだ「麦代餅」が有名ですが、じつは夏にも大人気の名物があるのです。
桂離宮のそばに建つ明治創業の老舗和菓子店
趣ある建物。思わず中をのぞいてみたくなります
京都市バス・桂離宮前バス停を降りてすぐ目に入る一軒の和菓子屋さん「御菓子司 中村軒」。明治16(1883)年創業の老舗です。歴史を感じさせる町家の店構えに惹き付けられ、今日も大勢のお客さんが訪れています。
昔ながらの製法で作られる名物菓子
名物の麦代餅。持ち帰り、イートインどちらも可能
「御菓子司 中村軒」の名物菓子「麦代餅(むぎてもち)」(290円)。もとは麦刈りや田植えの際に、おやつとして好まれ、その代金をお金の代わりに麦で支払うこともあったため「麦代餅」という名前が付けられたのだそう。 なんといっても特徴的なのが、その製法。たとえば、餅の中に入っている粒餡は、北海道産の小豆を“おくどさん(かまど)”で炊き上げるのですが、その際、ガス釜を使わず、くぬぎの割り木を燃やしながらじっくりと熱を伝えます。 昔から続く製法を守り、甘過ぎない上品な甘さ、という名物の変わらない味を今に伝えています。
行列必至、夏の名物はかき氷です
別添えの抹茶シロップも付いているから最後まで抹茶の味が楽しめます
「御菓子司 中村軒」には、名物がもうひとつあります。それが、毎年4月下旬から販売される「かき氷」(590円~)。夏が本番を迎える頃には行列ができるほどの人気メニューです。 京都の水尾産の柚子を使ったマーマレードをのせた「ゆず氷」や、中村軒特製の梅酒シロップをかけた「こおり華」、旬の果実をそのままシロップにしたフレッシュフルーツのかき氷(季節限定)などメニューも多彩。なかでも一番人気が「宇治ミルク金時」です。 和菓子に使う自慢の粒餡をたっぷりとのせ、程よい甘味と苦味が調和した宇治産の抹茶蜜と練乳をかけ、中村軒特製の白玉が添えられた贅沢な一品。ベースとなる氷は、近年数少なくなった“氷屋さん”から取り寄せたもので、溶けにくいよう粗めに削られていますが、さらっとした口どけ。暑さが増すこれからの季節にぴったりの甘味です。 行列に並んでも「また食べたい」と思う程、魅力あるかき氷を求めて、ぜひとも足を運んでみてください。
御菓子司 中村軒
オカシツカサ ナカムラケン
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松田寛志 / 写真:杉沢栄梨
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