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2015.10.27
建築や鳥居、狛犬も…神社参拝のお作法と見どころが知りたい!
※こちらの記事は2015年10月27日に公開されたものです 私達の身近なところにある神社。観光で訪れる機会も多いですが、参拝時の作法や見どころなど、よくわからないことも多いですよね。そこで、神社、寺旅研究家の吉田さらささんに、神社参拝を楽しむコツを教えてもらいました。
そもそも神社とはどういうところ?
まず最初に、神社とはどういうところなのかを改めて教えてもらいました。もともとは自然を崇拝することから始まったそうです。 「古来、日本人は『自然崇拝』といって、山や森などの自然物をご神体とし、そこに目には見えない神様を降ろして繁栄を祈願したり、災厄の除去を祈っていました。いつしかその地に建物が建てられ、今の『神社』という形になりました。 仏像があるお寺と違い、一般的に神社の中に神様の姿をした像はなく、神殿、本殿などと呼ばれる建物の中には、鏡や剣といった神様が降臨するものが祀られています。拝殿に上がってご祈祷してもらうには、玉串料(たまぐしりょう)といってお金を納める必要があります。最近では、あらかじめ金額が決まっていることが多いですね」(吉田さん)。 山や森などを見たときに、私たちは畏怖の念を抱くことがありますが、神社はそういった場所に昔の日本人が建てたもの。近年、神社はパワースポットとして女性を中心に人気がありますが、神社で何か大きな力を感じるのは至って自然なことなのかもしれません。
神社での基本的なお作法は?
意外と知られていないのが、参拝時の基本的なお作法。改めておさらいし、今度お参りする時までに心得ておきましょう。 「まずは鳥居の前で軽く会釈して、気持ちを引き締めてから境内に足を踏み入れましょう。かぶっている帽子を取るのも忘れずに。真ん中(正中)は、神様の通り道なので、できれば避けて歩いて下さい。そして手水舎の水で両手と口を清めます。これは、神様の前に立つ前に、穢れを祓ってきれいな身体になるという意味。手順は手水舎に掲示してあることが多いので、それに従うといいでしょう」(同)。 そして、参拝は拝殿の前で行います。基本的な手順は以下の通りです。 1:拝殿に立ったらまずは会釈し、賽銭箱にお賽銭を入れます。 2:丁寧なお辞儀を二回繰り返し、両手を胸の高さで合わせて二回拍手をします。このとき、右手を5ミリほど下げて手を打つといい音が出ます。 3:両手を合わせてお祈りをします。お祈りが終わったら両手を降ろし、最後にもう一度お辞儀をしましょう。 これは『二拝二拍手一拝』といってほとんどの神社で同じ作法ですが、出雲大社では『二礼四拍手一礼』と、神社によって違うこともあるそうです。 そして、お願い事の内容も重要なんだとか。神社はもともと地域を守る神様をお祀りする場であり、個人的なお願いごとをするための場所ではなかったと吉田さん。まずは今日この場に来れたことを神様に感謝し、自分のお願いごとはその後にするといいそうです。
神社ごとにちがう、狛犬や鳥居にも注目!
ところで、神社参拝時に注目すると楽しいポイントとは? その1つとして、参道の両脇に対になって置かれている狛犬があります。 「狛犬は犬ではなくて想像上の動物。エジプトのスフィンクスが狛犬のルーツだともいわれています。この狛犬には神前を守る役割があるのですが、神社によっては、うさぎ、鳩、鹿、狼、虎など様々な動物たちが神様のお使いとして置かれています。表情も豊かで愛嬌があり、じっくり見てみるとなかなかおもしろいですよ。ちなみに、鎌倉土産といえば『鳩サブレ』が有名ですが、これは八幡宮の神使である鳩からきているそうです」(同)。 また、鳥居や社殿の形にも数多くのバリエーションがあり、神社に行った時に注目するといいでしょう。 「出雲大社に代表される大社造(たいしゃづくり)、伊勢神宮に代表される神明造(しんめいづくり)など、神社の系統によって社殿の作り方が異なるので、神社に訪れた際には、ぜひ注目してみて下さい。また、鳥居も、すべて同じに見えるかもしれませんが、系統によって細部が異なります」(同)。 見過ごしがちな境内の建物や鳥居も、神社によって違いがあるんですね。神社に行くたび写真に収めて比較してみるとおもしろいかもしれません。日本中の様々な神社を尋ねて、お気に入りの神社を見つけてみましょう!
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宇都宮薫 構成:相馬由子
取材協力/吉田さらささん
岐阜県出身。大手出版社で編集者として勤務後退社。京都・奈良で宿坊に泊まりながらお寺を巡った経験から、テラタビスト(寺旅研究家)として執筆活動を開始。その後神社の魅力にも魅せられ、現在は、寺と神社の旅研究家として、執筆、講演、ツアーの企画などを行っている。
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