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登山をしなければたどりつけない、九州最高所に湧く秘湯。[法華院温泉山荘/大分県竹田市] by ONESTORY

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登山をしなければたどりつけない、九州最高所に湧く秘湯。[法華院温泉山荘/大分県竹田市] by ONESTORY
「日本に眠る愉しみをもっと。」をコンセプトに47都道府県に潜む「ONE=1ヵ所」の 「ジャパン クリエイティヴ」を特集するメディア「ONESTORY」から大分県竹田市の「法華院温泉山荘」を紹介します

雄大な山々に囲まれた山小屋の温泉。

雄大な山々に囲まれた山小屋の温泉。 「坊ガツル湿原」では、九州最高峰の中岳(標高1,791m)の他、1,700mを超える山が8座、1,000mを超える山が20座以上連なる『くじゅう連山』を見ることができる。
大分県玖珠(くす)郡九重町から竹田市の北部にまたがる『くじゅう連山』。「九州の屋根」とも呼ばれる山中に、九州最高所に湧く天然温泉があります。『法華院温泉山荘』は、久住山、大船山、平治岳(ひいじだけ)、三俣山(みまたやま)などの山々に囲まれた「坊ガツル湿原」に佇む山小屋。もちろん車で行くことはできず、たどりつくには歩くしか方法はありません。九州最高所の温泉から望む景色を楽しみにして、九重町の長者原・登山口からスタート。

花や木、美しい山々を愛でながらトレッキング。

花や木、美しい山々を愛でながらトレッキング。 8月中旬から9月頃にかけて「タデ原湿原」に咲くヒゴタイ。絶滅危惧種にも指定されている貴重な花。
『法華院温泉山荘』までは、登山初心者にお勧めの雨ヶ池越のコースで向かいます。歩き始めるとすぐ眼前に広がるのが「タデ原湿原」。「坊ガツル湿原」とともにラムサール条約に登録されたこの湿原は、木道が整備されており散策に最適です。初秋の風に気持ち良さそうに揺れるヒゴタイを写真に収めながら、三俣山の山中へと入りました。
ノハナショウブやヤマラッキョウの群生地としても知られる「雨ヶ池」。
木々が生い茂る登山道では山鳥の鳴き声が響き、柔らかな木漏れ日がルートを照らしてくれます。森林浴を楽しみつつ、時折岩場や石がゴロゴロと堆積した道も通り、息を切らしながら歩くこと1時間半。
木漏れ日の中、苔むした岩を登り目的地を目指す。
ノハナショウブやヤマラッキョウの群生地としても知られる、「雨ヶ池」に到着しました。雨が降ると池ができる湿地帯は視界が開けて爽快感抜群です。季節の花々を眺めながらのんびりと歩き、いよいよ目的地の「坊ガツル湿原」へと向かいます。

鎌倉時代から続くお寺が山小屋へ。

鎌倉時代から続くお寺が山小屋へ。 『法華院温泉山荘』の前に広がる「坊ガツル湿原」。運が良ければ野うさぎや山鳥たちに出会うことができる。
雄大な山々に囲まれた標高1,230mの盆地にある「坊ガツル湿原」。中央には筑後川の水源でもある鳴子川が流れる数少ない高層湿原です。山の緑と空の青との美しいコントラストに感動しながらトレッキングを続けると、山の麓にロッジが見えてきました。
訪れる登山客は久住山や中岳など、目指す山頂は様々。食事処もあり、多くの登山客で賑わっている。
川のせせらぎが聞こえる「法華院温泉山荘」は標高1,250mの所にある山小屋。もとは鎌倉時代を開基とする「九重山法華院白水寺」と呼ばれる修験道場を建立したことが始まりで、明治時代に入り信仰の山から登山の山へと変化する中で山小屋の運営が始まったのです。そんな歴史ある地に、登山客の疲れた身体を癒す天然温泉が待っていました。
秋にはススキが一面に広がり、美しい山々の紅葉も見ることができる。

最高のロケーションとともに入る爽快風呂。

最高のロケーションとともに入る爽快風呂。 露天風呂はないが窓からは山々を望むことができ、夜には星空も楽しめる。
登山口から2時間半かけてたどり着いたのは、眼前に大船山、平治岳、立中山を望むことができる、源泉掛け流しの硫酸塩泉です。ふわりと湯の花が舞う温泉は適温に設定され、柔らかでさらりとした肌触り。汗をかいた体にはさっぱり感が最高に心地よく、歩き疲れてパンパンにむくんだ足もすっきりとほぐしてくれました。九州でも最高所にある温泉ということもあり、空の近さに驚きながら浸かっていると、時折窓から山々を通り抜ける風が吹いて気分は爽快。筋肉痛や関節痛、運動麻痺、疲労回復などに効果があると言われるだけあって、登山を終えて疲れた体もすっかりリフレッシュすることができました。
泉質は硫酸塩泉。宿泊客は24時間入浴できる。入浴料は500円。
約5kmもの道中に多くの絶景や心震える景色はあれど、ようやくたどり着いた温泉に浸かった時の感動と爽快感は、達成感も相まってひとしお。ここは登りきったものだけが味わえる、ご褒美の湯なのです。
5~6月の時期には山々をピンク色に染めるミヤマキリシマを温泉に浸かりながら満喫できる。
特に11月〜の冬山の時期、氷点下の中で山々を登ってきた登山客にとって冷えた体を温めて疲れを癒す「法華院温泉」の湯は、天国と感じるほどの快楽を感じることができるのだと支配人は話します。そしてそのまま宿泊して、シンと静まり返った空気の中、まだ誰の足跡もついていない雪の草原と雪化粧された山々を見ながら入る朝風呂もまた格別なのだとも教えてくれました。
5月〜6月の時期に見ることができる天然記念物のミヤマキリシマ。この時期山荘では1年のうち一番の賑わいを見せる。
5月〜6月は山をピンクに染め上げるミヤマキリシマが開花する季節。この時期をめがけて登山に訪れる観光客も多いそうで、山荘では湯船に浸かりながら花を愛でることができる絶好の鑑賞ポイントになるそうです。
簡単にはたどり着かないからこそ、入浴したときに感動を与えてくれる「法華院温泉」。山頂にはない、最高の爽快感と癒しがここにはあります。

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

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