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京都「竹笹堂」の和紙で作る紙文具−永岡綾さんに聞く“カルトン”の作り方

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京都「竹笹堂」の和紙で作る紙文具−永岡綾さんに聞く“カルトン”の作り方
ことりっぷ の創刊10周年を記念して開催されたイベント「旅するマルシェ」。こちらの会場で、製本家の永岡綾さんを講師にお招きし、ことりっぷ サイズのカルトン(書類を整理するホルダー)を作るワークショップが行われました。

好きな素材を選んで作る自分だけのカルトン

好きな素材を選んで作る自分だけのカルトン
カルトンとは、書類やチケットなどを挟んで整理するドキュメントホルダーです。今回は表紙に京都「竹笹堂」の手摺り木版和紙を使い、ことりっぷサイズのカルトンを作ります。

「手作りの紙文具は、好きな素材の組み合わせで細かいところまでとことんカスタマイズできるのが魅力です。自分の手で作った紙文具は愛着もひとしおですよ。今回はことりっぷと同じサイズでカルトンを作りますが、作り方を覚えて自分にとって使いやすいサイズで作ってみてくださいね」(永岡さん)
<道具>
・カッター
・鉛筆
・刷毛
・ヘラ
・定規
・布(こする用)
・クラフト紙(布でこするとき用)
・敷き紙(糊を塗る際の下敷き用)
・糊ボンド(生ボンド、でんぷん糊、水を「1:1:1」で混ぜ合わせたもの)
・カッターマット
・穴開けポンチ
・菊割り(ハトメを割って留める打ち具)
・木づち
<材料>
・表紙用の紙(「竹笹堂」の手摺り木版和紙を使用)
・背用の製本クロス:210×120mm 1枚
・板紙(2ミリ厚):180×140mm 2枚
・内貼の紙(表紙用):174×130mm 2枚
・内貼の紙(背用):174×50mm 1枚
・ゴム
・ハトメ 1個(ひもを通すための金具)
今回カルトンの表紙には「竹笹堂」の手摺り木版和紙を使います。竹笹堂は、明治24年に京都で創業した木版画工房です。本格的な木版画作品はもちろん、和紙を使ったかわいい雑貨や文具も多数販売しています。

ステップ1:表紙を準備する

ステップ1:表紙を準備する
1-1/表紙に貼る和紙2枚を、縦210mm×横108mmに切り出します。柄が大きめな場合は、出したい部分の柄がバランス良く見えているか確認してからカットしましょう。切るときにはハサミではなくカッターで。カットした和紙の裏面、天地15mmに鉛筆で薄く線を引きます。
1-2/カルトンを開く側の角を、頂点から2cmのところを結ぶ三角形で切り落とします。

ステップ2:背用の製本クロスを貼る

ステップ2:背用の製本クロスを貼る
2-1/背用の製本クロスを裏面にし、天地の端から15mm、左右の端から50mmのところに鉛筆で薄く線を引きます。
2-2/敷き紙を敷いて背用の製本クロスの裏面に糊ボンドを塗ります。糊ボンドが紙の表側に回り込まないように、必ず中心から外側に向かって刷毛を動かします。
2-3/引いた線にあわせて板紙を貼ります。
2-4/上の写真のように、天地の背クロスを内側に折り返します。空気が入らないように、ヘラを使ってしっかりと貼ります。
2-5/さらにクラフト紙などを上からあてて、布で満遍なくこすり、背クロスと板紙を圧着させます。この作業は今後全ての糊付けでその都度行います。

ステップ3:表紙をくるむ

ステップ3:表紙をくるむ
3-1/ステップ1でカットした和紙で板紙をくるみます。和紙にムラなく糊を塗り、背クロスの上に3mm重ねて貼り付けます。
3-2/ひっくり返して天地を先に折り返します。ヘラを使ってしっかり貼りつけましょう。和紙は繊細なので、力の入れすぎには注意が必要です。
3-3/天地を貼ったら次に爪入れをします。爪入れとは、角の部分にヘラを入れてタックをとり、重なりが平らになるようにすること。角が干渉せず綺麗に仕上がります。なるべくフラットで直角になるようにヘラを使って整えます。その後、左右の和紙を内側に折り返して貼ります。

ステップ4:内貼を貼る

ステップ4:内貼を貼る
4-1/まずは背の内貼を貼ります。糊を塗り、背の部分の内側に貼ります。ヘラを使って溝の部分にもしっかり貼り付けましょう。
4-2/次に表紙の内貼を貼ります。内貼で一番大事なのが、三方の周囲(チリ)が均等な幅になるように貼ることです。きれいに3mm残すように貼ってください。

ステップ5:ゴムをつける

ステップ5:ゴムをつける
5-1/背の中央にポンチで穴を開けます。ゴムの両端を穴の外側から通し、さらにハトメを差し込み、使いやすい長さに調節します。最後に内側から菊割りをあてて木づちで叩き、ハトメを留めます。叩きすぎるとハトメが潰れてしまうので注意しましょう。
5-2/紙は水分を含むと反ってしまうので、作ったらすぐにハトメ部分を避けて重い本などをのせておきましょう。24時間ほどプレスしたら完成です。
「みなさんすごく作業が丁寧で仕上がりもとってもきれいでした。竹笹堂さんの味わいのある和紙のおかげもあって、それぞれに違う表情のカルトンができてよかったです」(永岡さん)

作ったカルトンとことりっぷを片手に旅行に出かけたり、チケットファイルとして使うのもおすすめです♪ 時間のある週末に、自分だけのオリジナル紙文具を作ってみませんか?

ワークショップの様子をお届け♪

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取材協力/永岡 綾さん

取材協力/永岡 綾さん

編集者・製本家。イギリスでブックバインディング(製本)を学び、紙を使ったものづくりをはじめる。書籍・雑誌の編集、文具メーカーの商品企画を経て、現在フリーランスとして活動中。趣味は、旅先の蚤の市でヴィンテージペーパーを集めること。著書に『週末でつくる紙文具』(グラフィック社)『フランス、かわいい紙めぐり』(パイ インターナショナル)、『スクラップホリックの本』『マスキングテープでコラージュ』(エディシォン・ドゥ・パリ)なと。月に一度、手紙社「本とコーヒー」にて製本ワークショップを開催中。本づくり協会会員。

https://www.instagram.com/weekend.bookbinder/

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文:

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