ログイン / 会員登録するアカウントを選択

パリのはずれの高台の街を舞台に30代のリアルを描く『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』

59
パリのはずれの高台の街を舞台に30代のリアルを描く『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』
メニルモンタンという街をご存知ですか? パリのはずれ、20区の高台にある街です。そこにはユニークなバーやカフェが立ち並び、アーティストや映画関係者が集まってくるそうです。まだ、それほど有名な街ではないけれど、新しいカルチャーの発信源として注目されています。

明日から公開される映画『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』は、メニルモンタンで暮らす30歳前後の主人公たちの等身大の物語。共感できるところがたくさんある作品です。

生活を変える決心をする33歳のアルマン

生活を変える決心をする33歳のアルマン モラトリアムなアルマンと親友のバンジャマン
ボルドーの美大を卒業したアルマン(ヴァンサン・マケーニュ)は定職に就けず、親友のバンジャマン(バスティアン・ブイヨン)と、なんとなく冴えない毎日を過ごしていました。

33歳の誕生日を迎えたアルマンは、そろそろ生活を変えなければいけないと思い、「仕事を見つける。運動を始める。タバコをやめる」という決意をします。

アルマンはアメリに一目惚れをする

アルマンはアメリに一目惚れをする ジョギング中にアメリとぶつかるアルマン
美術ライターを目指し、画廊で働いている27歳のアメリ(モード・ウィラー)は、可愛すぎる自分の名前が嫌いでした。

ある日、公園でジョギングをしている時、走ってきたアルマンとアメリはぶつかってしまいます。アメリに一目で恋をするアルマン。ところが、それから何度公園に行っても、アルマンはアメリと会うことができず、ガッカリします。

その後、アメリが夜道で2人組の男に襲われた際、偶然通りかかったアルマン。前に進み出たアルマンは、男にナイフで腹を刺されてしまいます。
病院に運ばれたアルマンは、入院中、付き添ってくれるアメリと親しくなります。やがて2人は恋人同士に。

そんな中、バンジャマンも病で倒れ、入院することに。彼は療法士のカティア(オドレイ・バスティアン)とカップルになり、回復したアルマンとバンジャマン、そしてそれぞれの彼女の4人で、スイスの小さな村ファンオーにあるカティアの叔父の山小屋で楽しく過ごします。

アルマンとアメリの関係は順調に思えたが…

アルマンとアメリの関係は順調に思えたが…
アルマンは何もかもうまくいっていると思っていましたが、ある時、アメリが突然泣き出してしまいます。アルマンには彼女の涙の理由が全く分かりません。アメリには、アルマンに隠していることがあったのです。そのせいで、2人の間には溝ができてしまいます。

果たして、アルマンとアメリは関係を修復することができるのでしょうか…?

撮影には独特の手法が使われている

撮影には独特の手法が使われている
本作では、登場人物たちが観客に語りかけるモノローグ形式が使われています。アルマンやアメリがシーンの途中で、画面に向かって自分の気持ちを吐露するのです。

本作の脚本も手掛けたセバスチャン・ベベデール監督は「2009年から2013年のフランス。まさに僕たちが生きているこの時代を語るために、そして30代の人生のある季節を語るために、この演出が必要だった」とコメントしています(フランスでは2013年に公開)。この演出は、現代を生きる30代の主人公たちの本音を浮き彫りにするのに効果的で、同世代の観客の共感をより高めていると思います。

リアルなのに、コミカルでユニークな映画『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』。観ていると、自分もメニルモンタンという街に溶け込んだ気持ちになりつつ、アルマンやアメリのモノローグに「あるある!」と思ったり、彼らを応援したりしながら楽しめる映画です。
『メニルモンタン 2つの秋と3つの冬』
(C)ENVIE DE TEMPETE PRODUCTIONS2013
12月5日(土)より、シアター・イメージフォーラムにて公開、ほか全国順次
配給:東風
公式サイト:http://menilmontant-movie.com/

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

文:

「エリア/ジャンル」の関連投稿写真

AD