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長良川に育まれた選りすぐりの品々をお届け。[長良川デパート湊町店/岐阜県岐阜市]

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長良川に育まれた選りすぐりの品々をお届け。[長良川デパート湊町店/岐阜県岐阜市]
「日本に眠る愉しみをもっと。」をコンセプトに47都道府県に潜む「ONE=1ヵ所」の 「ジャパン クリエイティヴ」を特集するメディア「ONESTORY」から岐阜県岐阜市の「長良川デパート湊町店」を紹介します。

生産者と消費者を近づけるために。「ここにしかない」技術、食、文化を伝える。

生産者と消費者を近づけるために。「ここにしかない」技術、食、文化を伝える。 岐阜市加納地区の特産品「蛇の目和傘」。骨削りやろくろ作りなどの工程を加納藩の武士が内職として行なっていたことから発展した。
長良川。四国の四万十川や静岡県の柿田川とともに、日本三大清流のひとつに数えられている雄大な一級河川です。岐阜市を中心としたその流域には古来、豊かな水に育まれた食や文化、上流と下流との交易によって育まれた多くの伝統工芸品が息づいていました。

「ですが、その魅力と価値に地元の人たちが十分に気付いていない。ここにしかない物や文化がたくさんある、ということがほとんど知られていない。それを広めるために、長良川デパートを立ち上げたんです」。実店舗『長良川デパート湊町店』の店長であり、通販サイト『長良川デパート』の運営者でもある河口郁美(かわぐち・いくみ)氏はそう語ります。
色合いや柄も様々。軸となる木を伐り、骨となる竹を削り、和紙を張る工程の全てが手作り。1本16,200円(内税)~。
始まりは、2017年で7年目を迎える『長良川おんぱく』というイベントでした。長良川流域の多彩な食・文化・伝統工芸品などを再発見して、貴重な技術を伝える職人たちとともに体験できるイベント。地元の人たちにとっては当たり前のようにそこにあるが、外から訪れた人たちにとっては非常に珍しくて面白いあれこれ。そんな多種多様な体験を、半日から1日程度のワークショップで味わえるのです。
こぢんまりとした瀟洒な店内に、あふれんばかりの伝統工芸品が並ぶ。
「そこに参加してくださっている職人さんや漁師さんたちが作り上げた物を、いつでも手に取って買える場所を作りたい。そんな想いから、まずは通販サイトを立ち上げて、続いて実店舗をオープンしました。『長良川の恵みを作り手達の想いと共にお届けしたい』というのがコンセプトです」という河口氏の言葉どおり、和の粋が漂う店内に所狭しと並べられているのは、長良川で生まれ育った選りすぐりの品々ばかり。日本全国の生産量の約9割を占める『和傘』をはじめとして、どれも長良川なくしては生まれなかった逸品です。

古き良き価値を再発見。見て、触れて、そして感じる。

古き良き価値を再発見。見て、触れて、そして感じる。 ユネスコの無形文化遺産に登録されている「本美濃紙(ほんみのし)」を使ったピアスとイヤリング。
「例えばこの『蛇の目和傘』は、京の舞妓さんや浅草の歌舞伎には欠かせない品です。まだ洋傘がなかった時代から作られていて、洋傘の普及によって廃れつつありますが、全てが手作りの質感は何ものにも代えがたいものがあります」と河口氏。

傘の持ち手は木、骨は竹、張られているのは和紙。油を引いた和紙に雨が落ちると、ノスタルジックな香りが立ち上るといいます。天然のぬくもりを備えた持ち手は握る指に優しく、雨音も音楽のように聞こえる風情があるそうです。「コンビニでビニール傘が500円で買える時代ですが、職人が一から作り上げた工芸品を『美しい』と感じる心や、日々の生活に取り入れる楽しさを知って頂きたい。触れて感じれば、五感で楽しめる伝統工芸品の魅力に気付いて頂けるはずです」と河口氏は話します。
人気商品の『長良川サイダー』。美味しい水を恵んでくれる長良川への感謝から生まれた。通販サイトでも購入できて、12本3,200円(内税)~。
使い捨ての時代だからこそ、物を大事にして、作り手の技や感性に想いをはせることができる品を。『和傘』は失われかけている楽しみ方を知ることができる逸品です。

現在、岐阜県で『和傘』を販売しているのは『長良川デパート湊町店』だけだそうです。「それまでは、東京や京都に直接卸売りされているだけで、地元では売られていなかったんです。地元の特産品なのに、地元では買えない。どうりで誰も知らないはずだ、と驚きました」と河口氏は言います。それならうちで売ろう、と一念発起。色とりどりの華やかな『和傘』が、競うように並べられています。
『長良川デパート湊町店』が佇む『川原町』の風景。

豊かで多彩な「流域文化」を再発見。

豊かで多彩な「流域文化」を再発見。 滑らかな肌触りが嬉しい『郡上下駄』。木の塊から下駄の歯を削り出しているので非常に丈夫。画像の女性用22.5cm~24cmと、男性用25cm~27.5cmがある(ともに9,936円(内税))。
『長良川デパート湊町店』が佇むのは、通称『川原町』と呼ばれている古い街並みが残る通り。長良川温泉街の中にあり、目の前には老舗旅館や古い町屋に加えて、なんと鵜飼観覧船の乗り場まであります。その風情溢れる光景に魅せられて、県の内外から多くの人が訪れます。

「そういった観光客の皆様はもちろん、地元の方々にも岐阜の魅力を伝えたいですね。長良川に育まれた特産品を持ち帰って、日々の暮らしの中で愛用して頂きたい。『岐阜にはこんなに魅力的な職人技があるんだ!』ということを広めるための役に立ちたいと考えています」と河口氏は言います。
『岐阜提灯』。和紙と竹ひごで作られており、コンパクトに畳める。シェードと付属品が美しく収まる専用パッケージつき。1万4,040円(内税)~。
河口氏は、もともとは名古屋市の出身だそうです。雑貨店での店長の経験を買われて『長良川デパート湊町店』の店長となりましたが、外から来た人間だからこそ、岐阜の魅力がわかるといいます。それを多くの人に伝えたい、という意気込みを語ってくれました。

通販サイトの『長良川デパート』では現在、長良川の漁師が獲った鮎やジビエのソーセージ、干し柿など旬の食べ物を中心に扱っています。『長良川デパート湊町店』で扱っている伝統工芸品も購入できますが、やはり実際に手に取って質感や良さを味わうことのできる実店舗は、貴重な存在。触れてこそわかる職人技を、ぜひ感じてほしいそうです。
長良川に育まれた様々な伝統工芸品が集う。

残すために、広めるために。より身近で実感できる拠点を。

残すために、広めるために。より身近で実感できる拠点を。 『長良川デパート湊町店』の2階にある「ORGANキモノ」では、アンティーク着物の着つけレンタルも行っている。町に溶け込む和装でそぞろ歩き。
『長良川デパート湊町店』がこだわるのは、長良川があったからこそ生まれた文化や職人技です。上流の郡上市や美濃市から運ばれてきた材木や和紙が、問屋街が並ぶ岐阜市で売られ、加工されて伝統工芸品になる。そして、再び上流や下流へと運ばれていく。そうやって形成された「流域文化」を伝えて、長良川の歴史やストーリーを広めたい。そんな河口氏の熱い想いが、新たな拠点を生み出そうとしています。
レンタサイクルのサービスも有。ウォーキングバイシクル「kimonoBIKE」は着物のままで散策が可能。
その拠点とは『長良川てしごと町家CASA』。『和傘』や和紙関連の職人が、ものづくりを披露する体験観光施設です。更にショールームと作業場を兼ねる予定で、時代の逆風にさらされている職人たちを応援し、彼ら自身のブランドを生み出す拠点を目指します。
雨の日も「蛇の目和傘」と「ORGANキモノ」で華やかに。
「伝統工芸品は芸術品や美術品のように見られることもありますが、その本質は実用品です。日常の中で使ってもらうことで、その美しさは引き立ちます」と河口氏。長良川が育んだ伝統を伝えて、未来に残すために。

長良川デパート湊町店

岐阜県 岐阜市湊町45 MAP

058-269-3858

10:00〜18:00

不定休


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