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『GINZA SIX』で思わぬヒット。愛媛のみかん加工品ショップ。[10FACTORY/愛媛県八幡市] by ONESTORY

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『GINZA SIX』で思わぬヒット。愛媛のみかん加工品ショップ。[10FACTORY/愛媛県八幡市] by ONESTORY
「日本に眠る愉しみをもっと。」をコンセプトに47都道府県に潜む「ONE=1ヵ所」の 「ジャパン クリエイティヴ」を特集するメディア「ONESTORY」から愛媛県八幡市の「10FACTORY」を紹介します。
全部みかんの仲間。右下のユニークな形は『仏手柑(ぶっしゅかん)』。
今最も注目を集める商業施設である『GINZA SIX』。その地下2階で、当初の予想値の3倍という売り上げを記録したお店があります。それが『10FACTORY』です。愛媛の松山に本店を構え、みかんをはじめとした柑橘類を使ったジャムやゼリーを販売するショップです。

愛媛にくれば全部ある!? 全国1位の柑橘王国。

愛媛にくれば全部ある!? 全国1位の柑橘王国。 宇和島、八幡浜(やわたはま)、奥南(おくな)など地区ごとにも特性はあるという。
皆さんは、みかんの種類がどのくらいあるか知っていますか? よく知られている『温州(うんしゅう)みかん』だけでも日本には120種ほどあるとされ、『伊予柑』や『デコポン』といった柑橘類の『中晩柑』は80種以上といわれます。そのうち、愛媛県は『温州(うんしゅう)みかん』の収穫量が全国2位、柑橘類全体の収穫量は1位。また、柑橘類の品種数も全国で最も多く、まさに日本一の「柑橘王国」です。
愛媛県立農業大学校卒業後、農協の指導員を経てみかん農家を継いだ梶谷(かじたに)氏。
しかし現在、全国のみかん農家の平均年齢は65歳を超えているといわれ、愛媛県においても高齢化問題は深刻です。またみかんの消費自体も減り、地元でも日常的にみかんを食べる習慣は薄れてきています。その他にも、規格外商品が安く買い取られることによる農家の収入減や、農家が販路を見出せず産業が拡大しないなど様々な問題を抱えています。

愛媛のみかんを全国に、世界に。

愛媛のみかんを全国に、世界に。 農家を直接訪問し、生産者の想いをしっかり汲み取ってみかんを商品にする。
そこで立ち上がったのが『10(TEN)』プロジェクト。もともと今治(いまばり)タオルなど地場産業をブランド化する地元企業「エイトワン」が、新たな「みかん事業」を起こすべく2015年に「株式会社TEN」を設立しました。プロジェクトの舵取りとして代表取締役社長になったのはみかん農家の梶谷高男(かじたに・たかお)氏。両親が愛媛県八幡浜(やわたはま)市でみかん農家を営み、自らも後を継いだ若手農家です。多くの農家が後継者不足で廃業する中、「うちには山があるんやから、やっぱりみかん農家をやりたい」と進んで「みかんの道」に。そこには「みかんの魅力を生かした商品を開発することで世界に誇るブランドをつくり上げ、愛媛県のみかん産業を次世代につなげよう」という梶谷(かじたに)氏の心意気がありました。

みかん、柑橘、十人十色。それぞれの違いを知ってほしい。

みかん、柑橘、十人十色。それぞれの違いを知ってほしい。 ドライフルーツなどの製造は、選別、洗浄、剥皮、カットにいたるまで全て手作業。
梶谷(かじたに)氏はできるだけ農薬を使わず、40~50品種もの『温州(うんしゅう)みかん』や柑橘類を栽培しています。何より大切なのは「選べる」ことだと言います。愛媛のみかんの種類の豊富さ、味の違いを知ってもらいたい。そして愛媛はこの上なく柑橘栽培に向いた土地であることをもっと県内外に知ってもらうべきだと考えています。生産量が少なく貴重な『はれひめ』、愛媛でしか生産できない『紅まどんな』、和製グレープフルーツといわれ最近人気の『河内晩柑(かわちばんかん)』……。それぞれ味わいも香りも食感も異なり、ひと口に柑橘といってもまるで違う果実であることが食べ比べるとわかります。

生活の中にもっとみかんを!

生活の中にもっとみかんを! ハンディゼリーは『清見』『河内晩柑(かわちばんかん)』『甘夏』など種類がある。410円。
果実そのもの以外にも、加工品を販売することが消費拡大にとっては大事。「TEN」では多くのみかん農家と取り引きし、それらの素材を生かした加工品開発を行います。若い人に手に取ってもらえるようパッケージデザインにも力を入れ、直営のショップも洗練された空間を演出。ジュースにドレッシング、ドライフルーツにコーヒーまで、全てみかんを素材にしたプロダクトを揃え「みかんのある豊かな暮らし」を提案しています。製造販売以外にも、就業支援やみかんの木サポーター制度など、みかん産業の基盤を支える事業にも取り組んでいます。

銀座で予想外に売れたあるモノとは。

銀座で予想外に売れたあるモノとは。 『GINZA SIX』地下2階にオープンした『10FACTORY』。
さて、『GINZA SIX』で一番売れたのは何だと思いますか? それは「ハンディゼリー」。吸って飲む袋タイプのゼリーで、同社の担当者も「愛媛ではこういったゼリーが普通なので、銀座で売れると思わなかった」と驚いています。地元で最もみかんを手軽に、美味しく味わうこの素朴なスタイルが、都会の人々の心を掴んだのでしょう。

たかがみかん、されどみかん。みかんは冬だけのものではありません。ゼリーやドライフルーツなど、みかんを飲んだり持ち歩いたり。夏もお洒落な「みかんライフ」を楽しんでみてはいかがでしょうか。
(写真提供:株式会社TEN)
『10(TEN)』の名は、「柑 」の字 を 想起させるとともに、生活をfullに満たすという意味を込めて。

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

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