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誰かの「見立て」を楽しもう。[Community Store TO SEE/京都府中京区]by ONESTORY

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誰かの「見立て」を楽しもう。[Community Store TO SEE/京都府中京区]by ONESTORY
「日本に眠る愉しみをもっと。」をコンセプトに47都道府県に潜む「ONE=1ヵ所」の 「ジャパン クリエイティヴ」を特集するメディア「ONESTORY」から京都府中京区の「Community Store TO SEE」を紹介します。

京都のちょっと面白いセレクトショップ「Community Store TO SEE」

京都のちょっと面白いセレクトショップ「Community Store TO SEE」 京都御所からほど近く、街中の喧騒があまり届かない場所にある。© TO SEE inc.
「見立て」。素敵な言葉です。茶の湯で千利休が瓢箪や釣瓶などを茶道具として活用したように、「物を本来のあるべき姿ではなく、別の物として見る」こと。また、優れた審美眼によって物を選定するという意味もあります。センスの良い人が見立てた服や道具には、使ってみたい、欲しいと思わせる説得力がありますよね。それがいわゆる「セレクトショップ」なのでしょうか。2016年末、ちょっと面白い「見立て」の空間が京都にオープンしました。名前は『Community Store TO SEE』。
奈良の阪本修氏による『Urushi no Irodori』。漆の概念を変える彩り豊かな器たち。© TO SEE inc.
京都御所西にある4階建ての古いビルで、1階はコーヒースタンドとショップ、2階はギャラリー、3・4階は事務所という構成です。意外なのは、京都にありながら、京都の物が置かれていないということ。オーナーの中島光行氏は言います。「京都の職人さんの作品なら、京都で手に入るから。ここにあるのは京都では出合うことのできない、他府県の物ばかりです」。

多彩な地域の作り手のプロダクトをていねいにセレクト

多彩な地域の作り手のプロダクトをていねいにセレクト 1階ショップ。手に取ると、商品から温もりが伝わるよう。© TO SEE inc.
1階で扱うのは様々な地域の作り手による個性豊かなプロダクト。物づくりの姿勢や品質への信頼が確かで、中島氏が本当に使って良いと思った物、そして誰かにも長く使ってほしい服や雑貨を揃えています。さらにブックディレクターの幅 允孝氏とともにセレクトした、「中島的人生ベスト10」ともいえる書籍や漫画を販売しています。これらは知らなければ手に取ることもなく、出合うこともなかった品々。

淹れ方、器までこだわったコーヒー

淹れ方、器までこだわったコーヒー コーヒーだけ飲みに来るのも、テイクアウトも大歓迎。© TO SEE inc.
またコーヒーも、愛知県蒲郡の『喫茶hiraya』の豆を使い、そのお店と同じ淹れ方を再現しています。でも実は、京都の作家の作品も扱います。ただ、それらは「ここでしか買えない」という価値を大切にし、オリジナルの商品を作ってもらうことに決めています。京都の陶芸作家の清水大介氏にも、『Community Store TO SEE』だけのカフェオレボウルをお願いしたのだそうです。

作家と出会える定期イベントも

作家と出会える定期イベントも 「知らない本に偶然出くわす機会を日常の中に点在させたい」という幅氏の想いもカタチに。© TO SEE inc.
また、商品を売るだけではありません。2階のギャラリーでは、全国の作家などによるポップアップストア(展示販売)やワークショップなど、期間限定の催しを常に行っています。過去には、物づくりの街・福井県鯖江市の若手が生み出す工芸品を紹介する『SAVA! STORE』を開催。ギャラリーは作品発表や発想を形にできる場として貸し出しをすることもあるそう。

京都の魅力を発信する写真家兼オーナー中島光行氏

京都の魅力を発信する写真家兼オーナー中島光行氏 2階ギャラリーでの「Auguste Presentation」のポップアップストアの風景。© TO SEE inc.
さて中島氏、何者なのかというと、実は京都で活躍する写真家です。寺院や美術館などの宝物、建築、風景を中心に撮影し、あまり知られていない京都の姿を自身のカメラを通じて伝える『三度目の京都プロジェクト』を立ち上げるなど、観光名所だけではない京都の魅力をウェブや紙媒体などで発信しています。

「Community Store TO SEE」が担う役割とは

「Community Store TO SEE」が担う役割とは 名古屋の『COMMONO reproducts』が『TO SEE』のために作ったシャツ。© TO SEE inc.
写真家がセレクトショップをオープン。全く分野の違う事業を始めたように思えますが、中島氏は「やっていることは全て同じ」と答えます。位置づけは「コミュニティストア」。今まで写真や本という2次元で発信してきたものを、リアルな3次元空間で発信するのがこのストアなのです。「TO SEE」は直訳すると「見ること」ですが、「見立てる」という意も含まれているのだそうです。世間の評価や知名度ではなく、店主の見立てた物事を吟味し、価値を自分自身に問いかけるセレクトショップのような存在。
愛知県の陶芸家・大澤哲哉氏のカップはカフェでも使用。入荷を待つ人も多い。© TO SEE inc.
そして、さらに『Community Store TO SEE』はひとつの媒体であると中島さんは言います。雑誌やウェブのように、何かを表現し、また、全国で活動している作家の想いを媒介する媒体。自分だけではなく誰かの作っている物、素敵な生き方、言葉、アイデアを、このビルを通じて発信する。「ビルをメディアに見立てる、そんな意味もあるんです」。
自分で選んで買った物はもちろんですが、誰かが薦めてくれた物、それが作られた背景や、そこに込められた想いを知って買った服や生活用品は、もっともっと大事にしたくなりますよね。またひとつ、京都で行ってみたいと思う場所が増えたのではないでしょうか。

Community Store TO SEE(コミュニティー ストア トゥーシー)

京都府 中京区衣棚通竹屋町上ル玉植町244 MAP

075-211-7200

12:00~18:00

不定休


※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

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