寒い日に恋しい鍋料理。タイやベトナムなど、アジアの鍋料理にはスパイスがたっぷり使われていて、体を芯から温めてくれます。大阪中心部で人気のエスニック料理店が提供している鍋料理は、どの店も現地さながらの本格的な味わいで、まるでアジアを旅しているような気分になれますよ。
【ベトナム】アヒルの腐乳鍋は一度食べたら忘れられない! リピート必至のやみつきの味
アヒルの腐乳鍋2068円(約2~4人前)、注文はディナータイムのみ(17時~)
その名前からは味の想像がつかない「アヒルの腐乳鍋」。でも一度食べたら戻ってくる人が続出の鍋なのだそう。腐乳は豆腐を塩水に漬けて発酵させた食品で、ほのかな麹の甘みと塩気がスープに深い旨みをもたらせてくれます。アヒルの肉は身が柔らかくてあっさり。身から溶け出す上質な脂が腐乳のスープに溶けて、さらにキノコや野菜の風味が加わることで、絶妙な味わいを醸し出します。なかでも旨さが際立つのは、スープがしみ込んだとろとろのサトイモ。さらにゆでたてのフォーかビーフンを軽くくぐらせるようにして味わえば、滋味深いヌードルスープのでき上がり。味は本場さながら、クセになるベトナム鍋が味わえます。
バンブー家具がエスニックな雰囲気を醸し出す店内
【チベット】羊肉と野菜を煮たギャコック鍋は、チベットの由緒ある伝統の味
骨付き羊肉と野菜をじっくり煮込んだルクシャ・ギャコック6160円(3~4人前、要予約)
大阪唯一のチベット料理店が出す鍋は、豪快に羊肉を用いた鍋。羊のぶつ切り骨付き肉1㎏と野菜をじっくり煮込むことで、骨からするっと離れ、身は驚くほどに柔らかくて旨みたっぷり。新鮮な肉とスパイスを用いるため、羊肉特有のくさみも感じず、風味豊かな脂が溶け込んで食欲をそそります。スープはチリパウダーや黒胡椒などフレッシュなスパイスやバター、ヒマラヤの岩塩を用いて作る余韻のある辛さ。野菜のおいしさも格別で、スープの旨みを吸った大根やブロッコリーが口のなかでほろりととろけます。ぷりぷりの羊肉を豪快にかぶりつつ、ほのかにバターが香るじんわり辛いスープをすすれば、体の芯からぽかぽかに。
タルチョ(旗)を掲げ、チベットの伝統的な家具が配された座敷席
【タイ】自家製の辛いタレで味わう 具材の旨みがしみ出たあっさりとしたタイスキ
タイスキ1人前2178円(注文は2人前~)※冬期限定、11~3月のみ
タイ北部・チェンマイ出身のシェフが作る本場仕込みのタイ料理が味わえる人気店。タイスキのベースとなるのは鶏でとったあっさりスープ。具材を入れると旨みがしみ出るので、あえてシンプルに仕上げています。そしてタイスキの味を決めるのは何といってもタレ。こちらの自家製ダレはチリソースベースで、コクと旨みが絶妙。甘みのあとから、旨みあふれる辛さが追いかけてきます。そこに生唐辛子やパクチー、ニンニクなどを加えて好みの味に。追加でシーフード盛り2079円をオーダーすれば、貝柱やタラ、イカやエビのすり身で作った団子が加わり、鍋の中はさらに風味豊かに。スープを飲み干したくなる麺や雑炊の〆も絶品です。
艶のあるチーク材の調度品が空間に高級感をもたらす
【シンガポール】上質な食材を引き立てる 絶妙なスパイス使いのクレイポット
968~1408円(中華麺を追加する場合は+220円)
名物ペーパーチキンやチリクラブと並ぶ、こちらの定番料理といえばクレイポット(土鍋料理)。野菜と海の幸や、豚のスペアリブとスパイスをじっくり煮込んだローカルフード・肉骨茶など、全部で4種類の味わいが楽しめます。いちばん人気は汁麺・ラクサ(写真手前)。ココナッツミルクの中に溶け込んだエビやシーフードの旨み、エキゾチックな香りと辛さにそそられて鍋を傾けてスープを飲み干してしまうほど。どの鍋もスパイス使いが絶妙で、具材の旨みが溶けたスープの美味しさが際立ちます。ラクサ以外のクレイポットには麺が追加できるので、スープの旨みを余すことなく味わえる、あつあつの煮込みラーメンをぜひ味わってみてください。
全100席あり、ゆったりとした店内は、まるでカフェのような洒落た雰囲気
いかがでしたか?
「ことりっぷマガジン冬号 VOL.27」では、寒い季節に恋しくなる世界のお鍋を特集しています。スパイス使いが絶妙な辛い鍋や素材の旨みを生かしたあっさり鍋など、大阪と東京の個性あふれる各国のお店がたくさん。メニューや営業時間、定休日などの情報は事前に確認しておでかけしてくださいね。
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。