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江戸時代の伝統技を受け継ぐ革小物がかわいい♪ 浅草・文庫屋 「大関」

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江戸時代の伝統技を受け継ぐ革小物がかわいい♪ 浅草・文庫屋 「大関」
浅草のシンボル、浅草寺の大提灯から延びる仲見世通り。そこから1本入った路地にある文庫屋 「大関」(ぶんこや おおぜき)は、創業90年以上の歴史をもつ革小物の店です。型押しの後、ひと筆ずつ手描きで彩色された模様は100種類以上。色鮮やかな小花、愛らしい動物たち、幾何学模様などが描かれた財布や小物は、どれもギュッと抱きしめたくなるかわいらしさ。自分だけのお気に入りがきっと見つかります。

姫路で発達した革の加工技術から生まれた「文庫革」

姫路で発達した革の加工技術から生まれた「文庫革」 昔ながらの技法で文庫革を製作しているのは現在、文庫屋「大関」1軒だけ
「文庫革」という革細工の伝統工芸品を知っていますか? 江戸時代の中期から後期に、革の加工業が盛んだった播州姫路(現在の兵庫県姫路市)で発達した姫路革細工という技術が、江戸に伝わったとされています。日本では大切な手紙などを文庫箱に入れて保管する習慣があり、その箱を装飾するために革を貼ったことが、名前の由来なのだとか。

現在、東京で唯一、文庫革製品を製造・販売しているのが仲見世通り近くに直営店を構える文庫屋 「大関」です。創業は1927(昭和2)年。大正時代に横浜で修業をした初代・大関卯三郎さんが、墨田区向島に工房を構えたのが始まりです。

90年以上受け継がれる匠の技を忠実に継承

90年以上受け継がれる匠の技を忠実に継承 まっ白ななめし革に、約100℃に温めた銅板の柄を型押しする
ひと目で心を奪われる、色鮮やかで愛らしい模様が生まれる工程を知りたくて、工房内の制作風景を見せていただきました。

型押しした模様に、職人の手で彩色を施す文庫革。まず、それぞれの製品に合わせた大きさに裁断した革に、プレス機を使って銅版の絵柄を型押しします。
「初期には、木製の型も使っていました。空襲で燃えてしまわないよう、池に投げ込んで避難したと聞いています」と、大切に保管している古い型を見せてくれたのは、販売統括の田中萌子さん。

懐かしいのに新鮮な、レトロかわいい模様の数々

彩色の工程では、先端が針のように細い筆を使い、皮革用の塗料でひと筆ずつ色を差していきます。柄のパターンは100種類以上。季節によって色の組み合わせを変えているため、無数のバリエーションが生まれるのだとか。すべて手描きなので、ぼかし具合などが異なり、まったく同じものはありません。

彩色が終わると表面に漆を塗り、仕上げに真菰(まこも)と呼ばれる植物の粉を振って定着させます。すると、白く残した部分に真菰の茶色が入り込み、使い古したような風合いに。「錆(さび)入れ」と呼ばれるこの作業で、新しい革に文庫革独特の風合いが生まれます。

懐かしいのに新鮮な、レトロかわいい模様の数々彩色はすべて手描き。同じ柄でも少しずつ異なる1点モノができ上がる
真菰の茶色い粉を振って定着させる「錆入れ」で仕上げる

伝統技を受け継ぐ、若い職人たち

伝統技を受け継ぐ、若い職人たち 初代から受け継いだ技術を若い世代に伝える、創業者の末娘、大関春子さん
ひとつの商品ができあがるまでに、20人以上の職人の手がかかっています。工房には20~30代の若い職人さんが多いことに驚きました。彩色職人の師匠は、創業者の末娘にあたる大関春子さん(73歳)。ネットなどにより彼女の技術と文庫革の美しさに憧れ、技術習得を希望する人たちが集まってきたといいます。なかにはハンガリー、台湾など海外からやってきた人も。伝統技と若い世代の感覚が融合し、文庫革の新たな魅力が生まれているのが分かりました。

長く使い続けるほど風合いが増す商品の数々

長く使い続けるほど風合いが増す商品の数々 ずらりと並ぶ柄違いのバリエーションを見比べながら選べる
浅草の直営店に並ぶアイテムは、財布をはじめ、キーケース、スマホケースなど30種類以上。店内にディスプレイされている商品のほかに、引き出しを開けるとアイテム別にぎっしり並べられていて、柄を見比べながら選べるようになっています。
上左/小物入れ(6820円)、上右/スマホケース(15950円)、下/最も人気が高いのが、がま口タイプの財布(11440円)

いちばんの人気は、がま口タイプの財布。女性の手になじみのいい大きさで、厚みがないにもかかわらずたくさん入るのが特徴。ほかに、長財布、三つ折り、札入れなどあり、どれも魅力的でひとつに決めるのが大変。4月後半からは、扇子や扇子袋も登場します。和装にも合わせやすく、この夏の浴衣用に選ぶのもいいですね。

和服に合わせたい手鏡、扇子入れなどの小物も豊富
仲見世通りに近い浅草店。ほかに、銀座店、東京ソラマチ店がある
文庫革の魅力は、鮮やかな柄の美しさに加え、独特の風合いと、しっくり馴染む革の手ざわり。使い込むほど、味わいが増してくるのも特長です。金具交換や、色落ちした部分を彩色するメンテナンスにも、できる限り対応してくれるとのこと。
年に何回か新柄が登場し、定期的にオンライン予約会も開かれます。かわいさと実用性を兼ね備えた文庫革の小物。愛用品のひとつに加えてみませんか。

文庫屋 「大関」 浅草店(ブンコヤ オオゼキ アサクサテン)

東京都 台東区浅草2-2-6 MAP

03-6802-8380

10:00~18:00

水曜


※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

文:

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