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福井県・若狭小浜でみほとけ・神社・海産物の歴史文化をめぐる旅

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福井県・若狭小浜でみほとけ・神社・海産物の歴史文化をめぐる旅
福井県小浜市は、由緒ある寺院や神社が多く点在し歴史ある文化都市としての一面があります。日本海側に位置し、大陸や朝鮮半島と深くつながるだけでなく、都が京都に置かれた平安京以来、京から最も近い港として行き来があったことも理由のひとつです。また、奈良時代以前から、天皇家の食料である「御贄(みにえ)」を送る「御食国(みけつくに)」として、都の食文化を支えてきた歴史もあります。

かつての若狭国・小浜を旅すると、みほとけに触れたり、人を癒す緑深き神社へ参ることも、また、豊かな海産物の食文化も楽しむことができて、1日では周りきれないほど。ぜひ宿泊を兼ねて出かけてみませんか。

「ほとけさま」に会いにお寺へ。小浜・多田寺のご住職にお話を伺いました

「ほとけさま」に会いにお寺へ。小浜・多田寺のご住職にお話を伺いました ご住職の玉川泰圓さん。多田寺が福井県で一番の花の寺となるようにと願う
貴重な仏像に会う機会が得られる小浜。
とくに、薬師如来が多いといわれ、かつては60年に一度の御開帳だった薬師如来が安置されている「多田寺」もそのひとつです。日本三大薬師のひとつと言われる眼のほとけさま、眼病平癒のお薬師さんとして知られています。ご住職の玉川泰圓(たいえん)さんに、お話を聞きました。
―多田寺の創建はいつでしょうか?
天平勝宝元(749)年に、東大寺の勝行上人により創建されました。本尊の薬師如来は「多田のお薬師さん」として信仰をされています。地域の方々とのつながりも深く、春と秋、お彼岸には必ずお参りをされます。私自身は、3年前にこちらの住職になりましたが、どなたにもお寺にお参りいただきたい思いがありますから、今、県内一の花の寺になるように四季折々の花を植えています。春にはツツジと牡丹、シャクナゲが咲き「春の花参り」を行っていますので多くの参拝があります。夏にはサルスベリ、秋には彼岸花や紅葉も。花や自然を見て心休まる時間になればと思っています。
薬壺を持たない希少な薬師如来立像はカヤの一木造り
― 薬師如来について教えていただけますか?
薬師如来は、病気を治し、衣食住を満たす如来さま。現世でやすらぎを与える存在です。病気治癒だけでなく健康長寿や安産祈願のご利益もあります。一般的には、薬壺を持ちますが、多田寺のご本尊は、薬壺を持たない希少なお薬師さんで、目のあたりが少し色が違うので、恐らく昔は目を触り慈悲を受けていたのかもしれません。今は、一段高いところにお祀りしていますので、触ることは難しいですが、見上げる形ではありますが目の前で手を合わせていただくことができます。だいたい小浜のお寺のほとけさまは、触れられるような距離まで近寄れるので、お越しになる方々からは有り難いと言っていただいています。

― 小浜に薬師如来が多いのは理由があるのでしょうか?
多田寺もそうですが、平安後期の薬師如来がある明通寺をはじめ、国分寺、神宮寺など、小浜市内には薬師如来を祀る寺院がたくさんあります。 小浜は、奈良と京都と、それぞれに都があった時代から深いつながりがあります。観音信仰もそうですが、薬師信仰があるのは、その時代にかなり疫病が流行ったことも理由のひとつだといいます。今でいうコロナウイルスと同じようにどのような病なのかわからない疫病ですから、お薬師さんに頼りたい、そんな思いで薬師信仰が非常に強かったのでしょう。ほとけさまが今も残っているのは、小浜では戦国時代に戦などがなかったということ。これが、現代の薬師信仰に繋がっています。
(左)木造観音菩薩立像、(右)木造十一面観音菩薩立像
一般的に薬師如来の脇侍は、日光・月光菩薩立像が祀られることが多いのですが、多田寺のご本尊、薬師如来像の脇侍は違い、向かって左が十一面観音立像で、福井県で最も古い奈良時代後期の作。体が非常に長細く手が長いのが特徴です。「若狭のモナリザ」と呼ぶに相応しい美しいほとけさまです。また、向かって右には、観音菩薩像が祀られています。
厨子の中に、ご本尊とともに安置されていますが、実はこの2体とも、かつては他寺院のご本尊といわれ、そういった廃寺のほとけさまを預かることは、歴史的にも珍しくはなかったと思います。
— 参拝する時のマナーはありますか?
このお寺であれば、まず鐘をついて、手水舎で自らを清めてからお参りをします。お寺にお参りをするということは、静かな境内を散策して,ほとけさまに手を合わせて、心を清めて癒されるということ。もうひとつは、私たちの煩悩を戒めて心を正していく。代表する煩悩は、心の三毒「貪(とん)・瞋(じん)・痴(ち)」で、むさぼり必要以上に求める心「貪」、怒る心「瞋」、愚痴「痴」。こういった心が我々を苦しめますから、祈ることで戒めて、心を整えて心に灯をつけるという意味があります。 多田寺をはじめ、小浜のお寺へ参ることで皆さんが癒される時間となることを願います。

多田寺(タダジ)

福井県小浜市多田29-6MAP

0770-56-0894

9:00~16:00

無休、冬期(12~2月)は要予約


参道の森林に癒されるパワースポット「若狭彦神社」

参道の森林に癒されるパワースポット「若狭彦神社」 夫婦杉を左手に随神門があり、その奥に本殿がある
お寺で手を合わせた後は、全国有数のパワースポットである神社に向かいましょう。
奈良時代初期の霊亀元(715)年に創建された若狭一の宮。上社の「若狭彦神社」と下社の「若狭姫神社」の総称で、ともに海上安全、海幸大漁の守護神として信仰されていますが、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)と豊玉姫命(とよたまひめのみこと)の夫婦神を御祭神としているので、夫婦和合のご利益があるとされ、とくに「若狭姫神社」は、えんむすびの神としても知られています。
(左)三間社流造桧皮葺の本殿、(右)一の鳥居を抜けて森林に囲まれた参道
上社の御祭神・彦火火出見尊は、初心を取り戻す、神聖な気持ちがよみがえるご利益があるといいます。狛犬に守られた一の鳥居から、森の中へ分け入るように進むと、参道を挟んで2本の大きな杉の木が現れ、つい見上げてしまうほどの大木。神秘的な雰囲気の中、さらに参道を進むと、2本の杉が根元で1本になった夫婦杉があり、その目の前の門をくぐれば本殿です。手水舎から本殿、若宮社の順に参拝すると良いそうです。

若狭彦神社(ワカサヒコジンジャ)

福井県小浜市竜前28-7MAP

0770-56-1116 (若狭姫神社)

参拝自由

無休


巨木の千年杉に見守られる「若狭姫神社」

巨木の千年杉に見守られる「若狭姫神社」 流造桧皮葺の本殿、向かって左には千年杉と知られる神樹がそびえる
若狭彦神社から真っすぐ北上したところにある若狭一の宮の下社「若狭姫神社」。若狭一の宮には、こんな逸話もあります。兄・海幸彦が大事にしている釣り針をなくした弟・山幸彦が、竜宮に探しに出かけ、玉のように美しい姫と出会うという日本神話「海幸彦山幸彦」。その山幸彦を祀るのが若狭彦神社、竜宮で結婚した豊玉姫を祀るのが若狭姫神社といわれています。

若狭姫神社は、小川を超えて境内に入り参拝します。随神門・神門・本殿と一直線に配置されていますが、これは二つの神社の共通といわれている特徴のひとつです。
境内全体が樹齢数百年の木々に守られていますが、本殿横には存在感のある千年杉があり、訪れる人々を圧倒しながら、心洗われる時を感じます。

若狭姫神社(ワカサヒメジンジャ)

福井県小浜市遠敷65-41MAP

0770-56-1116

参拝自由、社務所は9:00~17:00

無休


趣のある新たな憩いのスポット「GOSHOEN」

趣のある新たな憩いのスポット「GOSHOEN」 建物は福井県の有形文化財に登録
神社参拝のあとには、趣のある新たな憩いのスポットへ。
2021年5月にオープンした「GOSHOEN」は、もともと江戸時代に北前船の商人だった古河屋が、賓客をもてなしてきた旧別邸です。これまで特別公開以外では長年使われることがなかった小浜市西津エリアの象徴的な建物で、箸メーカー「マツ勘」によりリノベーションされました。建物の良さをできるだけ残しつつ、こだわりのインテリアを取り入れ、現代の集いの場として生まれ変わっています。

室内には美しい庭を望める畳の広間をはじめ、茶室、月を見るために使われていた部屋などさまざまなスペースがあり、「マツ勘」のお箸を購入できる「箸蔵まつかん直営店」もあります。
カフェラテ(500円)、抹茶のガトーショコラ(300円 )
また、コーヒースタンド「ene COFFEE STAND」も併設。スペシャルティコーヒーやカフェラテに、さまざまなハーブティーを飲み比べして店長がセレクトしたカフェインレスのフルーツティー(450円)も用意されています。季節ごとのスイーツに抹茶のガトーショコラなどもあるので、お庭を眺めながらゆったりひと息いれることができそうです。

GOSHOEN(ゴショウエン)

福井県小浜市北塩屋17-4-1MAP

0770-64-5403

10:00~17:00

水・木曜

GOSHOEN

小浜らしい紅白の海鮮丼が味わえる「濱の四季」

小浜らしい紅白の海鮮丼が味わえる「濱の四季」 別添えのタレも地元を意識した、(左)「若狭の白い海鮮丼」(1600円)(右)若狭の赤い海鮮丼(1700円)
小浜の“食”を味わいに、かつての御食国を感じさせる若狭小浜の海鮮が味わえるレストラン「濱の四季」へ。

2021年初夏から始まった、小浜で水揚げされた海鮮にこだわった紅白の海鮮丼が人気です。その1つ「若狭の白い海鮮丼」は、小浜で水揚げされる旬のイカをごはんの上にのせ、海藻のアカモクのトロッとしたタレとともに味わう、イカ好きにはたまらない丼。一方、「若狭の赤い海鮮丼」は、若狭湾で育った「ふくいサーモン」をオリジナルの漬けにして、同じく小浜で育ったブランドトマト「越のルビー」の甘くてさっぱりとしたトマトソースで味わいます。
また、小浜のブランド魚6種を舟盛りにした「若狭のお刺身御膳」(2400円)も好評。目の前に広がる若狭湾を眺めながらゆったりと、小浜の海の幸を楽しめそうです。

お食事処 御食国若狭おばま 濱の四季(オショクジドコロミケツクニワカサオバマハマノシキ)

福井県小浜市川崎3-5MAP

0770-53-0141

11:00~14:30(LO14:00)

水曜(祝日の場合は営業)

お食事処 御食国若狭おばま 濱の四季

趣のある町家をリノベーションした宿「小浜町家ステイ」

趣のある町家をリノベーションした宿「小浜町家ステイ」 「丹後街道つだ」主屋の2階には床の間があり日本家屋の良さがある
旅の疲れを癒すなら、明治期から残る町並みに溶け込むように建つ町家をリノベーションした分散型の一棟貸しホテル「小浜町家ステイ」で宿泊を。縁側や箱階段など「町家」らしさも残しつつ、綺麗で快適に改装した空間の中で、暮らすように泊まることができる宿です。

その中の一つ、「丹後街道つだ」は、地元の人々に親しまれてきた元和菓子屋さん。「丹後街道」に面した築100年の町家の主屋と蔵を、それぞれグループで貸し切って使えます。
(左上)蔵2階のベッドルーム、(左下)蔵の1階リビングルーム、(右上)主屋1階の縁側、(右下)主屋1階の箱階段
各棟には、広々としたお部屋とベッドルーム、お風呂、トイレが完備されていることに加え、充実したキッチンがついており、地元の食材を買ってちょっとした料理も楽しめます。朝食は、徒歩圏内の海が見えるホテル「ホテルアーバンポート」で食べられます。

「小浜町家ステイ」は、「丹後街道つだ」のほかに「三丁町ながた」「三丁町さのや」「八幡参道みやけ」「西津湊かさまつ」「丹後街道たにぐち」があり、夕食付きなどプランもさまざまあるので、旅のスタイルに合わせてチョイスしてみてくださいね。

小浜町家ステイ「丹後街道つだ」(オバママチヤステイタンゴカイドウツダ)

福井県小浜市小浜浅間61-1MAP

0770-56-3366 (おばま観光局)

IN15:00,OUT10:00

無休

https://www.obama-machiya-stay.com/

※主屋(8名定員)/朝食付き7800円~ 蔵(6名定員)/7800円~

小浜町家ステイ「丹後街道つだ」

古き良き日本が残る若狭小浜。心落ち着くパワースポットの神社、希少なほとけさまのいる寺院。そして、御食国らしい海の幸など、千年以上の時を経ても訪れるほどに知りたくなる町へ。時間をとって、少し欲張りにめぐってみるのがおすすめです。
 若狭おばま観光協会

若狭おばま観光協会

小浜市観光・おばまナビ

https://www.wakasa-obama.jp/

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

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