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2023.05.13
鎌倉時代から続く老舗旅館に泊まってのんびり過ごす江の島の旅♪「岩本楼」
土産物店が軒を連ねる江島神社へと続く参道にたたずむ「岩本楼」。しっかりとした石造りの門を松や桜の大木が覆う風格のある旅館で、その歴史は850年。現在は50代目の当主が引き継ぐ由緒ある旅館をご紹介します。
かつては宿坊として利用されていた老舗旅館
江の島弁天橋を渡った青銅の鳥居から徒歩約2分
江島神社の弁財天仲見世通りのなかで、ひときわ存在感のある旅館「岩本楼」。風情のある塀の土台にはしっかりとした石垣が積まれ、江の島の歴史と共にある風格が漂います。松をはじめとした沢山の木々が生い茂り、石造りの重厚な門の前で楽しそうに記念写真を撮る観光客も多く見られます。
門からは朱の鳥居が見え江島神社まで徒歩約3分
この旅館のはじまりは鎌倉時代までさかのぼります。江の島岩屋と江島神社の奥津宮の管理を行う別当寺「岩本坊」として開山し、江戸時代に「院」の称号を与えられると「岩本院」となり、将軍や大名の宿坊としても利用されていたのだそう。その後、明治時代になると世の中の情勢にあわせて旅館として開業、「岩本楼」として50代にわたってその歴史が受け継がれています。
本館へのアプローチ
キラキラ光る湘南の海と雄大な富士山の眺望が自慢
ロビー階から望む富士山
はるか鎌倉時代から約850年の歴史のあるこの旅館が、今のような3階建ての建物になったのは平成の時代に入ってから。朝食をいただく部屋からは、いにしえの人々もおそらく眺めたと思われる景色が広がりリスがかわいい姿を現すことも。窓から見える瓦屋根を伝って正面の玄関に進み、その後は別棟の屋根伝いに進むルートがあるのだそう。
桜の時期はリスが揺らすと桜吹雪になることも
1階の奥にはこれまでの歴史の一部を垣間見ることのできる資料館「岩本院資料館」があります。宿泊客に開放していて、江戸期元禄時代の看板、鎌倉彫の下駄やすずり箱など江の島に来てもなかなか見ることのできない貴重な資料が展示されています。
岩本院資料館
青い海がすぐそこのオーシャンビューの部屋
1泊2食付き18700円~ ※曜日・時期・部屋のタイプによって変更有
23部屋ある客間はすべてオーシャンビューで、窓の外には湘南の海が広がります。 江島神社の参拝はもちろんのこと、江の島シーキャンドルからの美しい夕焼けなど江の島は日が暮れても様々な楽しみがあり、宿泊すると思う存分楽しめますよ。夏期の「江の島灯篭」の光絵巻、晩秋から早春にかけてはイルミネーションなど、昼間とは異なる夜の幻想的なライトアップも魅力です。
ベランダ越しにプールが見え隠れ
夏は海沿いにプールがオープン。ますますリゾート気分も高まります。
宿泊客限定のプール
2つの名物風呂にゆったり入ってリフレッシュ
国の登録有形文化財に登録されている岩本楼ローマ風呂
2つある大浴場はどちらも特徴的です。昭和初期に誕生した「岩本楼ローマ風呂」は浴槽が馬蹄型で古代ローマのテルマエのよう。天井は聖堂を思わせる丸いドーム、重厚感のあるセルリアーナと呼ばれる組窓の壁も見事です。さらに入り口の扉はステンドガラスです。
(左上)ローマ風呂の天井(右上)脱衣所もレトロ(左下)大浴場へ向かう廊下(右下)館内の移動は草履で
もう一つは「弁天洞窟風呂」。その昔は弁天堂として使われていた洞窟を活かして作られたお風呂で、奥の赤い鳥居の向こうには江島神社のご祭神・八臂弁財天様が祀られています。
弁天洞窟風呂の入り口 ※2つの大浴場は入替え制
地元で水揚げした新鮮な海の幸づくしの夕食
ゆったりとした気分で楽しむ江の島の夕食
旅の楽しみの一つでもある夕食は、相模湾で獲れた新鮮な海の幸をメインにした「江の島会席」です。プラスで伊勢海老などもオーダーできますよ。旬の魚やサザエなど地元の海の恵みを味わって。
「江の島会席」の一例、海老の磯辺焼きはオプション※内容は季節で変更有
すがすがしい空気に包まれる江の島の朝
玄関から望む庭
早起きしたら江の島を散策するのがおすすめです。さわやかな空気の中に小鳥のさえずりが響き、観光客であふれかえる昼間とはうって変わって静かで穏やかな朝の新鮮な空気は気持ちのいいものです。ゆったりと時間が流れる江の島へのんびりとした旅に出かけてはいかがでしょうか。
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髙橋茉弓
Writer
高橋茉弓
おやつの時間を何よりも大切にするライター&カメラマン。波の音とカフェがあればそれで幸せ。
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