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2023.09.15
牧野博士ゆかりの植物園とモネの庭へ♪秋のガーデンをめぐる1泊2日の高知旅
NHKの連続テレビ小説『らんまん』で話題となった高知県出身の植物分類学者・牧野富太郎博士。高知県では牧野博士ゆかりの植物園や世界に2つしかない「モネの庭」など、秋を感じる庭園めぐりが楽しめます。秋の味覚も味わいながら1泊2日の高知旅へと出かけましょう。
【高知タウン】牧野博士の想いを受け継ぐ「高知県立牧野植物園」へ
(左)博士が描いたジョウロウホトトギスの植物図(所蔵:高知県立牧野植物園)(右上)博士命名のノジギクと陶板の植物図(右下)3階建ての植物研究交流センター
まずは、秋の植物に彩られる「高知県立牧野植物園」へ。ここは牧野博士を顕彰するため、五台山に建てられた日本有数の総合植物園。草花の魅力を発信する「植物園」と世界的な「植物の研究機関」の2つの顔をもち、博士がまいた植物愛と植物研究のタネを大切に育てています。秋にはジョウロウホトトギスやノジギクといった博士ゆかりの植物が開花。展示館の中庭や温室、ふむふむ広場といった趣向を凝らした庭園で博士の愛した草花を観賞できますよ。
(左)庭園を見渡す「レストランC.L.GARDEN」(右)麓の市場で仕入れたお魚ランチ-アクアパッツァ-2100円
牧野植物園では「次なる牧野博士を育てるために」と、2023年5月にオープンラボやキッズラボを備えた植物研究交流センター「ラボテラス」が誕生。3階には「レストランC.L.GARDEN」がオープンし、紅葉に染まる南園を眺めながら地元食材を使った洋食ランチが味わえます。
博士の植物図がデザインされたポストカードやクリアファイルがそろう
レストランの隣に入る「牧野ミュージアムショップ サクラ」にも立ち寄りを。「牧野富太郎博士をさまざまな角度から研究するラボ」をコンセプトに掲げ、博士の植物図をデザインしたオリジナルアイテムをはじめ、スケッチブックやルーペなど博士ゆかりの採集道具をイメージした商品がそろいます。 レストランで食事を楽しんだり、お買いものをしたり、植物研究を見学したり。進化した牧野植物園では、さまざまな角度から草花の魅力が体感できるようになりました。
高知県立牧野植物園
コウチケンリツマキノショクブツエン
【高知タウン】「竹林寺」で紅葉に染まる庭園を散策
赤や黄色に染まる紅葉が境内を包む
牧野植物園を訪れたら隣接する竹林寺にも訪れて。秋はイチョウの巨木やモミジが色づき、紅葉の名所としても知られています。書院から眺める名勝庭園は、禅の高僧・夢窓国師によるもので、南国らしい北庭と閑静な西庭の観賞が楽しめます。境内には重要文化財の本堂や鎌倉時代初期の様式で再建された五重塔といった見どころも点在。竹林寺は四国八十八か所のひとつでもあり、お遍路さんに出会えることもありますよ。
(左)高さ31mの五重塔(右)広い境内を散策
724(神亀元)年に行基が創建し、2023年には開創1300年を迎えた竹林寺。その記念イベントとして9月には光と音のインスタレーション作品の公開を予定しています。菩提心曼荼羅の特別拝観やトークイベントもあり、この時期だけの催しがたくさん。紅葉の観賞と合わせて楽しんでくださいね。
竹林寺
チクリンジ
【高知タウン】「芋屋金次郎 卸団地店」でいもスイーツを味わう
1年中楽しめるお芋づくしのパフェ950円
植物園と竹林寺の庭園散策を楽しんだあとは、「芋屋金次郎 卸団地店」で秋にぴったりないもを味わうスイーツタイム。国内の契約農家が栽培するさつまいもを使い、高知ではおなじみの芋けんぴをはじめ、焼き菓子やケーキといったいもスイーツを作る専門店です。カフェではプリンやアイスクリーム、芋けんぴなどいものフィリングたっぷりのパフェがお待ちかね。いもの甘さに合わせてブレンドされたスペシャルティコーヒーと一緒にどうぞ。
(左)揚げたて芋けんぴ280g800円(右)モダンなデザインのショップ
併設するショップでは、昔ながらのプレーンや黒糖、塩や黒ゴマなどさまざまなフレーバーの芋けんぴが購入できます。なかでも、その日に工房で揚げられたいものやわらかさとカリッと食感が楽しめる揚げたて芋けんぴは人気の商品。おみやげにはもちろん、自分用にも購入したい一品です。
芋屋金次郎 卸団地店
イモヤキンジロウオロシダンチテン
【北川村】温泉でぽかぽかに♪「北川村温泉 ゆずの宿」にステイ
豊富な湯量を誇る北川村温泉
今回の宿は、高知市内から車で約2時間、森の中にたたずむ「北川村温泉 ゆずの宿」。ゆずの産地と知られる北川村にある宿で、自慢は肌なじみのいいトロトロの美肌の湯。秋色に染まる山肌を眺めながら、源泉かけ流しの温泉でゆったりとくつろげます。
(左上)開放感ある吹き抜けのロビー(右上)奈半利川沿いに建つ(左下)ゆずのモチーフがあちらこちらに(右下)スイートタイプの和洋室
3タイプの客室のなかでもおすすめは展望檜風呂が付いた和洋室タイプ。展望風呂ではもちろん温泉が楽しむことができ、夜は星空を眺めながら、朝は森林浴をしながらプライペートな入浴タイムが過ごせます。 ほかにも、地元の食材を使った料理を提供するレストランや家族やグループで貸切できる信楽焼の陶器風呂も用意(要予約、50分2200円)。ゆったりと流れる時間と温泉に思う存分癒やされてくださいね。
北川村温泉 ゆずの宿
キタガワムラオンセンユズノヤド
【北川村】『北川村「モネの庭」マルモッタン』で秋の花が彩るアートな庭を散策
モネの名作『睡蓮』を彷彿とさせる水の庭
牧野植物園とともに高知の2大ガーデンとして知られるのが、北川村「モネの庭」マルモッタン。印象派の巨匠として知られる画家クロード・モネが愛した庭は、フランス・ジヴェルニーで大切に保存されていますが、本家から認められた世界で2つ目の「モネの庭」が高知県東部の山間に位置する北川村にあるのです。
(左)地中海沿岸の雰囲気を表現したボルディゲラの庭(右上)秋にはダリアやサルビアが見ごろを迎える(右下)モネの作品と見比べながら庭を観賞できる
広大な庭園はコンセプトの異なる3つのエリアで構成され、花を絵具に、庭をキャンバスに見立て、モネの絵の世界観や色彩を表現しています。北川村の山々も借景に四季折々の景色が見られますが、なかでも秋は花々がもっとも盛りを迎える季節。濃く発色したサルビアやコスモスは高く咲き誇り、より一層モネが描くアートの世界に入り込んだ感覚で観賞が楽しめます。
北川村「モネの庭」マルモッタン
キタガワムラモネノニワマルモッタン
【馬路村】ゆずの村にある「馬路温泉」の田舎寿司でお昼ご飯
北川村から車で約1時間、北川村同様ゆずの村として知られる馬路村に到着します。まずは安田川沿いに建つ宿泊施設「馬路温泉」に立ち寄って、川を眺めるレストランでお昼ご飯。ゆずや川魚、山菜を主役にした料理がそろい、高知の郷土料理として知られる田舎寿司が味わえます。
田舎寿司1630円(予約推奨)
田舎寿司は「山のお寿司」とも呼ばれる高知の郷土料理。シャリには高知名物のゆず酢を効かせ、甘く煮たコンニャクやしいたけ、タケコノ、さらにはリュウキュウ(はすいもの茎)やいたどりなど高知ならではの食材がネタになります。10月中旬までは酢漬けにした鮎の寿司も味わえますよ。
馬路温泉
ウマジオンセン
【馬路村】「馬路村ふるさとセンター まかいちょって家」に立ち寄って、ゆずアイテムをおみやげに
ゆずジャム290円、ごっくん馬路村130円など
お昼ご飯のあとは、村の入口に立つ「まかいちょって家」でおみやげ探し。秋に実りを迎えるゆずの果汁、安田川の水、ハチミツだけを使ったドリンク「ごっくん馬路村」をはじめ、ゆずの加工品や化粧品などが多彩にそろいます。牧野博士も訪れたという杉林の魚梁瀬杉(やなせすぎ)を使った木工品も馬路村ならではのおみやげとして知られています。
木の温もりを感じられる店内
「まかいちょって家」は、観光案内や村内のガイドツアー「村の案内人クラブ」の窓口も担う村の案内所でもあります。観光パンフレットも用意しているので、馬路村をめぐるならまずはこちらで情報収集をするのがおすすめです。
馬路村ふるさとセンター まかいちょって家
ウマジムラフルサトセンターマカイチョッテヤ
牧野博士とクロード・モネが愛した草花を愛でるガーデンへ。彩り豊かな秋の景色に出合う、1泊2日の高知旅に出かけてみませんか?
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橘春花(フォレスト) 撮影:森昌史(フォレスト)
連続テレビ小説を生かした博覧会推進協議会(事務局:高知県庁観光政策課内)
令和5年4月から放送されているNHKの連続テレビ小説『らんまん』を県観光の振興に最大限に生かして、ひたすら草花を愛し続けた牧野博士の精神や功績を後世に引き継いでいく取り組みを実施。県、市町村、関係団体等により組織する推進協議会を設置し、官民協働により事業を推進しています。
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