街中にありながら下町風情も残る大阪・玉造駅前にオープンした、テイクアウト専門の小さなベーカリーが美味しくてかわいいと話題を集めています。注文を受けてから具材を詰めて作るサンドイッチは「しりしり」「焼きポテサラ」「しろくま」など、どれも個性的。ドリンクやソフトクリームもオリジナリティ溢れ、インスタ映えするパン屋さんとして連日行列になっています。
2017-12-02 15:12
街中にありながら下町風情も残る大阪・玉造駅前にオープンした、テイクアウト専門の小さなベーカリーが美味しくてかわいいと話題を集めています。注文を受けてから具材を詰めて作るサンドイッチは「しりしり」「焼きポテサラ」「しろくま」など、どれも個性的。ドリンクやソフトクリームもオリジナリティ溢れ、インスタ映えするパン屋さんとして連日行列になっています。
「パンヤ」という、分かりやすい名前を付けたこちらのお店は、JR大阪環状線「玉造駅」から徒歩3分のところにある、オリジナルのフォカッチャを対面販売するベーカリー。キヨスクのように気軽にふらりと立ち寄れる店にしたいと、通りからオーブンやキッチンが見えるカウンタースタイルの店頭になっていて、軒先のショーケースには、焼きたてのパンがずらりと並んでいます。隣にあるレトロな交番とともに街に溶け込んだ、雰囲気たっぷりのお店です。
「パンヤ」のメニューでまず目を引くのは、チーズがとろりと溶けたオープンサンド。キーマカレーやバジルソースとトマトをのせたマルゲリータなど、カレーやソースは自家製で風味豊か。ピザのように具材とチーズをのせて焼き上げたピザフォカッチャはザクッとした食感が特徴です。「りんご&ゴルゴンゾーラ」など、季節限定メニューも登場します。
注文を受けてから具材を挟んでくれるサンドイッチもあり、「ハチレモクリチ」「しろくま」、「あんこバター」はおやつ系のメニュー。鹿児島名物のかき氷をイメージした「しろくま」は、あんこと生クリーム、カットフルーツをたっぷり挟んだもので、パンのほのかな塩気がアクセントになっています。
惣菜系には「バジルチキン」「しりしり」「焼きポテサラ」など居酒屋?と思わせるメニュー名も。実は店主の中津さんは、もともと玉造でイタリアンをしていて、パン職人というよりは料理人。そんな料理人の視点で作るサンドはローストポークや、バジルソースを絡めたチキンなど中に挟んでいる具材は本格的で、普通のパン屋さんとはひと味違っています。
サンドイッチのイメージにとらわれない、さまざまなメニューを創作している中津さんですが、その味を支えるのはモチモチでしっとりした生地と香ばしい焼き色のフォカッチャ。おやつ系も惣菜系もすべて同じフォカッチャを使用していますが、甘い具材にも相性がよくなるよう、塩分控えめの味にしています。さらにフォカッチャでは珍しい、中種を使った製法で生地はもちもちふかふか。多彩な具材を包み込むことをイメージした、まったくオリジナルのフォカッチャなのです。4cm以上の厚みがありそのまま食べても味わいがあるので、このパンだけを買う人も多いそうですよ。
パン以外にもお店で人気を集めているのが、牛乳とソフトクリーム。フルーツ牛乳はフルーツ風味ではなく、カットしたフルーツが入っている、ありそうでなかったメニュー。ソフトクリームはクリーマーの出口を調整することで、ぽってりとしたかわいいフォルムに仕上げています。「昔のソフトクリームはこんな形だったそうですよ。懐かしい雰囲気も出したかったので」という中津さん。子どもはもちろんですが、大人もその見た目に惹かれ、買っていくそうです。
ひとつのパンから具材や食べ方をアレンジすることで多彩なメニューを展開し、子どもから大人まで楽しませている「パンヤ」。昼すぎには売り切れてしまうこともあるので、早めの時間に行くのがおすすめです。
パンヤ(パンヤ)
文:田口真由美