続ソロ・スキー
#地図の読めないおやつ旅 #旅行記 #おやつ探し #軽井沢 #軽井沢プリンスホテルスキー場 #スキー
先週、数年ぶりにスキーに行ったが、コツをつかみかけたところで、強風のためゲレンデの営業が終わってしまった。不完全燃焼だったのと、スキー場で軽やかに滑る人々を間近に見て、一刻も早く滑れるようになりたく、すぐにまたスキーに行くことにした。
前回はGALA湯沢だったが、今回はスキー後もアウトレットで時間を潰せる軽井沢プリンスホテルスキー場にした。営業開始早々に着くと、まだ客はあまりおらず、レンタルもスムーズに行えた。前回の失敗から「初心者ゲレンデ」と書かれていることを確認してからリフトに乗ったが、いざゲレンデに降り立つとまだ疲れてないからか意外なほど脚のコントロールが利く。滑ってみても、上手くハの字に力が掛けられて、ゆっくり減速して様子を見ながらコースを進むことができた。結局、初回は一度お尻をついただけで、思っていたよりあっさり降りて来ることができた。2回目、3回目と回を追うごとにコースに慣れ、5回目には一度もお尻をつかずにスタート地点に戻ることができた。しかし今回はコースよりもリフトを降りることに苦戦して、係員から「止まらないで!」「下じゃなく前を見て」と何度も指摘を受け、最後まで苦手意識は抜けなかった。午前もいい時間になると、陽気がよくて雪が溶けて来るうえに、脚も疲れて力を入れる感覚がつかみずらく、滑りにくくなったため、早々にスキーは切り上げることにした。
全然できないところから少し滑れるようになるくらいの運動神経はまだまだ衰えていないが、長時間キツいブーツを履いて滑り続けられるほどの体力はもうないのだと痛感した。事実、40代を迎えてから少しずつ身体の老化を感じるようになった。ある日突然髪に白いものが混じり、見て見ぬ振りをするうちにその数が増えたり、一度に食べられる量は減ったのに、体重は全然減らなかったり。気持ちは若い頃の延長線上にいるが、身体はまったく別のところにいるようで、自分で自分がよくわからない。20代前半と思われる女性を見ると肌艶も髪の潤いも、自分とは違う生き物に見えるし、同じ服装を自分がしたら似合わないだろうなと感じる。フランスかぶれということもあり、若い頃は、40まで歳を重ねたら、女性として素敵に成熟するのではと想像していたが、現実は、相変わらず幼稚なままだし、煩悩は尽きないし、苦手なことも克服できていない。精神は期待していたほど成長していないのに、ただ身体だけが歳を取ってしまった感覚で、正直戸惑っている。
今回スキーに体当たりで挑戦して、文字通り何度も転んだし、脚も痛んだ。ここまでできないことに一から挑戦した経験は大人になってからあまりなかったが、とにかく身体でぶつかって、身体で覚えるしかないという原始的な体験だったからこそ、できる、できないという感覚がはっきり自覚できて、進歩も限界もよくわかり楽しめた。まだまだ同行者と同じコースで滑れるレベルには達していないけれど、ひとつできないことができるようになったという自信が付いた。
身体は嫌でも日々衰えるので、行動が現状維持を志向したままでは、トータルで見て劣化に繋がるのではと危機感を抱いている。とは言え、無理をしても仕方ないということは年相応の実感としてよくわかっているので、自然に取り組めることで、何か新しいことに挑戦したり、楽しそうなことを新規開拓したり、身体と頭と心が許す限り、前を見て生きて行きたい。見渡せば、まだまだ知らないことやできないことはたくさんあるし、世の中はどんどん変化する。いくつになっても、伸び代はまだあるのだと、鏡の前に立つたび曇る気持ちに、ほんの少し光が差した。