山を駆ける
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5月末の有効期限が近づき、JR東日本の列車に4割引きで乗れる株主優待券が安く買えたため、普段なかなか行くことのできない白馬を訪れることにした。
当初はリフトやゴンドラで八方尾根を登ることを考えていたが、マウンテンバイクのコースがあることを知り、小心者でビビり易い自分を改善すべく、山を駆け降りるダウンヒルに挑戦することにした。
しかし、YouTubeで白馬のコースを走る動画を見たら、崖のような場所があったり、転んでいたり、見ているだけで怖気づいてしまう。数日「やっぱりやめよう」と悩んだが、思い切って、アメ横にある激安スポーツ用品店でサイクリングウェアやグローブを買い、ネットでヘルメットも買って、引くに引けない状況に自ら追い込んだ。また、梅雨時ということもあり、1週間前から毎日天気予報をチェックしていたが、当日は曇りで、空模様までも味方してくれ、「やるしかない」と思った。
白馬岩岳MTBPARK に着き、ウェアに着替えてからマウンテンバイクをレンタルした。お店の人が私の身体のサイズに合った高さのものを選んでくれ、サスペンションの調整や不具合がないかの確認を経て、ゴンドラに乗りスタート地点に向かう。
ダウンヒルコースの最初は初心者向けで、2〜3回転んだものの何とかクリアできた。しかしコースの途中、3/4くらいは中級コースになってしまい、カーブがきつかったり、細い山道を走ったり、難易度が上がる。そして一番怖いのが、他の客が風のような速さで駆け降りて来るので、道を開けるために常に後ろを意識してしまうことだ。ゆっくり慎重に走っていたのに、突然後ろから勢いよく現れて、慌てて避けようとしてバランスを崩し、石にお尻を打ってしまった。歩いたり、多少漕いだりはできるものの身体の角度によっては痛み、他の客の存在にも心理的な圧迫感を感じたため、半分以上自転車を押して降りる羽目となった。山の上に初心者向けの周回コースがあると聞き、再びゴンドラに乗って上がったが、お尻の痛みが残っていたためマウンテンバイクは断念した。
マウンテンバイク以外にも山岳リゾートとなっており、ヤッホースウィングという山に向かって開けた場所にあるブランコに乗った。「アルプスの少女ハイジ」の主題歌が流れながら漕ぐのだが、呑気な曲調と陽気なヨーデルに、「これくらいが私のレベルだな」と思った。意欲だけあっても、自分の身体能力や運動神経が追いつかないこともあるのだと、今日はお尻の痛みと共に身に沁みて感じた。しかし、それすらもやってみて初めて気づかされた訳で、やらないことには自分にできることもできないこともわからない。
スキーやキャンプなどのアウトドアを始めて、「とりあえずやってみないと道は開けない」と実感した。どんなに本や動画を見て学んでも、実際に滑らないとスキーは滑れるようにならないし、どんなに頭の中で想像しても、実際にやってみないとキャンプがどんなものなのかはわからない。マウンテンバイクに挑戦することはもうないかも知れないけれど、「この道は違う」と知ったことで、今後、別の道を伸ばしたり開拓することもできると思う。
また「言葉より行動に価値がある」こともアウトドアを通じて学んだことだ。ある程度大人になると、他人の言動を言葉で批判することは容易い。しかし、その言葉に値するだけの実績が自分に伴っているかは怪しいところだ。だから他人から忠告やアドバイスをもらったら、本人にもそれに値するだけの実践が伴っているのかよく観察して取捨選択すればいいし、自分ができもしない理想を他人に押し付ける前に我が身を振り返る必要がある。
前々から旅行記を書き、言葉を使って頭の中で考えたことを発信して来たが、「行動を伴ってこそ、言葉は力を持つ」と思うので、旅行や実生活の中で実際に体験して腑に落ちた考えを記したいと改めて決意した。