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4500もある物語を語り継ぐ「講談」の世界へ。神田松之丞さんインタビュー

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4500もある物語を語り継ぐ「講談」の世界へ。神田松之丞さんインタビュー
張り扇で釈台を叩き、調子を取りながら歴史にちなんだ話を読み上げる「講談」。真に迫る語り口調と張り扇のリズムが、聴衆を魅了します。戦国時代を起源とする歴史の古い芸能ですが、いまその講談界に改めて注目が集まっています。

そんな講談ブームをけん引し、独演会のチケットはすぐに完売するほど人気を集める神田松之丞さんに、講談の魅力を語っていただきました。

プロフィール

神田松之丞(かんだまつのじょう)/東京都出身。2007年11月に三代目神田松鯉に入門、2012年6月二ツ目昇進。著書に『絶滅危惧職 講談師を生きる』(新潮社)、レギュラーラジオ番組『神田松之丞 問わず語りの松之丞』(TBSラジオ)など。

講談の世界はまさに宝の山。歴史の長さが生む味わい

講談の世界はまさに宝の山。歴史の長さが生む味わい 迫真の語りで観客を魅了する神田松之丞さん。流れるような口上で、どんどん物語世界に引き込まれる
 講談の歴史は落語よりも古いんです。諸説ありますが、戦国時代に起源があるといわれていて、その後、江戸末期から明治時代にかけて武勇伝や当時の事件を扱ったネタで人気の最盛期を迎えます。当時は江戸だけで講談師が800人、講談専門でやる講釈場も200軒あったそうです。講談師はいわば、ジャーナリストの役も兼ねていたんですよね。
社会で起こった事件や男女の心中話を、現代のラジオやテレビの代わりに芸として伝える。古典落語のネタは500ぐらいですが、古典講談は4500あるんですよ。歴史の差ですね。そんな過去の膨大な話の中から選りすぐりの話を高座にかけているのが、現代の講談です。

演者と観客のかけひきこそ、生で聴く講談の醍醐味

演者と観客のかけひきこそ、生で聴く講談の醍醐味 神田松之丞さんは、落語家の仲間とともに「成金」というグループでの活動も行なっている
初めて講談を聴くなら、落語の方や演芸の方と一緒になる寄席での講談がおすすめです。とくに新宿末廣亭は風情があっていいですね。寄席にはいろんなお客さんがきますから、初めての方にも楽しんでもらえるようなネタを選んでやっています。予備知識などは一切必要ないですね。
高座に上がってお客さんの表情をみて、初心者の方が多いなという日は、“マクラ”という本編に入る前の話でお客さんをほぐす。目の前のお客さんに合った言葉をチューニングして喋っています。生の公演では、お客さんも参加者になれますし、一緒に空気を作っていく感じです。

講談も、旅先での景色も、背景を知ればおもしろい

地方には仕事でいくことのほうが多いですが、金沢や倉敷の町の景観が素晴らしくて、気
に入っています。歴史的にみて、国が軍備を置かなかったから戦災から免れた結果、多くの歴史的な建造物が今も残っている。あくまでこれは説のひとつですが。しかしそういった、景観の背景にある物語を知ると、より美しく感じました。

そこに暮らした人の歴史や物語にすごくひかれます

そこに暮らした人の歴史や物語にすごくひかれます 1946(昭和21)年に創業した定席「新宿末廣亭」。昼夜2部構成で落語のほか、講談、漫才、手品などを披露する場
巌流島に行ったときは、武蔵と小次郎はこんな感じの所で決闘したのかと想像したり、講談のネタにもつながりますね。落語は基本的に江戸の話ですが、講談は全国あらゆる場所が舞台です。地方での公演はその土地にちなんだネタをすることもあるので、初心者の方も聴いていただきやすいかも。ぜひ生の講談を聴きにきてください。

新宿末廣亭(シンジュクスエヒロテイ)

東京都新宿区新宿3-6-12MAP

03-3351-2974


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神田松之丞さんへのインタビュー全編は、発売中の「ことりっぷマガジンVol.18 2018
秋号」でお読みいただけます。書店で見かけたらぜひチェックしてくださいね。
ことりっぷマガジンVol.18

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※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

文:

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