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2015.07.31
インドではじめる新生活!? 人生を変えるヒントが見つかる映画『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』
タージ・マハル、ハワー・マハル、アーグラ城塞。多くの観光名所があるインド。鮮やかな色が目に楽しい賑やかな市場や、壮麗な寺院、そして神秘的な古代王朝の建築物に心引かれる国。光と人々の笑顔に誘われ、行ってみたら、決して日常ではできない体験を思う存分味わえるはず。 今回紹介する映画は、そんなインドで新生活を始めようと試みる7人の英国人たちが、カルチャーショックを経て、インドの素晴らしさを知り、やがて人生の岐路に立つ、ユーモアにあふれた感動作です。
インドで再出発することに決めたイヴリンと6人の男女たち
インドに引っ越してきたイヴリン
40年間連れ添った夫を亡くしたイヴリン(ジュディ・デンチ)は、一緒に暮らそうという息子の誘いを断り、インドの高級リゾートホテル“マリーゴールド・ホテル”での一人暮らしを決意します。 イヴリンのほかにも、ダグラス(ビル・ナイ)とジーン(ペネロープ・ウィルトン)の夫婦、インドで股関節の手術を受ける予定のミュリエル(マギー・スミス)、現在独身のノーマン(ロナルド・ピックアップ)とマッジ(セリア・イムリー)、そして突然判事の仕事を辞めたグレアム(トム・ウィルキンソン)の6人が、このホテルの長期滞在プランに申し込んでおり、一緒に出発することに。
期待外れだったマリーゴールド・ホテル
インドでイヴリンたちを待ち受けていたものとは…?
「眺めの良いテラス、明るい中庭、丸天井、屋根付きバルコニー」 ホームページには、優美な建物の写真と共にそう書いてありましたが、実際は改装中といえば聞こえはいいですが、ボロボロ状態の廃墟同然のホテルでした。 亡き父からホテルを譲り受けたという若き支配人のソニー(デヴ・パテル)は、やる気だけは人一倍ですが、明らかに経験不足。電話は通じず、ドアのない部屋まである始末です。でも、すでに前金を支払ってしまった7人に選択の余地はありません。
インドのパワーは7人を圧倒!
人の多さに驚かずにはいられない
ホテルの問題はともかく、7人はジャイプールの街に圧倒されます。ブログを始めたイヴリンは「あふれる音と色彩、暑さと喧騒、すさまじい数の人々」と、街に圧倒された理由を綴りつつ、「ここは新しい世界。何事もチャレンジ。楽しまねば」と、インドでの新生活に飛び込む決意をします。 頑固なミュリエルや、インドに来てからホテルの不満ばかり言っていたジーンも、やがて新しい生き方を考え始めます。 ところが、インドに来て45日が過ぎた頃、マリーゴールド・ホテルに大事件が起き、イヴリンたちも巻き込まれることに…。
ジャイプール市内の観光名所、ハワー・マハル
誰にでも訪れる人生のターニングポイント。この物語に登場する7人の男女も分かれ道で迷ったり、壁にぶつかったりしますが、パワーに満ちあふれたインドの風に背中を押され、前に進み始めます。 この映画を見ると、インドには人生を豊かにするヒントがきっとあると感じ、何かに迷ったり、一歩を踏み出す勇気がない時に、励まされる気分になれます。まずは本作でインドにいる気分を味わい、イヴリンのように気に入ったら、旅行に出かけてはいかがでしょう。
* * * * * * * 『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』 ブルーレイ発売中 ¥1,905+税 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン (C)2014 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
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清水久美子
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