お祝いごとに欠かせない400年以上の伝統あるお菓子

透明の筒に入っているのでやわらかな色味が楽しめる

ピンク、白、赤、黄色に水色。幼いころに食べたコンペイトウやラムネ菓子のようななつかしい気持ちにさせるのは、香川県西部の伝統菓子「おいり」です。おいりの始まりは400年以上前、当時の丸亀城主の姫君が嫁ぐお祝いに、城下の人が五色の煎ったあられを献上したことに由来します。以来、結婚の折にはおめでたいお煎りものとして親しまれ、略して「おいり」と呼ばれるようになり現在も結婚など、お祝いの席に欠かせないお菓子のひとつとなっています。 香川県観音寺市の菓子工房「遊々椿」は明治初期に創業した菓子店。現在はおいりの専門店として地域の伝統を守り続けています。主な原料は香川県産のもち米と砂糖で、もち米を蒸して完成するまでにおよそ一週間かけているそうです。

口に入れるとすっと溶けるような、軽い歯ざわり

思わずシャッターを切りたくなる、まんまるなかたち

「おいり」の魅力はなんといってもその食感。親指と人差し指でつまむとその軽さに驚くでしょう。口に入れるとカリッとはじけ、ほのかな甘みを残して舌の上で溶けていくのがおもしろく、次々と口に入れたくなる素朴な味わいが特徴です。 伝統菓子でありながら、SNSを通じて若い女性にも人気が高まり、アイスクリームやおしるこ、パンケーキなどデザートのトッピングとして取り入れる人が増えています。オリジナルのおいりトッピングスイーツを考えるのも楽しそう。おやつの時間に「おいり」があれば、きっと写真を撮りたくなるはずです。