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2022.05.20
ステンドグラスの洋館でティータイムを。大正・昭和を今に伝える邸宅「文化のみち橦木館」
名古屋市東区白壁は、名古屋城の東側にあり、かつては武家屋敷が広がっていたというエリア。明治以降は財界人の邸宅が建ち、当時としては最先端の建物が点在していたといいます。今回紹介する「文化のみち橦木館」は、そんな当時の様子を教えてくれる数少ない建物のひとつ。館内にはティールームもあるので、のんびり過ごすのもおすすめですよ。
歴史ある建物が点在する名古屋市東区、文化のみちへ
名古屋市営地下鉄「高岳駅」から徒歩約10分。閑静な住宅街の一角に、今回紹介する「文化のみち橦木館」はあります。もともとこちらの建物は、陶磁器商・井元為三郎氏が大正時代末期に作り上げた邸宅。100年以上前に造られた建物ですが修繕されながら、戦前戦後を経て今も当時の佇まいを残していて、名古屋市の有形文化財、景観重要建造物にも指定されています。個人の邸宅ですが、さまざまな趣向を凝らして作り上げられているので、その見所とともに館内を案内していきましょう。
さまざまな絵柄のステンドグラスが残る洋館
「文化のみち橦木館」は、スパニッシュ様式の洋館、数寄屋造りの和館のほか、庭園、茶室などが一般公開されていて、一部立ち入り禁止の場所以外は自由に見学ができます。 洋館の玄関が入口となっているのでまずは洋館内へ。扉や天窓などあちこちにステンドグラスがあしらわれているのが印象的な建物です。この館は海外の客人が宿泊するためのゲストハウスとして作られたものなのだそう。
SHUMOKU CAFEで香り高いムレスナティーを
洋館の1階にある応接室はギャラリーカフェとなっていて、紅茶やスイーツを楽しめる空間となっています。日本庭園に面し、お隣にある和館を眺めることができるテラスもあり、レトロな雰囲気を楽しみながらティータイムを過ごすことができますよ。
「紅茶のクリームソーダ」(800円)
「紅茶のパンケーキ」(ドリンクセット900円)
このムレスナティーを使ったパンケーキもあり、ローズとピーチをブレンドした最高級茶葉を生地にたっぷり入れ、紅茶シロップも添えて紅茶尽くし。もちもちの食感と紅茶の香りが贅沢な一品です。ほかにもナチュラルワインなどが置かれていて、街中にありながら時代や時間を忘れて過ごすことができるので優雅に寛いでみてくださいね。
カフェの店内もよく見ると天窓部分のステンドグラスに、美しい鳥を見つけることができます。ほかにも洋館では天窓やドア、天井ライトなどそれぞれにデザインの異なるステンドグラスがあしらわれていて、絵柄にどんな想いが込められているのか想像が膨らみます。かわいい絵柄をぜひ探してみてください。
床の間、縁側など、風情と歴史を感じる和館
洋館と渡り廊下でつながっている和館は、井元氏の住居としても使われていた空間です。庭に面した縁側にはゆらいだように見える板ガラスや木製の雨戸なども。今では貴重となってしまった意匠であることはもちろん、細部に凝ったデザインが施されていることにも注目してみて下さい。決して派手ではないですが、井元氏の遊び心や想いを感じることができる日本建築となっています。
文化のみち橦木館
ブンカノミチシュモクカン
https://www.shumokukan.city.nagoya.jp/
入館料:一般200円
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田口真由美
Writer
田口真由美

好物は古いものと発酵したもの。名古屋を拠点に町や人、美味しいものを訪ねる日々を過ごしています。
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