開港時代の歴史を感じて過ごす路地裏のカフェ

みなとみらい線元町・中華街駅5番出口から徒歩約5分

横浜元町の仲通りにある「Café Next-door」は、通りに面する元町仏蘭西菓子店（ケーキショップ）から奥に繋がる、隠れ家的なカフェです。このあたりは明治の開港時代には煉瓦（レンガ）や西洋瓦を焼く工場があり、湧き水を利用して港に停泊する船へ水の供給もしていたという歴史のあるエリア。今もカフェの横には水の湧く泉があり、その歴史に触れることもできます。

今も絶え間なく水が湧き出るお店の横の泉

長いカウンターや赤レンガの壁、アンティークのイスやテーブルなど、どことなく異国の情緒を感じる店内はクラシカルな落ち着いた雰囲気です。店名は歴史のある街から扉を開けて新しい時代を切り開こうという思いからネーミングしたのだそう。時代を超えてちょっとした時間旅行にでも出かけたかのような気分になりますよ。

（左上）奥に伸びるカウンター（右上）アンティークのイスやテーブル（左下）壁には赤レンガ倉庫の絵画（右下）赤レンガが囲むボックス席

看板商品のチョコレート菓子を巻いた名物スイーツ

手前「煉瓦ロール」（720円）奥のケーキ左から「ルージュルージュ※季節限定」「キャラメルショコラ」（各770円）

フレンチレストランのパティシエが趣向を凝らしたケーキは8種類ほどあり、季節ごとのケーキも登場します。おすすめは霧笛楼を代表する銘菓「横濱煉瓦」を生クリームやクルミと一緒にショコラのスフレで巻いた「煉瓦ロール」。横浜土産としても人気の「横濱煉瓦」は、明治時代にこの地域で製造されていた煉瓦に見立てたフォンダンショコラのようなチョコレート菓子です。なめらかな生クリームとザクザクとしたクルミの食感も楽しい特製のロールケーキは、分厚くカットされ存在感も十分。

カレーとポタージュのマリアージュが斬新

お皿のワンポイントも素敵「横濱フランスカレー」（1800円）

北海道産ジャガイモのまろやかなポタージュとトロトロに煮込んだ国産牛のコクのあるカレーとの組み合わせが斬新な「横濱フランスカレー」。霧笛楼のフレンチシェフのアイデアから生まれたこのカレーは、昆布だしを使用したポタージュと欧風カレーの和魂洋才で相性抜群。お皿に盛り付けたご飯とポタージュを楽しんでから、カップに入った別添えのカレーをかけてさらに奥深い味わいを堪能する人が多いのだとか。揚げゴボウをトッピングしたご飯は、神奈川県ブランド米「はるみ」と黒もち米の炊き込みご飯で風味もいいのが特徴です。

一杯のお茶から垣間見る元町の過去と現在

ヒマラヤ高地の茶園で栽培する古木から手摘みした紅茶「元町ブレンドティー」（700円）

紅茶をオーダーすると「ビフォー＆ナウ」という図柄のティーカップが用意されます。元町商店街の老舗「タカラダ」のもので、文明開化に沸いた開港当時の様子とみなとみらいの観覧車など近代的な建物が建ち並ぶ現在が描かれ、まるで物語を見ているよう。このカップに温かい紅茶を注ぐと時代の流れを感じるノスタルジックなひと時に。

定番のショートケーキ「フレザリア」（770円 ※コーヒーまたは紅茶とのケーキセットは1450円）

地元の窯元で焼いたケーキ皿やポットに添えるレースのナフキンは「近沢レース」といった具合にテーブルウェアもこのエリアのブランドを使用し、明治時代から根付いた職人さんたちの心意気も伝わってきます。気品あふれるカフェで豊かな時間を過ごしてくださいね。