
11
2026.07.27
世界で最も美しい美術館に選出。瀬戸内の絶景に溶け込む、動く「下瀬美術館」へ
2024年、世界的な建築賞「ベルサイユ賞」で「世界で最も美しい美術館」として最優秀賞に選ばれた「下瀬美術館」。広島を代表する観光地・宮島からも近く、穏やかな瀬戸内海を望む広島県大竹市にあるこの美術館は、建築とアート、自然が美しく調和する新たなアートスポットとして注目を集めています。
美術館そのものが、ひとつのアート

(上)チケット売り場、カフェ、ショップを備えるエントランス棟 (下)エントランス棟の内側からは、外の景色を眺められるようになっている
設計を手がけたのは、世界的建築家・坂 茂氏。美術館へ近づくとまず目を引くのが、エントランス棟のミラーガラス張りの外壁。周囲の空や緑、水辺の風景を映し込み、建物そのものが瀬戸内の景色に溶け込んでいるように見えます。館内へ入ると一転して、木のぬくもりに包まれた開放的な空間が広がります。大屋根を支える木柱はまるで大樹のよう。柱から天井に向けてしならせた美しい曲線には継ぎ目がなく、1本の木が枝を伸ばしたようなデザインになっています。

瀬戸内の多島美に着想を得てデザインされた8色8棟の可動展示室
エントランスから外に出ると、水辺に浮かぶように並ぶ色とりどりの展示室に目を奪われます。この展示室は可動式となっていて、8棟の展示室が配置を変え、全く異なる展示空間を生み出すのが最大の特徴。ピンクやきみどりなど、8色のパステルカラーが瀬戸内のやわらかな光や水景を映し込み、建築そのものが、まるで生きたひとつのアート作品のような存在感を放っています。

(上)展示室への通路の壁面はミラーガラスになっていて、窓の外の可動展示室を写し込み、カラフルな空間に (下)アメデオ・モディリアーニやエミール・ガレのコレクション作品(©SIMOSE)
コレクションとして、アール・ヌーヴォーを代表する芸術家、エミール・ガレのガラス工芸をはじめ、マティスやピカソなどの近代西洋美術や、横山大観といった近代の日本画などを所蔵。年数回の企画展を通して、幅広い作品を楽しめます。
自然と調和する「エミール・ガレの庭」をおさんぽ

エミール・ガレの作品に登場する草花を中心に、瀬戸内の気候に合わせて植栽されている
アート鑑賞の後は、ガレの世界観をイメージしてつくられた「エミール・ガレの庭」へ。四季折々の草花が彩る庭園には、瀬戸内のやさしい風が吹き抜け、散策するだけでも心がほどけていくようです。

敷地全体を見渡せる絶景スポット「望洋テラス」からの眺め
さらに、企画展示棟の上にある「望洋テラス」も人気のスポット。可動展示室と瀬戸内海の島々を一望できる開放的な空間で、時間帯によって移ろう海の表情をゆっくり眺めることができます。夕暮れ時には、海と空が淡く染まり、旅の思い出に残る美しいパノラマビューが広がります。
アートの余韻を、海辺のカフェで

(左)抹茶のガトーショコラ。ドリンクとセットで1800円。ケーキはこの日の一例 (右上)瀬戸内レモンスカッシュ850円 (右下)エントランス棟の一角にある
エントランス棟には、海を眺めながら過ごせるカフェも併設。瀬戸内レモンなど、瀬戸内の恵みを取り入れたスイーツやドリンクをはじめ、サンドイッチなどの軽食も。窓の外には水盤に浮かぶ可動展示室と瀬戸内海が織り成す風景が広がります。天気の良い日にはテラス席で穏やかな風を感じながらゆっくり過ごすのもおすすめ。

(上)客席からは可動展示室や海を見渡せる (左下)ランチコースは8800円~。夜は要予約(©SIMOSE) (右下)ライブ感あるフルオープンキッチン
敷地内には、瀬戸内の景色と食を同時に楽しめるレストラン「SIMOSE French Restaurant」も。瀬戸内海を望むロケーションで、地元・広島や瀬戸内の食材を取り入れたフレンチコースが味わえます。旬の魚介や野菜を繊細に仕立てた料理は、まるで食べるアートのように美しく、美術館で過ごす一日をさらに特別なものにしてくれます。
作品や建築をモチーフにしたオリジナルアイテムもチェック

(左上)エミール・ガレのガラス技法で作成されたオブジェ。5700円~ (左下)坂 茂氏の建築を象徴する「紙管」(大580円、小380円)など、多彩なアイテムが並ぶ (右)可動展示室から着想を得てデザインされたシリーズ。トートバッグ3900円など
最後に立ち寄りたいのが、センスのよいアイテムがそろうミュージアムショップ。所蔵作品をモチーフにしたグッズのほか、可動展示室をイメージした色とりどりの日用品、エミール・ガレにちなんだガラス作品、建築家・坂 茂氏を感じられるデザイン雑貨など、ここならではの品々が並びます。
美術館に隣接するヴィラでは、瀬戸内の自然に包まれるような滞在体験もできます。静かな水辺と建築美を身近に感じながら過ごす時間は、まるでアート作品の中に泊まるような特別感があります。 宮島エリアからもアクセスしやすく、広島旅の途中に立ち寄るのにもおすすめの下瀬美術館。建築、アート、自然の魅力を五感で味わえる、瀬戸内の新しい名所にでかけてみませんか。
下瀬美術館
シモセビジュツカン
https://simose-museum.jp/
入館料2000円(展覧会によって変更となる場合あり)
ことりっぷ編集部おすすめ
このエリアのホテル
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。
西村恵美(forest) 写真:森昌史(forest)
の人気記事









































