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2016.11.10
視界360度! 「日本一星空が見やすい場所」に選ばれた、岩手県「ひろのまきば天文台」
※こちらの記事は、2016年11月10日に公開されたものです。 岩手県洋野町(ひろのちょう)にある「ひろのまきば天文台」は、周りを牧場に囲まれた丘の上の天文台。360度ぐるりと視界が開け、低い位置にある星も見ることができます。それはまるで天然のプラネタリウム。「日本一星空が見やすい場所」にも選ばれた、環境のよさも自慢です。
見晴らしのいい丘のてっぺんにある、小さな天文台
天文台からの見晴らし
岩手県の県庁所在地・盛岡市から車でおよそ1時間半。なだらかな丘陵地が広がる緑豊かな洋野町大野地区に「ひろのまきば天文台」はあります。 道の駅や産直、宿泊施設などを備えたまちの拠点「おおのキャンパス」の中にあり、広大な牧場を見渡す丘の上にあるこの天文台。空がどこまでも広く、遠くには牛がゆっくりと草を食む姿が見えます。
広大な敷地にいろいろな施設が集まる「おおのキャンパス」。パークゴルフや木工・陶芸などの体験もできる
夜になれば、この見晴らしのいい景色がいちめんの星空に…。想像するだけでワクワクします。
自慢の巨大な望遠鏡。昼間の星も観測できます
県内最大を誇る口径51cmの望遠鏡。ドームの窓は360度回転する
「ひろのまきば天文台」には、口径51cmの特大望遠鏡が設置されています。一般公開されている反射式望遠鏡としては県内最大で、光を集める力は人の目と比べて5300倍。例えれば、ここから700km離れた愛知県名古屋市にあるろうそくの光が見えるほどの性能なのだとか。
望遠鏡はコンピュータプログラムと連動。観測したい星を自動で探すことができる
月のクレーターや火星、土星など太陽系の惑星はもちろん、星団や星雲、銀河といった星の集まりも観測できるほか、肉眼では見えない「昼間の星」も観測可能。特殊なフィルターを組み込んだ太陽観測専用の望遠鏡もあり、太陽から吹き出すプロミネンス(炎)や黒点を見ることができます。
駐車場は絶好の観測場所です
天文台の駐車場で撮影した星空(写真提供:ひろのまきば天文台)
周りに遮るものがない見晴らしのよさや、人工的な明かりが少ないことなど、「ひろのまきば天文台」には、星空観測に適した条件が揃っています。 2009年には、環境省が主催する「冬季全国星空継続観察」で、もっとも星空が見やすい場所に選出。県内外の天文愛好家が憧れる場所のひとつになりました。
閉館後の駐車場で星空撮影をする人も多い
天文台の駐車場は閉館後も開放されていて、夜遅い時間でも星空観測にやって来る人たちがちらほら。8月のペルセウス流星群、12月のふたご座流星群の日などは明け方まで観察会が行われ、ビニールシートやマットの上で仰向けになり、視界いっぱいに広がる星空を一晩中楽しめます。 特に冬は「冬の大三角」や「オリオン座」など明るい星が多く、天体観測がしやすいとのこと。日没が早い分、長い時間天体ショーを楽しめるのも魅力です。
決してアクセスがいいとは言えませんが、だからこそ自然そのままの星空が守られている「ひろのまきば天文台」。約80万年前から海底が隆起してできたというこの丘から、数千万光年も離れた星の光を眺め、果てしない宇宙を体感してみませんか。
ひろのまきば天文台
ヒロノマキバテンモンダイ
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鈴木いづみ
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