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2018.06.12
アルゼンチンのソウルフード!代々木上原『ミ チョリパン』|by PARISmag
毎日の暮らしのなかで少しだけ心が弾むような豊かさをお届けするWEBマガジンPARIS mag(パリマグ)から、今回は代々木上原にある『ミ チョリパン』をご紹介します。
今年ももうすぐ暑い夏がやってきます。暑いときに食べたくなるのが、スパイスの効いた異国料理やお肉料理。情熱の国と言われるアルゼンチンに、その両方を兼ね備えたソウルフードがあるのをご存知でしょうか?その名も「チョリパン」。日本でも食べられるお店があると聞きつけ、さっそく行ってきました。

代々木上原駅から歩いて6分ほど。カラフルな屋根が目を引くお店が『Mi Choripan(ミ チョリパン)』です。

お店を営む中尾真也さん・奥様の智子さん。
アルゼンチンのソウルフードだという「チョリパン」ですが、日本ではまだあまり馴染みがないのでは?「チョリパンとは?」というところから中尾さんにお話を伺いました。

世界旅行中に出会った「チョリソー」

日本で唯一のチョリパン専門店だという『ミ チョリパン』。中尾さんご夫婦が世界一周旅行をしていたときに、アルゼンチンで出会ったのがチョリパンでした。そもそもチョリパンとはどんなパンなのでしょう? 「スペイン語で『chorizo(チョリソー)』がソーセージ、『pan(パン)』がパンという意味なので、その名の通りパンにソーセージがサンドされているものがチョリパンです。レストランというよりは、屋台で食べられるような庶民的なファストフードで、安くてお腹いっぱいになります。牛肉メインの超あらびきソーセージなので、お肉を食べているような食感で、ホットドックというよりはハンバーガーに近い感じですね」と中尾さんが教えてくれました。

チョリソーを乾燥させています
アルゼンチンで食べたときに、「なんだこのソーセージは!」と衝撃を受けたという中尾さん。帰国後、日本でもチョリパンを作りたいという思いが募り、再度アルゼンチンへ。屋台のチョリパンを食べ歩き、「日本で作りたいから教えて下さい!」と頼み、3ヶ月間の修行をしたそう。修業先のお店のつながりで、チョリソーを作っている工場を紹介してもらい、作り方を学んだという中尾さん。日本ではなかなか本場のチョリソーに近いものが手に入らないということで、現在のお店では中尾さんが自家製のチョリソーを作っています。 「牛肉メインのひき肉をスパイスと混ぜ合わせ、手でこねてから豚の腸に詰めて乾燥させます。そのあと冷蔵庫で3日間熟成させます。チョリソーがすごく太いので、炭火で下焼きをして完成です」と中尾さん。 手間ひまをかけて作られているチョリソーは、今日作ったとしても食べられるのは4、5日後。中尾さんの作るチョリソーは、食感を出すために牛肉をメインに豚のタンと脂を入れているそう。また、牛肉100%のチョリソーでオーダーすることもできますよ。

チョリソーを冷蔵庫で熟成させています
また、日本で「チョリソー」と聞くと辛いイメージがありますが、それはメキシコから入ってきた細くて辛いソーセージが日本で有名になったからなのだそう。そもそもチョリソーの本当の定義は豚の腸に入っている太いソーセージ。そのためアルゼンチンのチョリパンで使用するチョリソーは辛くないのだそうです。日本で広まっているイメージと全く違うので驚きですよね。

アルゼンチンの調味料・チミチュリソース
日本の醤油のように、アルゼンチンでも代表的な調味料があります。それが「チミチュリソース」。

「チミチュリは、ビネガーとオイルにいろいろな香辛料やスパイス、ハーブを混ぜ合わせたソースで、肉料理全般に使われます。アルゼンチンでは、どのレストランにもありますし、家でも作る日常的なソースなんです。現地のスーパーに行くと、チミチュリ用のドライハーブのパックが売られているので、それを各家庭でビネガーやオイルなどに入れて好みに作るんです。ドレッシングみたいに瓶詰めでも販売されていますよ」と中尾さんが教えてくれました。 チョリソーがかなり肉感たっぷりのジューシーなものなので、中尾さんはビネガーを使ったさっぱりとしたチミチュリにしています。

自家製チョリソーを味わうチョリパン

炭火でパンを焼きます
アルゼンチンのチョリパンのパンはものすごく固いそうですが、中尾さんは自家製のチョリソーに合うようにと、パン屋さんに軽めの食感のパンをオーダーしています。

自家製のチョリソーは半分に割り、表面がカリッとなるまで焼きます。こんがりと焼けておいしそうな匂いがしてきます!

ジューシーなチョリソー、炎が上がっていますね。

パンの上にチョリソーをのせて、チミチュリソースをかけたら「チョリパン」の完成です! さっそくひと口かぶりつくと、炭火で焼いたパンはさっくりとしています。そしてソーセージのイメージをはるかに超えるものすごいお肉感!ハーブやスパイスの香りも口いっぱいに広がります。チミチュリソースの酸味と辛味もチョリソーと絶妙にマッチしておいしいです。

さらにトッピングとして、ガーリックチップやパクチー、チーズなどがあるのですが…、その中に「チョリ増し(1/2本)」という気になる文字が。 チョリソーは1本でも、なんと100g以上もあるのですが、お肉をもっと食べたい!という方は「チョリ増し」でさらに増量可能。また、チョリソーだけのテイクアウトもできるので、お家で焼いて楽しむこともできます。

カスタムチョリパンを楽しむ

スタンダードな「チョリパン」のほかに、「カスタムチョリパン」があります。こちらは、レタス、トマト、炒め玉ねぎ、ネギマヨネーズ、アルゼンチンサルサにチミチュリを自由に選んで自分でトッピングすることができるんです!

初めての方は、まず全種類をちょっとずつのせるのがおすすめとのこと。今回は智子さんに作っていただきました。

ボリューム満点な「カスタムチョリパン」。自分で好きなトッピングをカスタマイズできるなんて楽しいですよね。野菜もたっぷり摂れるのがうれしいところ。 炭酸系とよく合うということで、アルゼンチンのビール「Quilmes(キルメス)」と一緒にいただきました。そのほか、「チョリパン」に合うようなクラフトビールをその時々で置いているのだそう。

横からみてもすごいボリュームです。慣れてきたら、このトッピングを多くしてみようなど、その日の気分でカスタムするのもいいですね。

異国に来たような空間
お店のお客さんは常連さんが多いと言います。また、アルゼンチンのチョリソーが日本では売られても作られてもいないため、本場の味を求めてアルゼンチンの方を含め、たくさんの外国人の方もいらっしゃるそうです。 アルゼンチンのチョリパンの屋台では、チョリソーは馴染みの工場やお肉屋さんのものを使っています。だからチョリソーから自家製で作っているチョリパンのお店というのは、かなりレアということでもあるのですね。

飾られているポスターもアルゼンチンで購入したもの
お店のカラフルな外装や内装は、アルゼンチンの首都であるブエノスアイレスの街の観光地をイメージしています。お店に入ると、まるで異国へ旅に来たようなそんな雰囲気も感じられます。その空間でいただくチョリパンにアルゼンチンのビール、格別です。 日本ではまだ知らない人も多いチョリパンの存在。1度食べたら、やみつきになるというのはこういうこと、と実感すること間違いなしです。 これからやってくる熱い夏、ビール片手にチョリパンを頬張ってみては?
Mi Choripan
ミ チョリパン
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