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2021.04.23
水と山に囲まれた城下町の片隅で。アンティークとフランス地方菓子のお店「プチ パリ」
岐阜・郡上八幡といえば、郡上おどりで知られる山里の城下町。吉田川沿いに広がる昔ながらの町家と美しい湧き水が流れる風景が心を癒してくれます。 そんな山間の城下町の一角に、フランス菓子を手作りするお店を見つけました。カヌレやガレットなど、風味豊かに焼き上げられた品々は、地元の食材にこだわったものも。フランスから届くアンティークなども並んでいて、味わい豊かな品々に出会うことができますよ。

城下町に残る古い民家を改装したお店
今回紹介するフランス菓子店「プチ パリ」があるのは、郡上市八幡町の古い街並みから少し外れた場所。「いがわ小径」と呼ばれる用水路沿いの風情ある路地を歩いた先に、お店はあります。この地に残っていた町家を改装した店舗となっていて、カヌレをモチーフにしたお店のロゴが目印です。

フランスで学び、出会った味を郡上で再現
「郡上のカヌレ」(1個 250円※1日50個限定)
店主の鎌倉さんは、フランスでお菓子を学び、ロワール、アルザス、バスクなどなどフランス各地を訪ね、その地のお菓子や食材の産地を巡る旅を重ねてきた人物。そんな鎌倉さんが本場ボルドーのものよりも美味しいと自負し、お店のスペシャリテとして作り続けているのがカヌレです。 郡上産の卵と牛乳をたっぷり使った生地にはタヒチ産バニラビーンズを贅沢に使用。表面は香ばしいほどに焼き上げ、しっとりとした中の生地とのコントラストに驚かされます。食材ひとつひとつにこだわってシンプルに作り上げた、生地そのものの美味しさを楽しむ一品です。

ロワールから届くアンティークやブロカント
お店にはお菓子以外にも、フランスから定期的に届くアンティークやブロカントが並んでいて、現地の雰囲気が伝わってくるよう。ロワールに住む古物商を営む友人から届くというアンティークは、銀のカトラリーや年代を感じる陶磁器、グラスなどさまざま。テーマを設け、相談しながら品物を集めているそうです。

地元のお店や作家とのコラボも楽しみながら

店のパンプレットや包装紙などは、地元のイラストレーターの方にオーダーして描いてもらっているそう。郡上の風景を描いてもらった缶にはいろいろなクッキーを詰め合わせて。
「オリジナルの手ぬぐい」(850円)

地元コーヒースタンドで、焼き立てを食べる贅沢を
「本日のコーヒー・エチオピア」(500円)とプチパリのお菓子たち
ほかにも美味しいコーヒーと共に「プチ パリ」のお菓子を食べてもらいたい…と地元コーヒースタンド「SUPPLE COFFEE ROASTERS」とコラボして作り上げた珈琲豆も販売しています。リッチな味わいのお菓子に合わせて少し深めに焙煎した、酸味も程よくある味わいです。さらにこちらのコーヒースタンドでは「プチ パリ」のお菓子が持ち込みOK。買ったお菓子を美味しいコーヒーと共に楽しむこともできます。 鎌倉さんいわく「カヌレはぜひ焼き立てを食べて欲しい」とのことなので、ぜひ町を散策しながらこちらに立ち寄ってみてください。川沿いにある酒蔵を改装したというお店は古木の味わいを生かした空間。川を眺めながらコーヒーを楽しむことができますよ。

フランス郷土菓子の魅力を伝えるために
イースターの時期にはフランス・アルザスの伝統菓子「アニョーラパン」を再現
クリスマスやイースターなど、フランスの歳時記に合わせた郷土菓子が登場することもある「プチ パリ」。現地を旅して見つけたお菓子道具などもお店には並んでいて、鎌倉さんのお菓子への思いが伝わってきます。 お店は不定期の営業ですが、週末など週1~2日オープンするのが基本。オープン日はSNSで告知しているのでぜひチェックしてみてください。鎌倉さんが作り出す、郡上とフランスを感じられるお菓子にきっと魅了されてしまいますよ。
Petit Paris
プチ パリ
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田口真由美
Writer
田口真由美

好物は古いものと発酵したもの。名古屋を拠点に町や人、美味しいものを訪ねる日々を過ごしています。
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