北陸新幹線駅から始まる 越前・若狭 平安体験トリップ♪  紫式部ゆかりの地や伝統工芸、味めぐりも
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北陸新幹線駅から始まる 越前・若狭 平安体験トリップ♪ 紫式部ゆかりの地や伝統工芸、味めぐりも

華やかな平安時代を象徴する『源氏物語』の作者である紫式部が青春の1ページを過ごした福井。平安時代は、越前国・若狭国と呼ばれていました。当時から都の文化を支える「ものづくり」と、海や山の幸に恵まれた「食」の国であり、その伝統文化は今もさまざまなところで息づいています。 この春、新たに乗り入れた北陸新幹線に乗って、福井の「平安」を探す旅に出かけてみませんか。

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紫式部と雅な平安文化が花開く越前へ

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(左上)十二単をまとった金色の紫式部像(右上)池にせりだす釣殿は平安時代に月見や雪見の宴が催された場(左下)自分が『源氏物語』に登場するどの姫君 のタイプかを占う「姫みくじ」(右下)平安装束に身を包んだ後ろ姿の紫式部

今年の大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部が、京から国司として赴任した父・藤原為時とともに生涯でたった一度だけ都を離れて暮らした越前。その暮らしを知る手がかりとなるのが、越前市の「紫式部公園」です。 園内は、平安貴族の邸宅である寝殿造が再現され、舟遊びができそうな広い池には優美な曲線を描く朱色の橋がかかります。また、4月末には藤の花が見ごろを迎え、平安時代の華やぎが伝わってくるかのようです。 さらに、その公園に隣接するのが、紫式部の生涯と越前との関わりをテーマにした「紫ゆかりの館」。越前国府での暮らし、京に残してきた後の夫となる藤原宣孝との歌による遠距離恋愛、『源氏物語』を執筆するまでの紫式部の心模様が映像や几帳風パネルで紹介されています。

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紫式部公園

ムラサキシキブコウエン

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紫ゆかりの館

ムラサキユカリノヤカタ

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番組で使われた衣装を見ると大河ドラマの場面が思い起こされる

大河ドラマの世界観に没入して物語を体感するなら、紫式部公園からも近い武生中央公園内の「大河ドラマ館」へ。越前ならではの展示コンテンツを多数楽しめ、番組の衣装・小道具、登場人物紹介や等身大パネル、サイン色紙などの基本展示や、「特集パネル3 種」コーナーでは番組の舞台裏をたっぷり紹介。 美術セットの解説や、衣装人物画・諫山宝樹(いさやまたまじゅ)さん、書道指導・根本知(さとし)さんのお話なども。「4Kシアター」ではキャストとスタッフの特別インタビューを交えた、ここだけのスペシャル映像を上映。 さらに、越前ゆかりの藤原為時の書斎を模した「フォトスポット」では、中に入って書道具を間近から鑑賞できます。紫式部がただ一度都を離れて暮らした越前に是非お越しください。

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光る君へ 越前 大河ドラマ館

ヒカルキミヘ エチゼン タイガドラマカン

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(左)越前の自然や動植物がモチーフのキービジュアル(右上)越前和紙工房の五十嵐製紙によるポストカード や一筆箋(右下)野菜や花の苗を販売 する841(苗のはっとり)が、餡菓子の CHARLIE MARGUERITE とコラボした「越前 華おはぎ」

大河ドラマ館をはじめとし、盛り上がりを見せる越前市では、地元のおいしいものや楽しいものが、紫式部をイメージしたアイテムに進化する「パープルハートプロジェクト」を開催中。 プロジェクトには、アフタヌーンティーなどの和洋スイーツ、ワインや日本酒、越前焼や和紙雑貨などの伝統工芸など、市内15店が参加。目を引くパッケージや思わず写真を撮りたくなるかわいい品がそろいます。

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パープルハートプロジェクト

clock-icon店舗によって異なる
pin-icon店舗によって異なる
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平安時代の陰陽師・安倍晴明ゆかりの若狭

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(左)天球儀と星の動きを観測する陰陽師の姿(右上)会館前の庭には暦に関するオブジェも(右下)安倍晴明を祖とする土御門家は、明治の陰陽寮廃止まで全国の陰陽師らをとりまとめた

紫式部と同時代に活躍していた陰陽師の安倍晴明も、福井にゆかりのある人物です。当時、中国大陸への窓口としての役割を果していた日本海を仰ぐ敦賀は、新しい情報が入る最先端の地でした。宮中の陰陽寮で天皇に仕えていた晴明はこの港町で数年を過ごし、天文の研究を重ねたと伝わります。 安倍家は晴明の死後も陰陽寮と深く関り、室町時代以降は土御門(つちみかど)家を名のりました。やがて、応仁の乱の混乱を逃れ、京から領地であった現在のおおい町へ移り住みます。 そのおおい町にある「暦会館」は、陰陽道を伝える晴明の子孫・土御門家と暦をテーマにしたミュージアム。漏刻(水時計)や天球儀などの復元模型をはじめ、陰陽道、古代から令和にかけての暦に関する資料が展示され、八卦(はっけ) 占いの体験ができるのもポイントです。

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暦会館

コヨミカイカン

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(左)氣比神宮の大鳥居は高さ約11mで国の重要文化財(右上)日本三大松原のひとつに数えられる気比の松原(右下)美しい敦賀湾の夕暮れ

安倍晴明が数年を過ごした敦賀には、北陸道の要所を守護してきた北陸道総鎮守 越前国一之宮の「氣比神宮」が鎮座します。主祭神の氣比の大神の歴史は古く2000年以上といわれるほど。地元では、今も「けいさん」と呼ばれ親しまれています。 また、氣比神宮は、敦賀の港や中国大陸からの使節をもてなす「松原客館」の運営も任されていました。紫式部の父である藤原為時が越前守に任じられたのは、漢文の才で使者たちをもてなすことができたからだとも。紫式部もそうした交流にふれる機会があったのかもしれませんね。

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氣比神宮

ケヒジングウ

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モダンな姿の進化系伝統工芸

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(左上)和紙を表紙にあしらった「トリノコノート」1冊1540円(右上)「揉み紙ピアス/イヤリング」1 個880円(左下)和紙の魅力のひとつは立体的な質感(右下)「飛龍」という 絵柄を漉き込む技法で制作す るランプシェード

長いものでは1500年以上の歴史を誇る福井の伝統工芸。敷居が高そうなイメージがありますが、時代とともに進化をとげ、ふだんの生活で使えるスタイリッシュな工芸品が、続々誕生しています。 たとえば越前和紙は神話に起源をもつほど長い歴史があり、紫式部も越前の和紙を使っていたのかもしれません。今も越前市の「和紙の里」には、和紙をテーマにした博物館や体験施設、ショップが点在します。 そのなかの一軒、「長田製紙所」は1909(明治42)年創業の手漉き和紙工房です。襖紙や壁紙、タペストリーなどインテリア装飾用の和紙を手がけ、最近では外資系ホテルや空港などで使われることも多いそう。アート作品を展示するギャラリーと、和紙小物がそろうショップが併設されています。

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長田製紙所

オサダセイシショ

clock-icon工場見学10:30~・14:30~(要予約)、ショップ・ギャラリー8:00~12:00・13:00~17:00(土・日曜、祝日は要問合せ)
pin-icon不定休
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(左上)kicoruの「縁起柄コースター」各1650円(左下)タケフナイフビレッジの刃と柄が一体になったオリジナル 包丁(右上)宗助工房の「Kaki komi earrings」1組11000円 ※販売はSAVA!STORE(TEL 0778-25-0388)、1点ものであるため写真と 同じものはありません(右下)若狭工房にはめのうの原石も展示

越前和紙以外にも、伝統を守りながら時代が求めるものに挑戦しつづける匠たちがいます。 若狭めのう細工は、奈良時代、若狭彦神社・若狭姫神社(若狭一宮)の社前で、玉を信仰する渡来人「鰐族(わにぞく)」が玉造りを生業にしたことが起源とも伝わります。小浜市の「若狭工房」では、デザイナーとコラボしたアクセサリーが注目されている宗助工房のめのう職人・上西宗一郎さんが在籍し、タイミングが合えば、めのう磨きなどを教えてもらえるという贅沢な体験もできます。 また、越前市の「kicoru」は、1907(明治40)年創業の越前箪笥の老舗「小柳箪笥」が、木のことを知り、楽しめるようにと展開するショップ兼アトリエです。木の香りが漂う店内には、洗練されたデザインの家具や雑貨が並び、暮らしのアクセントとして気軽に取り入れられるものがそろいます。 さらに、700年の歴史を紡ぐ越前打刃物の世界でも、伝統を守り進化させるために、13の刃物会社が刃物の複合施設「タケフナイフビレッジ」を共同で運営しています。越前打刃物の歴史を紹介する資料館や、職人たちが働く工房の見学をすることができ、オリジナル製品が購入できるショップや、予約制の体験教室も併設されています。

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若狭工房

ワカサコウボウ

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タケフナイフビレッジ

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いにしえから続く美食の国で味めぐり

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(左上)小浜で水揚げされる季節の魚介を使った贅沢なコース(左下・右)宿は海に面しており、若狭湾の穏やかな風景が広がる

古来、宮中に海産物や塩を献上してきた御食国(みけつくに)。福井県の若狭地方もそのひとつです。2023年にオープンした「若狭佳日」では、「若狭もの」として今も料亭で珍重される「若狭ぐじ」や「若狭ふぐ」をコース料理の一品として楽しむことができます。若狭の海と山々に囲まれた漁村の美食宿で、海の絶景が望める外湯につかり、古い蔵を改装したラウンジでゆるりとした時を過ごしてみませんか。

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若狭佳日

ワカサカジツ

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(左上・右上)そば蔵 谷川の「おろしそば」。本物だからこそのシンプルさが持ち味(左下・右下)ESHIKOTO内の石田屋では有料で日本酒のテイスティングもできる

福井藩の家老が考案したと伝わる「おろしそば」も、見逃せない郷土の味です。越前市の「そば蔵 谷川」は、福井県産の玄そばを石臼で粗く挽き、つなぎを使わず冷水で手打ちすることで、そば本来の香りと粗挽きのつぶ感が楽しめる一軒。作家ものの越前焼の器もポイントです。 そして今注目を集めているのが、江戸時代から続く酒蔵による食と文化をテーマにした新展開。永平寺町の「ESHIKOTO(エシコト)」は、老舗酒蔵の黒龍酒造がプロデュースする複合施設です。日本酒を扱う「石田屋ESHIKOTO店」とフレンチやスイーツが味わえる「APÉRO & PÂTISSERIE ACOYA」で、福井ならではのおいしい日本酒と食を楽しんでみましょう。

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そば蔵 谷川

ソバクラ タニガワ

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ESHIKOTO

エシコト

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店舗により異なる
石田屋0776-63-1030、acoya0776-97-9396

clock-icon10:00~17:00(レストランは11:00~)
pin-icon水曜、第1・3・5火曜(不定休あり)
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https://eshikoto.com/
※利用は20歳以上のみ

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(左)タケフナイフビレッジの刃物がモチーフの前衛的なアートは川崎和男氏の作品(右上・右下)伝統工芸に気軽にふれられる長田製紙所の紙アイテム

「平安」をテーマに福井県をめぐる旅はいかがでしたか? 3月16日に開業した北陸新幹線で、東京駅から福井駅まではたったの3時間足らず。福井県内には芦原温泉駅、福井駅、越前たけふ駅、敦賀駅が誕生しました。新駅を旅の拠点として、平安時代と現代をタイムトリップするような感覚で、越前・若狭を訪れてみませんか。

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
※画像・文章の無断転載、改変などはご遠慮ください。

紫式部プロジェクト推進協議会

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