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2026.02.15
時を超える美しさに触れる。鎌倉のクラシカルな建築のカフェ&レストラン5選
鎌倉には、由緒ある古い邸宅がいくつも点在し、かつてこの地を愛した文士や華族の美意識が細部にまで宿る、建築の芸術品とも言えます。端正な玄関のしつらえや歳月を経て深い艶をたたえた木の梁など、歴史を物語るその空間が、今は誰でも訪れることのできるレストランとして大切に守り継がれています。今回は、建築好きの心を揺さぶる、意匠の凝らされたクラシカルな建築を選りすぐりました。長い年月を旅してきた建物が放つ静かな力に包まれながら、時を忘れる贅沢なひとときを過ごしてみませんか。
「石窯ガーデンテラス」に宿る英国風洋館の気品

お寺の境内とは思えないほど瀟洒な洋館
鎌倉五山の一つ、浄妙寺の境内に凛として立つ「石窯ガーデンテラス」は、大正時代に貴族の邸宅として建てられた洋館です。端正な白い外壁と赤い屋根のコントラストが美しく、バルコニーや窓のステンドグラス、家具などには、当時の職人が尽くした贅が今も息づいています。

「アフタヌーンティー」コーヒーか紅茶付き(4500円)内容は季節によって変更あり※数量限定
窓の外には、建物のクラシカルな雰囲気に調和するイングリッシュガーデンが広がります。テラス席では、洋館の重厚なシルエットと四季折々の草花が一体となった、絵画のような風景に浸ることができます。こうした空気の中で楽しむ「アフタヌーンティー」は格別です。
「石窯ガーデンテラス」の記事はこちら
石窯ガーデンテラス
イシガマ ガーデンテラス
「古我邸」の壮麗な洋館と森のアフタヌーンティー

クラシカルな佇まい
鎌倉三大洋館の一つに数えられる「古我邸」は、大正5年に完成した傑作といえる建築です。急勾配の屋根や煉瓦造りの煙突、そして半円形のベランダなど、当時の最先端の建築技術と美学が随所に散りばめられています。かつての内閣総理大臣をはじめ、各界の賓客を魅了してきたこの邸宅は、100年以上の時を経た今もなお、揺るぎない品格を保っています。

「森のアフタヌーンティー」(5000円)
通常はフレンチレストランとして、特別な日に訪れたいお店ですが、月に一度「森のアフタヌーンティー」が開催されます。繊細な料理やスイーツがまるでコース料理のように一皿ずつタイミングよくテーブルへ運ばれてきます。フレンチの華やかさとともに、木の幹にスイーツがかわいく並び、北欧紅茶といただくひと時は日常を遠ざける至福のひととき。建築が持つ圧倒的な存在感に身を委ね、往時の華やかなサロン文化を肌で感じることができます。
「古我邸」の記事はこちら
古我邸
コガテイ
https://kamakura-koga.com/
「森のアフタヌーンティー」は毎月第4水曜日(11:00~、14:00~の2部制)※予約が望ましい
「ハウス オブ フレーバーズ」が描く木の葉のような建築美

窓の向こうには青空と緑の美しい景色が広がる
鎌倉山の勾配を活かした斜面に建つ「ハウス オブ フレーバーズ」。木の葉のようなお店にしたいというオーナーのホルトハウス房子さんのリクエスト通り、鎌倉山に生い茂る木々の葉っぱをイメージしたという建物です。階段も窓際の大理石のベンチの下にも支える柱は一本もないすっきりとした設計で、天井を見あげると木の葉の形になっています。

「チーズケーキセット」(2970円)コーヒーまたは紅茶付き
視界を遮るもののない大きなガラス窓からは、刻々と表情を変える空と緑が室内に流れ込みます。イスに座ってこの景色を眺めていると、まるで木の葉の一枚になって、鎌倉山の風を心地よく感じているかのよう。35年かけて完成したレシピにもとづくチーズケーキと温かいコーヒーをいただきながら、鎌倉山の自然を感じるひとときが過ごせます。
「ハウス オブ フレーバーズ」の記事はこちら
ハウス オブ フレーバーズ
https://houseofflavours-shop.com/
イートイン予約https://airrsv.net/houseofflavours/calendar
大正の面影を今に伝える「鎌倉 北橋」の美学

日本の伝統と西洋の建築が美しく調和
日本家屋の棟続きに洋館を併設したモダンな建物に暖簾を掲げる「鎌倉 北橋」。長谷の路地に佇むこの邸宅は、明治時代に建てられたといわれていて、日本情緒あふれる玄関のすぐ脇に洋館があり、鎌倉市の文化財として指定されています。日本家屋側は蕎麦のお店になっていて、障子で仕切られた純和風の雰囲気ははじめて訪れても心地よく、縁側からは庭の緑がまぶしく映ります。

前菜盛り合わせ・蕎麦・甘味「昼懐石さくら」(2800円)
蕎麦は、蕎麦の殻をむき、自家製粉から蕎麦打ちまでの作業をすべて店内でこなすこだわりの味。北海道や信州など日本全国から取り寄せた産地ごとの味わいを楽しむ食べ比べや、十割蕎麦も選ぶことができ、蕎麦好きには嬉しいラインナップです。一方、洋館はカフェになっていて、上げ下げ窓や鎧戸、暖炉などノスタルジックな雰囲気のなか、ほっと一息つくのにおすすめです。
「鎌倉 北橋」の記事はこちら
鎌倉 北橋
カマクラ キタハシ
「Cafe&Restaurant EGAO」の庭園に憩う

閑静な住宅街で目を引く塀に囲まれた英国調の2階屋
高くそびえる切妻屋根の二階家と平屋からなる和洋折衷のお屋敷の平屋部分をリノベーションした「Cafe&Restaurant EGAO(エガオ)」。昭和8年に建てられたお屋敷で、道路沿いの重厚な石柱門から入って竹垣伝いに進んだ趣のある門から入ります。和の情緒が漂い、緑豊かな庭には梅や椿、モミジなどの木々が生い茂り、吹き抜けるそよ風が木々を揺らします。

豊かな庭には梅や椿、モミジなどの木々が生い茂り、吹き抜けるそよ風が木々を揺らします。 「鎌倉野菜のトマトソースパスタ」(1650円 ※ランチセットはサラダとドリンク付きで1870円)「自家製はちみつレモンスカッシュ」(660円)
和室の面影を残す日当たりのいい店内はゆったりとしていて、緑をたたえる庭の様子を眺めていると、縁側でくつろいでいるかのような気分になります。地元で “レンバイ”として親しまれている鎌倉農協直売所で仕入れる新鮮な鎌倉野菜を使ったパスタや、手作りの「抹茶ティラミス」などを味わいながら、どこか懐かしい木造の佇まいを感じて過ごせます。
「Cafe&Restaurant EGAO」の記事はこちら
Cafe&Restaurant EGAO
カフェ&レストラン エガオ
次の休日に訪れたい磨かれた建築を訪ねる鎌倉

「石窯ガーデンテラス」正面
鎌倉さんぽは、季節ごとに変化する光の差し方や庭園の景色などに目を向けると、よりいっそう深いものになります。お気に入りの窓辺の席を見つけて歴史の余韻に浸る。そんな贅沢な時間をすごしてくださいね。
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高橋茉弓
Writer
高橋茉弓

おやつの時間を何よりも大切にするライター&カメラマン。波の音とカフェがあればそれで幸せ。
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