日本にこんな風景があったなんて…。夏のニセコで大地のパワーを心身に宿す、アクティブ自然体験

冬は真っ白な雪原に覆われ、ウインターアクティビティのフィールドとして人気の北海道・ニセコ。一方で夏も、生命力みなぎる大自然を思いっきり体感できるオンシーズンです。北の大地に力強く根を張る草花、新緑が鮮やかに萌える山々、日本一の美しさを誇る尻別川の清流。まるで日本じゃないような、圧倒的な自然を全身で受け止めるネイチャートリップに出かけます。

昔ながらの里山の美しさを映す「双子のサクランボの木」

蝦夷富士と呼ばれる雄大な羊蹄山をはじめ、美しい絵葉書のような風景が楽しめるニセコ。その中でも穴場的なビュースポットにまずは足を運びます。国道脇のスペースに車を止め細い農道を少し歩くと、見えてきたのは広大な畑の中に寄り添うように立つ二本の樹木。「双子のさくらんぼの木」です。

周囲に建物などの人工物はいっさいなく、あるのは一面の畑と背後にそびえる羊蹄山のみ。そこに2本の見事な枝ぶりがよく映えます。作られた風景ではない、自然と共存しながら生きる里山の美しさがそこにはありました。かつての日本には、こんな景色がたくさん見られたのかもしれません。 ○双子のサクランボの木 [所]北海道虻田郡ニセコ町字曽我 [時間] 見学自由（道路からの見学のみ可。私有地立ち入り禁止）

夏のニセコを空から一望。ニセコアンヌプリ「サマーゴンドラ」

夏のニセコを空から一望できるのがニセコアンヌプリの「サマーゴンドラ」です。山の中腹までの標高差500mを一気に駆け上がるゴンドラ。冬はスキー用に運行されていますが、この時期はただ景色を眺めるためだけの、贅沢な空中散歩が楽しめます。

空気がきれいなニセコですが、ゴンドラが標高を上げるにつれ、さらに澄み渡っていくのを感じます。窓からは羊蹄山、そしてニセコエリアの大パノラマ。羊蹄山の美しい山容、さらに、それを中心に広がる一体は本当に豊かな緑に覆われていました。ニセコに生きる人々が、いかに自然を尊重しているかがよくわかる光景です。 ○ニセコアンヌプリ「サマーゴンドラ」 [所]北海道虻田郡ニセコ町字ニセコ485 [TEL]0136-58-2080 [時間] 2016年夏期ゴンドラ運行期間は7月16日～10月16日、8：00～16：30（8月6日～21日は9：00～16：30） [定休日]7／19・20・21・22、9／1・2・5・6・7・8・9・12・13・14・15・16・26・27・28・29・30、10／3・4・5・6・7（8月は無休）

清流日本一の尻別川で、スリリングなラフティング体験

自然をフィールドにしたアクティビティも盛んなニセコ。次はラフティングボートに乗って、水辺を探検です。訪れたのは、春から秋にかけ尻別川でのラフティングツアーを主催する「NACニセコアドベンチャーセンター（NISEKO ADVENTURE CENTRE）」さん。ニセコが現在のように観光地化する前から、かの地を舞台にしたアクティビティを主催してきたNAC。スキーの印象が強かったエリアに「夏の遊び」を根付かせた立役者でもあります。

雪解けによる増水が落ち着いてくる夏は、尻別川の上流からのんびり下る、初心者向けのツアーが楽しめます。といっても、ところどころに激しく水しぶきが上がるポイントもあり、なかなかスリリング。途中、インストラクターの方に促され思い切って川の中にダイブしてみたら、頭から足のつま先まで全身が清涼感に包まれました。

なんでも尻別川は、これまで11回も水質ランキングNO.1に輝いている「日本一美しい一級河川」なのだとか。パドルを漕ぐ手を休めてゆっくり水面を眺めているだけでも癒されますし、周囲には大自然が織りなす絶景もいっぱい。特に、途方もない年月を重ねて形作られた巨大な地層は、言葉を失うほどの迫力です。陸路でのアクセスが困難で、人の足だけでは踏み入れられない場所に残された太古の風景。自然への畏怖を覚えずにはいられません。 ○NACニセコアドベンチャーセンター [所]北海道虻田郡倶知安町字山田179-53 [TEL]0136-23-2093 [料金]ラフティング夏コースは大人6150円、小学生4100円、シニア（60歳以上）5150円 [時間] ラフティング夏コースは2016年6月1日～11月3日（11月4日以降は応相談）開催、午前の部9：30～13：00、午後の部13：30～17：00（7月9日～8月31日は8：30～12：00、9：30～13：00、13：30～17：00、14：30～18：00の1日4本運行） [定休日]期間中無休

ヒルトンニセコビレッジ「ザ・フレイム」で特別なコーヒータイム

アクティブに楽しんだあとは、しばし小休止。やってきたのはヒルトンニセコビレッジのバー＆ラウンジ「ザ・フレイム」。ここではヒルトンホテルがこだわりを追求した、特別なコーヒーを味わうことができます。

アジア人として初めてラテアートのワールドチャンピオンに輝いた澤田洋史氏が監修する「ヒルトンオリジナルブレンド」の豆を使ったカフェラテは、コーヒーの香りとコクのあるミルクの味わいが絶妙なバランスで溶け合います。ラフティングで少し冷えた身体を、中からじんわり温めてくれる一杯。飲むのがもったいなくなるような、繊細なラテアートもお見事です。

○ヒルトンニセコビレッジ「ザ・フレイム」 [所]北海道虻田郡ニセコ町東山温泉地ヒルトンニセコビレッジ1F [TEL]0136-44-1111 [時間] 9:00～17：30（ラストオーダー17：00、フードオーダーは10：00～） [定休日]無休

「ピュア・ツリートレッキング」でワイルドアスレチック体験

少し休んだら、ホテルのすぐ裏にある自然体験フィールドへ。ニセコビレッジでは年間を通じて様々なアクティビティが楽しめますが、この時期特に人気なのが「ツリートレッキング」。フィールド内の樹木を利用した、ワイルドなアスレチックです。

そびえたつ巨大な木々はどれも樹齢100年を超えているのだそう。頼もしい幹につかまりながら、吊り橋やロープを渡って木から木へと移動する。思ったよりハードですが、鬱蒼と茂る緑の天井が直射日光を遮ってくれるため涼しく、ほんのり汗をかくくらいの心地よい運動になりました。

ちなみに、この時期は同じニセコビレッジ内で体験できる熱気球フライト（早朝のみ）もおすすめ。地上30メートルから眺める朝のニセコは幻想的で、素晴らしい1日のスタートを予感させてくれます。 ○ピュアアクティビティセンター [所]北海道虻田郡ニセコ町東山温泉ニセコビレッジ内 [TEL]0136-44-2211 [料金]ツリートレッキングは大人（高校生以上）2300円、子ども（中学生以下）1800円、ピュア・スーパーパスポート大人4400円、子ども3300円 [時間] 2016年6月は土休日のみ営業、7月1日～10月10日は毎日営業（9月20日から一部のプログラムクローズ）9：00～17：00（10月1日～10日は～16：00）

「ヒルトンニセコビレッジ」露天風呂から眺める、移ろいゆく羊蹄山の絶景

丸一日ニセコのアクティビティを楽しんだら、再びヒルトンニセコビレッジに戻りチェックイン。1日中遊びまわった疲れを、源泉かけ流しの温泉でゆっくりと癒します。

感動的なのは大きな池と隣接した、開放感抜群の露天風呂。目の前に羊蹄山がそびえる絶好のロケーションで、山並みが赤く染まる夕暮れ時、夜明けの雲が覆う幻想的な早朝など、時間によって様々な風景を映し出します。今日一日、何度も眺めてきた羊蹄山を、湯に浸かりながら改めてじっくり眺めるひととき。心身ともに癒される最高の時間です。