空いていれば選べる洋風と東洋風の空間

アール・ヌーヴォー時代を感じる絵画、金魚を描く飾り皿など違いがわかる2つの空間

近鉄奈良駅から東向商店街を経て、奈良もちいどのセンター街へ。少し歩き東へ入った路地の北側に見えてくる町屋が「AFTERNOON TEA ROCHER（アフタヌーンティーロシェ）」です。アートな木の格子が印象的で、目印になりますよ。 店内に入ると、最初は西洋アンティークな椅子とテーブル、ウィリアム・モリス風の壁紙が素敵な洋風空間が広がります。その奥には、雪見障子風のアンティークな建具に、赤い座布団が置かれた東洋風の座敷席があります。

食べ応えのあるアフタヌーンティー

写真は2人前。ある日は、抹茶タルトやいちごとバラのロールケーキ、いちごチーズのシュークリームなど、どれも個性的で味わいか違うので飽きずに楽しめる

メニューは3種類。3段のアフタヌーンティー+選べる飲み物1種付き「A」3400円を基本に、ロゼスパークリングワインかノンアルコールのモクテルが選べるウエルカムドリンク付きの「B」3950円。「B」に、ヌガークラッセが付いた「C」4500円。どちらも90分制です。 アフタヌーンティースタンドは3段で、一番上のお皿はペイストリー・スイーツ。ある日は、レモンとリコッタチーズのケーキだったり、フランス・アルザス地方のお菓子クグロフをプチケーキに仕立てたりと5種盛りです。

サクッとふわっとしたスコーン。ほかにも大和ほうじ茶を使ったり、チョコチップを入れたり。また奈良県産のはちみつ添えにするなど、その時々で変わる

アフタヌーンティースタンド2段目はスコーン。ある日はバニラと大和茶を使うスコーンに、自家製のイチゴジャムを添えて。 オーナーパティシエは、東京の伝統的なフランス菓子店で修業をし、その後パリやノルマンディへ。海外でスコーンやパイ、総菜系も作ってきた経験を活かして、今回「大阪や京都にはあるアフタヌーンティー専門店を奈良にも」と2024年秋に開店をしたといいます。

ケークサレ生ハムはピンクペッパーがアクセントなど、どれもひとひねりある総菜系

3段目はセイボリーです。塩味の効いた生ハムをパウンドケーキにのせたケークサレ生ハム。小さなサラダやアンチョビの風味の小さな魚パイ、奈良野菜のキッシュといった食事系メニューが4種並びます。そもそもオーナーパティシエは、地産地消を基本にしていることから、地元のおいしい素材を使い仕立てているのも注目です。

甘酸っぱい香りやおいしさが口の中に広がる、パッションオレンジソースとともに味わう

メニューの「C」をオーダーすると、最後に提供されるのがヌガークラッセです。南フランスの伝統菓子で、いわゆるソフトキャンディのアイスクリーム。ナッツやくるみなどをハチミツで仕立てる、お店オリジナルヌガーを、メレンゲ、生クリームなどと一緒にして冷やし固めた冷たいお菓子で、ふわっとした食感が特徴です。

かわいい小花柄といったティーカップなど茶器はノリタケのもの

基本は3段のアフタヌーンティースタンドですが、座敷席の方には茶壷飾り棚を使ったオリエンタルな雰囲気のアフタヌーンティーをお願いすることができます。内容は同じで、奈良の有名農家の和紅茶やほうじ茶、ならまちにある老舗漢方薬局「菊岡漢方薬局」のマサラチャイといった、紅茶アドバイザー(JSFCA)の資格も持つオーナーパティシエが厳選する、ポットサービスのお茶が味わえますよ。 ホテルや洋館での提供が多いアフタヌーンティーですが、歴史ある奈良の専門店は、町屋を使い誰もが入りやすい雰囲気があります。初めての方にもおすすめの身近なアフタヌーンティー。1日前までの電話予約制で、週末は込み合うので早めに予約をして、フランス菓子ならではのスペシャルなメニューを楽しんでみてはいかがでしょう。