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2025.07.11
1泊2日で岡山・倉敷♪桃パフェと最新アートを楽しむ旅へ
温暖な気候に恵まれた岡山県は、全国有数のフルーツの産地。夏から秋にかけては、桃やマスカットなど、岡山を代表するフルーツが旬を迎えます。また、2025年4月には、岡山・倉敷それぞれに新たなアートスポットが誕生!フルーツとアートをテーマに、岡山・倉敷を楽しむ1泊2日の旅プランをご紹介します。
【倉敷】まずは、グランドオープンした「児島虎次郎記念館」が話題の「大原美術館」で、世界的名画を鑑賞

古代ギリシャ・ローマ神殿風のファサードが印象的
まずはアートを肌で感じる街・倉敷美観地区のシンボル的存在「大原美術館」へ。日本初の西洋美術中心の私設美術館として誕生したこちらでは、モネやエル・グレコといった世界的名画をはじめ、民藝や東アジアの古美術まで、幅広いジャンルの作品が見られます。

(左上)芹沢銈介デザインの工芸館の手すり (右上)エル・グレコ『受胎告知』(修復作業のため現在展示なし。展示再開は2025年9月以降を予定) (左下)東洋館の石仏室 (右下)倉敷美観地区の町並み
(左)大原美術館本館から北東約80mの場所に立地する「児島虎次郎記念館」 (右上)児島虎次郎『朝顔』(1920年) (右下)児島虎次郎『和服を着たベルギーの少女』(1911年)(現在の展示風景とは異なります)
2025年4月に、新たに「児島虎次郎記念館」がグランドオープンしました。自身も画家で、その審美眼により絵画の収集に尽力し、コレクションの礎を築いた虎次郎自身の作品を中心に、彼が西洋文化の源泉として収集した古代エジプト・西アジアの美術コレクションも並びます。常にその時代の現代アートをコレクションしてきた大原美術館。コンテンポラリーな総合美術館として進化し続けるこちらの美術館から目が離せません。
大原美術館
オオハラビジュツカン
https://www.ohara.or.jp/
入館料2000円
【倉敷】趣あふれる「町家喫茶 三宅商店」でひと息を

(左)桃のフローズンパフェ1540円。8月下旬頃まで味わえる (右上)奥に長い土間が続き、蔵を構える (右下)中庭に面した小上がり席のほか、土間を利用したテーブル席もある
土間や蔵が残り、昔ながらのほっこりできる空間が広がる「町家喫茶 三宅商店」でおやつタイム。江戸時代後期に建てられ、日用雑貨店として使われていた町家を、屋号を引き継ぎ再生したカフェです。こちらでは、旬の果物を使った季節のパフェが人気です。7月中旬からは桃のフローズンパフェが登場します。ヨーグルト風味の桃のシャーベットや桃のコンポートなど、桃たっぷりのパフェは、ソースやアイスに至るまで、フィリングすべてが自家製です。

オリジナルのジャムやマスキングテープなどが並び、見ているだけでも楽しい
店舗の一画では、オリジナルグッズの販売もしています。パフェにも使用されている、旬の果物で作る自家製ジャムなどのおいしいおみやげに加え、かわいいマスキングテープなど、種類も豊富に展開。ぜひのぞいていってみてくださいね。
町家喫茶 三宅商店
マチヤキッサミヤケショウテン
【倉敷】隠れ家的なレトロ空間「常衛門食堂」で手作り定食を
「おまかせ定食」1430円の一例
小さな公園と民家の間の細い路地を進んだ先に現れる、隠れ家的な食堂「常衛門食堂」。クリームコロッケや煮込みハンバーグなど、家庭料理をベースとしたランチメニューが並びます。メインに2種の小鉢、ごはん、味噌汁が付く平日限定の「おまかせ定食」をはじめ、オムライスのランチも人気です。

カウンター席からは調理風景も眺められる
夫婦2人で切り盛りするこちらのお店。手間を惜しまず丁寧に店内で手作りする料理は、ソースやドレッシングまで全て自家製です。玄関土間を再生したモダンな1階カウンター席とは対照的に、2階は座敷席のレトロな空間が広がり、大きな窓からは美しい日本庭園が眺められます。庭園は自由に散策できるので、食後のさんぽも楽しめますよ。
常衛門食堂
ツネエモンショクドウ
【倉敷】倉敷の町並みに溶け込む宿「滔々 toutou」に宿泊

1棟貸しの「御崎 町家の宿」。キッチンには器やカトラリー、調理器具がそろう
町の歴史や文化を感じながら、暮らすような宿泊体験が楽しめる「滔々 toutou」。伝統的建造物や町家の一角、蔵などを再生したそれぞれ雰囲気の違う客室が、倉敷美観地区周辺に7つ点在します。大原美術館の南に位置する「御崎 町家の宿」は、土間を吹き抜けにした開放的で明るいリビングが特徴的。家具やランプシェードなどの設えやキッチンの器などは、手仕事によって生み出された作品で、滞在する中で実際に使用しながら過ごせます。

ギャラリーでは、常設展に加え、不定期で作家の個展が開催されることも
「御崎 町家の宿」には、宿で使用している作家の作品を展示するギャラリーも併設されています。器や花入れなど、滞在中に試したお気に入りの作品を購入することもできます。倉敷をはじめ、日本全国の手仕事の品々が展示販売されているこちらのギャラリーは、宿泊者だけでなく誰でも利用できる施設なので、散策の立ち寄りにもおすすめです。
滔々 toutou
トウトウ
【岡山】2日目は日本三名園のひとつ「岡山後楽園」と、烏城と呼ばれる漆黒の城「岡山城」から

岡山後楽園から築山「唯心山」と「岡山城」を眺める(©岡山県観光連盟)
季節ごとに美しい花が咲き誇り、いつ訪れても目を楽しませてくれる国の特別名勝「岡山後楽園」。約14万4000㎡の園内には、池や築山、歴史的な建物が点在し、散策が楽しめます。園内には「流店」と呼ばれる水路が配された休憩スポットをはじめ、茶屋やみやげ店などもあるので、休憩をはさみつつ、ゆっくり庭園さんぽを楽しんでくださいね。
岡山後楽園
オカヤマコウラクエン

(左)宇喜多秀家が1597(慶長2)年頃に築城。現存する天守は、戦災で焼失した後に1966(昭和41)年に再建されたもの (右上)5階窓から金のシャチホコを間近に眺められる(右下)日本刀の模型を実際に持ち上げてみることもできる
岡山後楽園から旭川の対岸にそびえる「岡山城」。天守の外壁に黒塗りの下見板を張っていることから、別名「烏城(うじょう)」と呼ばれています。2022年に令和の大改修を終え、多くの人が訪れる話題のスポットに。岡山市出身の歴史学者・磯田道史氏監修による誰にでもわかりやすい展示に加え、日本刀の模型に触れたり、着物の着付けをしたりなど、体験型の展示もありますよ。
岡山城
オカヤマジョウ

2023年の夏の幻想庭園の様子(©岡山県観光連盟)
岡山後楽園と岡山城では、春・夏・秋にライトアップイベントの「幻想庭園」と「烏城灯源郷」がそれぞれ開催されます。2025年夏は8月の1か月間、21:30までオープン(入園・入館はそれぞれ~21:00)。ライトアップされた幻想的な園内や岡山城を楽しめます。
【岡山】現代アートのムーブメントを、ニューアートスポット「THE RABBIT HOLE」で目にする

フィリップ・パレーノ「My Room is Another Fish Bowl」。魚型の風船が3階の展示空間全体を浮遊する作品で、触れることも可能
岡山市のカルチャーゾーンに、2025年4月にニューアートスポット「THE RABBIT HOLE」がオープンしました。林原美術館に隣接する林原家所有の文化施設を建築家の青木淳氏が改修。「作品展示により創造的に壊れていくプロセスが見える生きた美術館」をコンセプトに、最先端の現代美術が鑑賞できる場として誕生しました。

(左上)2階に展示されているポール・マッカーシーの「Children’s Anatomical Educational Figure」 (右上)1階の展示空間の奥には林原美術館の石垣がのぞく (左下)同館のネーミングは、ライアン・ガンダーによるもの (右下)2023年までは「岡山映像ライブラリーセンター」として使用されていた建物
展示されているのは、岡山の実業家・石川康晴氏のプライベートコレクション「イシカワコレクション」です。コンセプチュアル・アートを中心に2012年から収集された総数約400点の中から、世界で活躍する現代アーティスト作家の36作品が一般公開されています。彫刻をはじめインスタレーションや映像作品など、多種多様な作品が3フロアで展開されています。不思議な世界へ入り込んだかのような非日常空間で、現代アートのムーブメントを体感してくださいね。
THE RABBIT HOLE
ラビットホール
ギャラリーのある芸術エリアのほか、茶房と売店を併設した食文化エリアなどもある
後楽園門前町には、ラビットホールの別館として若手作家の個展を開催する「福岡醤油ギャラリー」もリニューアルオープン。明治期の歴史的建造物「福岡醤油蔵」の建物とともに、こちらにも注目です。
福岡醤油ギャラリー
フクオカショウユギャラリー
【岡山】桃太郎伝説ゆかりの「吉備津神社」を散策しましょう

自然の地形のままに伸びる造形美が、見事な景観を織り成す廻廊
「桃太郎」のモデルとされる大吉備津彦命と温羅(うら)を祀る「吉備津神社」は、伝説にゆかりの史跡や神事が残る岡山を代表する神社のひとつ。約360mにも及ぶ長い廻廊をはじめ、国宝に指定された本殿や拝殿など荘厳な建物が立ち並んでいます。御竈殿では、祈願したことが叶えられるかどうかを釜の鳴る音によって占う「鳴釜神事」が今も行われています。古くは室町時代の文献に残る、歴史ある神事です。

勇壮な本殿・拝殿は全国で唯一の様式、比翼入母屋造で「吉備津造」といわれる
「こま犬」初穂料1000円
吉備津神社の御本殿内に安置されている「狛犬」は、邪気を祓い神前を守る役割をするもの。これをモチーフにした授与品「こま犬」は、火難・盗難を防ぐ縁起物として、数百年前から愛されてきた土俗民芸品です。こま犬2つ、鳥1つの3体一組の小さな土人形を、家や自身のお守りに、いかがですか?
吉備津神社
キビツジンジャ
【岡山】「Frurela」で厳選素材で作るフルーツの甘さを生かしたパフェを味わう
岡山県産、減農薬の白桃とシャインマスカットを使用した「桃パフェ」(左)と「シャインマスカットパフェ」(右)各1800円(変更の可能性あり)
本当においしい岡山フルーツを提供するため、旬の時期や完熟具合にこだわり、無添加の素材を厳選した自家製スイーツを提供する「Frurela(フルリラ)」。旬のフルーツが主役のパフェは、素材の味を生かすため、甘さは控えめで、フィリングまで全て手作りです。夏には岡山を代表する白桃やブドウが旬を迎え、店頭には桃パフェやシャインマスカットパフェなどが登場します。

(左上)白桃ミルク氷1500円 (左下)岡山城や岡山後楽園近くの県庁通り沿いに立地 (右)温かい雰囲気の店内
こだわりの牛乳とてんさい糖を凍らせて作るミルク氷も人気です。シンプルな素材で作るスイーツはどれも、からだ想いのやさしい味わい。メニューは全て、店内のイートインスペースの利用はもちろん、テイクアウトもできますよ。
Frurela
フルリラ
いかがでしたか? これから旬を迎える白桃やマスカットを現地で味わうなら、7月の岡山旅がおすすめです♪「倉敷アフタヌーンティー」や「フルーツパフェの街おかやま」など、旬のフルーツを味わえるイベントも充実していますよ。ニューオープンした話題のアートスポットと併せて、観光を楽しんでくださいね。詳細に紹介した冊子「ことりっぷ倉敷・岡山さんぽ」も、倉敷駅前観光案内所や岡山市ももたろう観光センターなどで配布中です。ぜひご活用ください。
「岡山・倉敷」観光推進協議会
岡山市・倉敷市の両市で力を合わせて観光誘客や魅力アップに取り組んでいる協議会です。岡山市には、岡山城や岡山後楽園、倉敷市には、倉敷美観地区や大原美術館など、魅力的で楽しい観光スポットやおしゃれなカフェがたくさん。ことりっぷ「岡山・倉敷」を参考に、ぜひ両市をめぐってみてください。
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西村恵美(forest) 写真:森昌史(forest)
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