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2026.08.26
絵本カフェも♪大人になった今こそ訪れたい「ちひろ美術館・東京」で、やさしくて奥深い絵本の世界へ
東京・練馬の住宅街にたたずむ「ちひろ美術館・東京」。絵本画家のいわさきちひろさんが過ごした自宅跡に建つ、世界初の絵本美術館です。ちひろさんや国内外の絵本画家の原画に出会える展示のほか、復元されたアトリエや絵本カフェなど、ゆっくりめぐりたい場所がたくさん。やさしく愛らしい絵の奥に込められた想いにふれながら、絵本の世界に浸ってみませんか。
ちひろさんの自宅跡に建つ、世界初の絵本美術館

緑に囲まれた中庭も、美術館の見どころのひとつ
西武新宿線・上井草駅から歩くこと約7分。静かな住宅街を進んだ先にあるのが「ちひろ美術館・東京」です。ここは、絵本画家のいわさきちひろさんが最後の22年間を過ごし、数々の作品を生み出した自宅兼アトリエ跡。ちひろさんの没後3年にあたる1977年、世界で初めての絵本美術館として開館しました。

木々に囲まれた美術館のエントランス
現在の建物は、建築家・内藤廣さんの設計により、2002年にリニューアルされたもの。ちひろさんや世界の絵本画家の原画を紹介する展示室をはじめ、図書室やこどものへや、絵本カフェなど、世代を問わず楽しめる場所がそろいます。

1972年ごろのアトリエを忠実に再現
なかでも、ちひろさんの面影を色濃く感じられるのが、仕事が最も充実していたという1972年ごろの様子を再現したアトリエです。もともとは自宅の2階にあった部屋で、愛用していた家具や画材、本などが並び、当時の暮らしぶりを身近に感じることができます。

机の上には、絵筆や絵の具、鏡などの愛用品が並ぶ
机の上には鏡やラジオ、トランプを置き、作品のアイデアが浮かぶまで、トランプでひとり占いをしたり、鏡で自分の顔を眺めたりしていたのだとか。

愛読書が並ぶ本棚からも、ちひろさんの好きだったものが伝わってくる
そんな愛用品のひとつひとつを眺めていると、作品だけでは知ることのできない人柄や、ここで過ごした日々まで想像が膨らみます。
企画展で出会う、子どもの心と絵本の奥深さ

絵本画家・武田美穂さんが描いた館内の案内図
「ちひろ美術館・東京」では、年に数回テーマを変えながら企画展が開催されています。ちひろさんの作品をさまざまな角度からひもとく展示や、国内外の絵本画家を紹介する展示を通して、訪れるたびに新しい絵本の世界に出会えます。 2026年10月25日(日)まで開催されているのは、「ちひろ 子どもは平和のシンボル」と、「武田美穂展 絵本づくりはドキドキなのだ!」。作風の異なるふたりですが、どちらの作品にも通じているのが、子どもの姿や心をまっすぐに見つめるまなざしです。
展覧会情報はこちら
ちひろさんが描き続けた「子どもと平和」

「ちひろ 子どもは平和のシンボル」の展示室
「ちひろ 子どもは平和のシンボル」は、ちひろさんの人生と作品をたどる展示です。ちひろ美術館の初代館長を務めた劇作家・飯沢匡さんの「ちひろが子どもの姿を描き続けたのは、子どもが平和のシンボルに他ならないからだ」という言葉を軸に構成されています。

花と子どもを描いた可愛らしい作品も

作品にたびたび登場する鳩。ちひろさんは「ポッコ」という鳩を飼っていたそう
青春時代に戦争を経験し、絵本画家として活躍するなかでベトナム戦争の報道を目の当たりにしたちひろさん。子どもをはじめ、鳩や虹、花など、作品のなかに繰り返し登場するのは、平和でなければ守ることのできない、美しく豊かで、可愛らしいものたちです。

水彩画で知られるちひろさんが残した、貴重な油彩作品も見ることができる
展示では、繊細で透明感のある水彩画をはじめ、貴重な油彩作品や初期のスケッチなども見ることができます。にじみや色の重なり、微妙な濃淡まで感じられるのは、原画を間近で鑑賞できる美術館ならではの楽しみです。

ちひろさんが愛用していたソファに座りながら、ゆっくり作品を鑑賞して
やさしく淡い色彩で描かれた作品を眺めていると、その愛らしさに心がゆるみます。一方で、その背景にある人生や想いを知ることで、なぜこれほどまでに子どもたちを描き続けたのかが、少しずつ見えてくるようです。
ちひろ 子どもは平和のシンボル
子どもの心を鮮やかに描く、武田美穂さんの絵本の世界

「武田美穂展 絵本づくりはドキドキなのだ!」の展示室
もうひとつの「武田美穂展 絵本づくりはドキドキなのだ!」では、『となりのせきのますだくん』で知られる絵本画家・武田美穂さんの創作の世界を紹介しています。

代表作「ますだくん」シリーズの原画が並ぶ
代表作の「ますだくん」シリーズで描かれるのは、学校へ行きたくない気持ちや、友達とのすれ違いなど、子どもたちの揺れ動く心。 隣の席のますだくんが怪獣のように見えるなど、主人公みほちゃんの目に映る世界をそのまま描いたユニークな表現も、この作品のおもしろさのひとつです。30年以上前に描かれた作品でありながら、今読んでも共感したり、ハッとさせられたりする場面がたくさんあります。

彩色の過程を見比べながら、武田さんならではの絵本づくりの過程を知ることができる
武田さんならではの絵本の作り方にも注目を。マーカーで彩色した絵をカラーコピーし、さらに色を重ねたり、コラージュを取り入れたり。文字の大きさや配置にも細やかな工夫が凝らされ、絵本が一冊の作品としてつくられていく過程を知ることができます。

戦争と平和をテーマにした『ねんどの神さま』。ほかの作品とは異なる重厚なタッチも印象的

『銀河鉄道の夜』の原画。光の表現や繊細な色彩は、原画ならではの美しさ
戦争をテーマにした作品や宮沢賢治作品を絵本にしたシリーズ、食べ物をテーマにした作品など、多彩な絵本の原画も展示されています。絵本では何気なくめくっていた一枚にも、光の表現や色の重なり、コラージュなど、さまざまな工夫を見ることができます。原画を見てからもう一度絵本を開けば、これまでとは違った見え方を楽しめそうです。

何度も実際に料理を作りながら描いたという「たべもの絵本」シリーズ
大人になった今、改めて絵本の世界にふれることで、気づくことも多いのではないでしょうか。子どものころの気持ちを思い出したり、作品に込められた平和への願いに思いを巡らせたり。子どもはもちろん、大人もじっくりと楽しみたい展示です。
武田美穂展 絵本づくりはドキドキなのだ!
中庭を眺めながら、絵本カフェでひと休み

大きな窓から中庭の緑を望む絵本カフェ
展示をゆっくり楽しんだあとは、館内の「絵本カフェ」でひと休み。大きな窓の向こうには緑豊かな中庭が広がり、絵本を手に取ったり、木々を眺めたりしながら、のんびりと過ごせます。

「ホットケーキ」605円、「ブレンドコーヒー」462円※ドリンクセットは100円引き
メニューには、ブレンドコーヒーや紅茶のほか、ちひろさんの”心のふるさと”である信州のりんごジュースも。ふわふわのホットケーキや、松本の老舗和菓子店「開運堂」のお菓子などもそろいます。 国産小麦を使ったまあるいホットケーキは、どこか懐かしさを感じる素朴な味わい。バターをのせ、メープルシロップをたっぷりかけていただきます。

「いちごのババロア」660円
訪れたらぜひ味わってほしいのが、2026年9月末まで数量限定で提供される「いちごのババロア」。ちひろさんが好んで食べていたという一品で、かつて息子さんと一緒に通った「新宿 すずや」のレシピを、上井草の「カランドリエ」のパティシエが再現したものです。

ちひろさんが息子さんとよく食べに行ったという思い出のババロア
真っ赤ないちごソースの下には、淡いピンクのババロアが。口に運ぶと、すっと溶けていくようなやわらかな食感で、やさしい甘さに、いちごの甘酸っぱさがよく合います。 館内をめぐり、ちひろさんの作品や暮らしにふれたあとに、彼女が好んだ味を楽しめるのも、この場所ならではの魅力です。
おみやげ探しも楽しいミュージアムショップへ

絵本やポストカード、企画展にちなんだグッズなどが並ぶミュージアムショップ
美術館をめぐったあとは、ミュージアムショップにも立ち寄ってみて。窓の向こうにケヤキの緑を望む店内には、ちひろさんや企画展にまつわる絵本やグッズをはじめ、カレンダーやポストカード、陶器など、さまざまなアイテムが並びます。

ちひろさんの作品を気軽に持ち帰れるポストカードは、おみやげにも人気
なかでもポストカードは種類が豊富。心に残った作品を選んで自分へのおみやげにするのはもちろん、大切な人へのちょっとした贈り物にもぴったりです。 ちひろさんの作品や暮らしにふれながら、ゆっくりと絵本の世界に浸れる「ちひろ美術館」。子どものころとはまた違った発見や、心に残る一枚に出会えるかもしれません。大人になった今こそ、絵本と向き合う時間を楽しんでみませんか。

ちひろ美術館・東京
チヒロビジュツカントウキョウ
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