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2015.01.26
愛着をもって、ずっと使えるものを探して。岩手県盛岡市のクラフト店を巡ります
岩手県盛岡市には、手仕事のものを扱うすてきな店が点在しています。ショップ巡りをしたあとは、重要文化財に指定された建物でゆったりとお茶を楽しみましょう。ランチは盛岡のソウルフード・冷麺の名店へ。最後は民藝ファン憧れの地・光原社を訪れましょう。

shop+space ひめくりで、東北の手仕事の品や地元のリトルプレスに出会いました

岩手県滝沢市の大沢和義さんが作る白磁の皿は、返しがついていてスプーンですくいやすくなっています
岩手県をはじめとする東北の手仕事の品が集まるクラフトショップへ。白鳥が泳ぐ中津川沿いを、てくてくお散歩しながら、shop+space ひめくりに向かいます。 店内には東北の作家が作る陶磁器やガラスなどの器や布小物などが並びます。伊香英恵さんが手がけるA.A.E.textilesのやさしい色をしたがま口(各3240円)は、布を手織りするところから作られたものだそう。同じ形でもそれぞれに個性があり、選ぶときからじんわりと愛着が湧いてきます。他にも盛岡のふだんを綴る本『てくり』をはじめ、全国のリトルプレスも並んでいます。展覧会やワークショップなどが開かれることもあり、旅先ですてきなモノと出会えそう。 ○shop+spaceひめくり(ショッププラススペースひめくり) [所]岩手県盛岡市紺屋町4-8 [TEL]019-681-7475 [時間]10:30~19:00 [定休日]木曜(展示により水曜不定休) [アクセス]JR盛岡駅から車で約8分 [HP]http://himekurimorioka.blog76.fc2.com/

ひめくりというすてきな店の名前には、“日めくりカレンダーのように毎日新しい何かと出会う場所”という意味が込められているそう

国の重要文化財に指定されている明治期の銀行建築で、静かなコーヒーブレイクを

旧第九十銀行の設計者の横濱勉は、啄木や賢治と同じ盛岡中学出身です
盛岡の街には洋風の近代的な建築が残っています。明治43(1910)年に竣工した旧第九十銀行本店本館を保存・活用する、もりおか 啄木・賢治青春館でお茶にしましょう。 もりおか 啄木・賢治青春館では、石川啄木と宮沢賢治の文学や青春時代の様子、当時の文化などを紹介しています。展示を見たあとは、1階フロアに併設する飴色の喫茶コーナーでゆるやかな時間を過ごしましょう。注文が入ってから豆を挽き、ていねいに入れるコーヒーのお供には、老舗・関口屋菓子舗製のかわいらしい盛岡駄菓子をぜひ。素朴な甘さでどこか懐かしい味わいは、時を重ねた洋館のノスタルジックな雰囲気とよく合います。 ○もりおか 啄木・賢治青春館(もりおかたくぼくけんじせいしゅんかん) [所] 岩手県盛岡市中ノ橋通1-1-25 [TEL]019-604-8900 [時間]10:00~18:00(最終入館は17:30) [料金]無料(企画展、イベントは一部有料) [定休日]第2火曜 [アクセス]JR盛岡駅から車で約8分 [HP]http://www.odette.or.jp/seishunkan/

「おりじなる珈琲」(350円)、「盛岡駄菓子」(100円)。オリジナルの「カップ&ソーサー」(3780円)は販売もしています

店先に並ぶ懐かしくて使いやすい生活雑貨。すてきな弁当カゴや、ざるを見つけました

弁当カゴや持ち手が付いた豆腐カゴなど、長く使えそうなすてきなデザインがそろいます
ござ九・森九商店には、荒物やカゴなど生活雑貨が所狭しと置かれています。昔ながらの店先でいかにも使いやすそうな日用雑貨を自分みやげに選びましょう。 江戸から明治期の商家の佇まいをそのままに残すござ九・森九商店は、文化13(1816)年創業。中津川の裏手にあり、古都・盛岡の情緒を残す街並みの中に佇んでいます。店内には荒物や日用雑貨がずらり。なかでもおすすめは網目の細やかなカゴやザル、台所雑貨など、今の暮らしにも馴染む竹製品です。ほかにも店内には、日常生活でおなじみのものから、雪かき道具や菅笠、かんじきなども揃い、あれこれ眺めているだけでも楽しいです。 ○ござ九・森九商店(ござくもりくしょうてん) [所] 岩手県盛岡市紺屋町1-31 [TEL]019-622-7129 [時間]8:30~17:30 [定休日]日曜 [アクセス]JR盛岡駅から車で約8分 [HP]http://www.morioka539.com/

素朴さと風合いの良さを兼ね備えた竹製品は、触れたときに温もりがあり、軽くて使いやすいです

本場に来たなら食べてみたい、ツルッと喉ごしのいい盛岡冷麺

女性に人気の「ハーフ&ハーフスペシャルランチ」(1533円)。ミニ冷麺にピビンパやチヂミ、サラダ、デザートなどが付く
盛岡三大麺といえば、盛岡冷麺・じゃじゃめん・わんこそばです。ランチには、注文が入ってから麺を製麺機で押し出して茹でる、盛岡冷麺の名店・ぴょんぴょん舎でいただきます。 盛岡駅からほど近く、落ち着いた雰囲気のぴょんぴょん舎で、盛岡冷麺をいただきます。こちらの冷麺は、自家製麺にこだわったコシの強いシコシコした食感の麺が持ち味です。牛と鶏がらベースのコクはあるけれどあっさりとしたスープ、冷麺専用に漬け込んだキムチが織り成す味があいまって、さらに麺のおいしさが引き立ちます。ランチタイムにはチヂミやピビンバなど韓国の家庭料理と盛岡冷麺がセットになったメニューも人気があります。 ○ぴょんぴょん舎駅前店(ぴょんぴょんしゃえきまえてん) [所] 岩手県盛岡市盛岡駅前通9-3 ジャーランビル1~3階 [TEL]019-606-1067 [時間]11:00~23:00 [定休日]無休 [アクセス]JR盛岡駅から徒歩約3分 [HP]http://www.pyonpyonsya.co.jp/

店内はおしゃれなインテリアでゆったりとしていて、女性同士で訪れる人も多いそうです

民藝ファン憧れの光原社で、名物のくるみクッキーとコーヒーをいただきます

「珈琲」(450円)、「くるみクッキー」(155円)。うつわや家具もとってもすてきです
宮沢賢治が名付け親だというクラフト店・光原社を訪れます。全国から集めた工芸品や食品を販売し、敷地内には喫茶室・可否館も併設しています。 光原社はかつて宮沢賢治の童話集『注文の多い料理店』を出版した出版社でした。現在は全国の民藝品を扱うクラフト店として、その名を知られています。使いこむと渋い艶が楽しめる樺細工コーヒー豆入れやくるみクッキーはこちらのオリジナル。中庭にある喫茶室・可否館は、レンガの壁やステンドグラスなど細部にこだわったインテリアと、時の流れをゆったりと感じさせる雰囲気がすてきです。食品みやげを中心に扱う「モーリオ」もぜひ。 ○光原社(こうげんしゃ) [所] 岩手県盛岡市材木町2-18 [TEL]019-622-2894 [時間]10:00~18:00(1月上旬~3月中旬は~17:30) [定休日]毎月15日(土・日曜、祝日の場合は翌日休) [アクセス]JR盛岡駅から徒歩約10分

喫茶室・可否館には芳ばしい珈琲の香りが満ち、ステンドグラスの窓からは柔らかい光が差し込みます
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白桃澄江 写真:沖本明
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