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2015.02.06
大阪のレトロビルにある、イギリス人シェフが作るチョコレートショップ「ティカール バイ カカオマス」
10年ほど前に取り壊しになるところを再生させ、カフェやショップなど15店舗が入店する、芝川ビル。そんな建物の中にイギリス人シェフ、ピーターさんが作るチョコレートを集めたショップ「TIKAL by Cacao en Masse(ティカール バイ カカオマス)」があり、英国人ならではの斬新な味わいで人気を集めています。

カカオで繫がる、歴史ある建物とチョコレートショップ

建物の古いモチーフをそのまま活かしてデザインされた店内
淀屋橋駅から徒歩1分。近代建築の意匠を取り入れた約90年前の建物が今に残る、レトロビルとして注目を集める芝川ビル。正面入口を入ってすぐのところにある客間を改装したのが、チョコレートショップ「ティカール バイ カカオマス」です。大阪市天王寺区の玉造にあるスイーツショップ「Broadhurst's(ブロードハースト)」のシェフ、ピーターさんがプロデュースしたチョコレートがジュエリーのように並んでいます。 当時としては珍しい鉄筋コンクリートの建物は、天井の彫刻や重厚な壁、西洋風の扉がそのまま残っていて、大阪府の文化財にも指定されているほど。建物をよく見るとヨーロッパでもアジアでもない、独特のモチーフをあちこちに見ることができますが、これは古代マヤ・インカをモチーフにして作られたものだそうです。マヤ文明の頃、カカオは神への捧げものであり、文明の発展を担っていました。そんな建物にチョコレートショップがあるのは不思議なご縁ですね。

カカオの個性を味わう、シングルビーンズのチョコレート

マダガスカルのカカオは深いコクとフルーツのニュアンスが特徴
ずらりと並んだ「ティカール バイ カカオマス」のボンボンショコラを見ていると、コロンビア産、ベネズエラ産などカカオの産地や品種の名前がそれぞれに書かれています。これは単一品種のカカオのみで作った、シングルビーンズと呼ばれるチョコレートで、カカオの個性を表現した一粒。カカオもワインのように、その土地の個性が現れるものだそう。お店では産地はもちろん、畑まで指定して入荷するカカオもあるほどです。 ほかにも、スコッチウィスキーの風味と香りが相性抜群のトリュフチョコレートやギネスビールを使ってコクのある甘味を加えたチョコレートなど、英国人シェフならではのフレーバーチョコレートも。フルーティーな風味を持つカカオには、シークワサーやパッションフルーツなど果実の風味を加え、より個性を引き立たせています。

ビル内のカフェやバーでドリンクとのマリアージュを楽しめます

多彩なウイスキーを取りそろえる「ザ・コート」
お店はテイクアウト専門ですが、購入したチョコレートやケーキはビル内にあるカフェとバーに持ち込みできます。英国パブのような雰囲気の「The Court(ザ・コート)」では、チョコレートにも使われているウィスキーやギネスビールが、もちろん相性抜群。地下1階の「Mole & Hosoi Coffees(モールアンドホソイコーヒーズ)」は、金庫を改装したという落ち着いた空間でチョコレートとの相性ぴったりのブレンドコーヒーを味わえます。 ※チョコレートを楽しむには、各店でドリンクをオーダーしてください。営業時間や休日は各店により異なります。

チョコレートのほかに、英国伝統のショートブレッドやジンジャークッキーといった焼菓子、チョコレートを使ったチーズケーキやガトーショコラも評判な「ティカール バイ カカオマス」。バレンタインやクリスマスなど季節限定のチョコレートもあり、毎回キュートなデザインが人気です。英国紳士の遊び心溢れるチョコレートで、古代から人々を魅了してきたカカオの新たな魅力を発見してみてくださいね。

TIKAL by Cacao en Masse
ティカール バイ カカオマス
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田口真由美
Writer
田口真由美

好物は古いものと発酵したもの。名古屋を拠点に町や人、美味しいものを訪ねる日々を過ごしています。
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