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2015.07.07
【楽しく過ごす旅のテクニック】①旅が楽しくなるパートナー選び
気の合う女友達同士での旅行はとても楽しいものですよね。でも、旅行中の些細なすれ違いやトラブルで友人関係がぎくしゃくし、せっかくの旅が台無しなってしまうなんて話もありがちです。そこで、旅をもっと楽しむためのパートナー選びと旅の心得を旅行ライターの松岡絵里さんに聞きました。
女同士の旅、パートナーとして最適なのは?
(c)motodan / PIXTA(ピクスタ)
「旅行を心から楽しめるかどうか、決め手となるのは一緒に行くパートナー選びに尽きると思います」と松岡さん。「細かいことかもしれませんが、たとえば虫が苦手でいちいちパニックになってしまうような人を、衛生環境の良くない国に連れていくのは向かないでしょうし、その旅で何を大切にしたいのかが全く違っていると、お互いに疲れてしまうだけかもしれません」(同) 女同士の旅は、自由気ままに行動できる一人旅より難しい面もあるようです。また、気疲れしないパートナー選びのポイントは、お互いの『旅の価値観、経験値』にあるんだとか。 「これまでの旅の経験値が近い人とは、長時間一緒に過ごしていてもすごく楽に感じます。たとえば、現地のお店に入った時、それぞれが興味のあるものを自由に見てまわるために、店内で別々の行動をとることは、個人的にアリだと思っているのですが、中には『ひとりだと不安だし、いつでも一緒に行動したいのに…』と、単独行動に不満を感じる人もいるでしょう。その辺りの価値観や経験値が似ている人だと、気疲れすることなく楽しめるんだと思います」(同) とくに海外旅行の場合、出入国の手続きや現地の人とのコミュニケーションをスマートにこなせるかなど、お互いの旅の経験値によって明確な差が出てしまうことも。 「はじめから経験値の違う相手を案内する、されるつもりの旅なら問題ないのですが、対等な関係でいたはずでいたのに、いつの間にかどちらかが添乗員のようになっているという状況では、そのうち不平不満が発生してしまうかもしれません」(同) どちらかに一方的な負担を強いる行為は、すれ違いの元凶になりかねません。自分と相手の旅レベルを見極めて、なるべく同じ価値観や経験値を持つ相手を選ぶ必要があるようですね。
旅友達をどうやって探せばいいの?
(c)efired / PIXTA(ピクスタ)
価値観が近くて気疲れしない旅友達がほしいけど、そういう人が周囲には見つからないという場合もあるかもしれません。 「普段の生活の中で旅友達が見つからなければ、旅先で見つけてみるのはどうでしょうか?最近では、旅先で参加できる料理教室などのスタディーツアーもたくさん企画されています。参加者同士が交流を持てるイベントに積極的に参加してみると、興味の範囲が近しい旅友達ができるかもしれません」(同) 女性が好みそうなホテルに宿泊したら、周りが一人旅の女性ばかりだったという経験もあるという松岡さん。宿泊先で一人旅中の人と交流をはかってみることで、思いもよらなかった素敵な人間関係が生まれる可能性も。 「旅先で気が合いそうな人がいたら、思い切って食事に誘ってみるのもいいですよね。旅行中は普段よりも『素の自分』が出やすいので、相手がどんなタイプなのかも見極めやすいはず。一緒に過ごしてみて、ちょっとしたトラブルに対してマイナス思考にならずに笑い話に変換できるような人だったら、きっといい旅友達になれると思います」(同) 普段の生活では、知らない人に積極的に話しかけるなんて気恥ずかしいと思うかもしれませんが、旅行中ならではのテンションで思い切ってアタックしてみると、新しい世界が開けるんだそう。旅友達を作るという目的で、一人旅に出かけてみるのもおもしろいかもしれませんね。
女友達と海外旅行を失敗しないための事前準備
また、普段から仲のいい友達を誘って海外旅行に行く場合、相手の普段とは違った一面が見えて「こんなはずじゃなかった…」ということになりかねません。そこで、失敗しないためには『旅の段階』を踏んだほうがいいんだそう。 「日常生活で気が合う人と、旅に行って楽しい人は必ずしも同じではありません。それを判断するためにも、ハードルの高い海外旅行を企画する前に、まずは短期で国内を旅行してみるのがおすすめです。近場の温泉に一泊するなどの小旅行でも、どれだけ快適に過ごすことができるか、お互いのリズムが掴めてくるはずです。万が一、旅行中に多少険悪になったとしても、そんな時に見極めるべきなのは、すぐに関係を修復できるかどうか。さっぱりしていて根に持たない人であれば、ちょっと長めの海外旅行に行っても、全く問題ないと思いますよ」(同) また、雑貨が好きだったり、食べるのが好きだったりと、なにか共通の嗜好がある人であれば、より深く旅を堪能することができそうです。 手始めに気軽な国内一泊旅行をして、お互いのスタイルや嗜好を理解し合うことで、ストレスのない海外旅行を楽しむことができそうです。
現地でお互い心地よく過ごすためのコツとは?
(c)dotshock / PIXTA(ピクスタ)
それでは、現地でお互い心地よく過ごすためには、どんなことに注意したら良いのでしょうか。 「恋人や家族と行く旅行と違って、女同士の旅の場合はあまり役割分断をかっちり決め過ぎないのがポイント。旅をしているうちに、自然と役割ができてくる場合ももちろんありますが、はじめから役割を決めて、相手の分まで背負ってしまうと、後々それがストレスの原因になりがち。お互いにイーブンな関係でいたほうが楽しめると思います」(同) 例えば、食事をするお店を決める担当、ホテルの人とコミュニケーションをとる担当などのように、役割分担をきっちり決めるのではなく、その時その時によって必要な役割をフレキシブルにこなすほうが良いそうです。それぞれが独立した意思を持ち、相手に何かを求めないのが大人な旅のスタイルなのかもしれませんね。 「また、ある程度長めの日程の旅行の場合、気軽に別行動できるかどうかも大事なポイントです。『今はそんなにご飯を食べる気がしない』とか、ふたりの感覚がちょっとずれるタイミングってありますよね。そういう時に別行動できるもの同士だと楽ですね。旅先で少し体調が悪くなったとしても、相手に頼りっぱなしにならず、割り切ってそれぞれがとるべき行動を選択できるのがベストですね」(同) 「『自分の面倒は自分で見る』のが、イーブンな関係でいるための基本』と松岡さん。女性同士の旅は、楽しみを共有できるという大きなメリットもありますが、いざとなったら余裕で別行動できるくらいの度量があれば、どんな場所に行っても快適な旅行を楽しめそうです。
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宇都宮薫 構成:相馬由子
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