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2015.09.24
買い物&グルメ三昧な 週末「市場」めぐり
旅行に出たいけど休みが取りにくいという人に、時間を有効に使えておすすめなのが金曜夜出発の週末旅。このメリットを最大限に生かせるのが、土曜朝からやっている「市場」をめぐる旅です。今回は、旅行ライターの松岡絵里さんが、買い物とグルメを堪能できる週末市場めぐりの旅を提案します。
値段交渉も楽しい輪島の朝市と「金沢の台所」2本だて
金曜日夜発週末旅のメリットのひとつが土曜日の朝から旅先で行動できることです。中でも日本各地で数多く開催されている「市場」をめぐる旅は、朝一番に訪れて掘り出し物を探したり、朝から地元グルメに舌鼓を打ったりと、早朝から動けるメリットがたくさん。一言で「市場」といっても朝市や骨董市などその種類はさまざまなので、自分の好みに合わせた旅ができるのも魅力です。 市場めぐりでおすすめのスポットのひとつが、北陸・輪島の朝市。なんと一千年以上もの歴史を誇る日本きっての老舗朝市です。真夏も真冬も一年を通して開催されていますが、やはり週末は平日よりもにぎわい、活気に満ちています。 首都圏から輪島へのアクセスは、まず拠点となる金沢へ。北陸新幹線を利用してもいいですし、夜行バスも出ています。バスの車中または金沢で1泊した後は、輪島までバスで2時間程度。 輪島の朝市の魅力のひとつが、売り子のお母さんたちとのローカル感が溢れるやりとり。「こうてくだぁ〜」(買ってくださ~い)とお国言葉で道行く人に呼びかけるお母さんたちに対し、「もう少しまけてください!」と値段交渉するのも、きっといい旅の思い出になるはず。値段のついていない商品も多いので、思わぬおまけをゲットできることもあります。「女は亭主のひとりやふたりを養えてこそ」といういわれるほど豪傑な輪島の朝市のお母さんたち。話していると、なんだかこちらまで元気になってくるのです。 売っている商品は、輪島塗りのアイテムや日本海でとれた魚介類を加工したものなどさまざま。中でもこの地の名産品「いしる」はぜひ手に入れておきたい一品。いしるとは、イカから作った醤油のような伝統的な調味料で、煮物などに隠し味として少し入れるとコクが出ます。 朝市通りでは、食べ歩きも楽しめます。新鮮や刺身や焼き物はもちろん、塚本菓子店の「えがらまんじゅう」は、くちなしで染めた真っ黄色のおまんじゅう。こちらは、食後のデザートにぴったりです。
金沢の台所「近江町市場」で地元グルメを満喫
土曜日に輪島を満喫したら、金沢に移動してお次は「金沢の台所」と称される巨大な「近江町市場」へ。多種多様な魚介類に加え、加賀野菜といわれるご当地野菜も充実しています。市場内にさまざまな食事処があるのはもちろん、テイクアウトできるアイテムも多く、気軽に地元グルメが味わえます。帰路は北陸新幹線を利用してスムーズに移動すれば、甘エビなど新鮮な魚介類も保冷バッグなどに入れて持ち帰ることも可能です。 茶道が発達した金沢では和スイーツも充実。別腹でスイーツを楽しんでもいいですし、お土産を探すのも楽しいものです。
大らかな気配の南国・土佐で2つの特色ある市場をはしご
市場好きならぜひ一度は訪れたい名物市場が、高知の日曜市。日曜日に高知市内の中心部、高知城から追手筋にかけての1.3キロに400もの店舗が並ぶ、日本一巨大な街路市です。歩行者天国になった道には両サイドにずらりとお店が並び、歩いても歩いてもなかなか終わりは見えません。 高知の日曜市で売られているのは、土佐の温暖な気候が育んだ文旦などの柑橘類、季節ごとの農産物、黒潮の恵みたっぷりの魚介を加工した品々など。ほかにも陶芸品や竹カゴなどの工芸品もあれば、さつまいもを揚げた名物「いも天」や野菜がネタになった「田舎寿司」など、ついついつまみ食いしたくなるアイテムもあります。地元の人も観光客もお店の人も一緒くたになった活気あふれる市場に、南国・土佐の大らかさが感じられるはずです。
ライブなども楽しめる「高知オーガニックマーケット」も
前日の土曜日には、高知県立池公園で毎週「高知オーガニックマーケット」も開かれています。オーガニックの野菜や生活雑貨などが並び、ライブなどが行われることも。日曜市とはまたひと味違った雰囲気の市場だけに、金曜日夜に出発して、ぜひ両方の市場を訪れたいですね。金曜日夜出発で高知にアクセスするには、飛行機か夜行バスで。 高知の特色ある市場を堪能する2泊3日間。帰りは飛行機で楽に戻るのがおすすめです。お土産で荷物が重くなりすぎることだけご注意。
港町の朝市に京都の骨董市などなど・・・お気に入りの市場を見つけましょう
首都圏からもう少し近い場所でおすすめなのが、千葉県・勝浦の朝市。水曜日と元日を除く毎日、早朝6時からスタートします。金曜日夜に移動したら、土曜日は早起きして朝市を目指しましょう。勝浦まではJR外房線を利用してアクセスできます。 勝浦の朝市も400年の歴史ある朝市です。路地に沿って地元の方々がお店を広げている様子は、港町だけに磯の香りと相まって、昔ながらの風情が感じられます。売られているのも地元でとれた魚介の干物や、売り子さん自ら畑で収穫した農産物など、素朴な暮らしが感じられるものばかり。しかも新鮮で手頃な値段のものが多く、料理が好きな人にとっては食材の宝庫に感じられるはずです。 土曜日に朝市を散策したら、あとはゆったりとビーチを満喫するのもいいですね。また第1・第3日曜日には外房線の3駅先、大原駅から1.7キロのところにある大原漁港で朝8時〜11時まで「港の朝市」も開催されているので、連日はしごするのも楽しそうです。 ほかにも有名な市場は各地に数多くあります。骨董品と手作りのものが好きな人には、京都がおすすめ。毎月第1日曜日に開かれる「東寺がらくた市・手作り市」は、1点ものを探したい人も大満足するはずです。東寺といえば毎月21日に開かれる弘法市も有名。また毎月25日には北野天満宮での骨董市、通称「天神さんの市」もあり、こちらは骨董市デビューにぴったりです。 春・秋の行楽シーズンには各地で陶器市が開かれていたりと、調べれば日本には特色ある市場がたくさんあります。気になる市場があったら、そのタイミングに合わせて、出かけてみてはいかがでしょう。
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松岡絵里 構成:相馬由子
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