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2016.03.02
アーティストが手がけた宿に泊まり、話題の芸術祭へーアート三昧の旅はいかが?
※こちらの記事は2016年3月2日に公開されたものです アートアイランドとも呼ばれる瀬戸内海の島々への玄関口・岡山県宇野港。この港から徒歩5分のところにある「菊水旅館」は、築50年の旅館をリノベーションして生まれ変わったアート満載のゲストハウスです。まもなく開催される「瀬戸内国際芸術祭」へのアクセスにも便利! アート三昧の旅へ出かけてみませんか?

和風旅館の中に入るとポップなアート作品が満載!

宇野港フェリーターミナルは、直島、豊島などに設置された美術館や作品群を鑑賞するために、日本国内のみならず、外国からも多くの人々が訪れます。このゲストハウスを拠点として瀬戸内のアートスポット巡りを楽しんでほしいという思いから、2014年に築50年の旅館を改装して誕生しました。 ゲストハウスのテーマは「寝ても覚めてもアートを堪能する旅」。一見ごく普通の和風旅館ですが、外観からは想像もつかないようなユニークなお部屋が揃っています。それぞれの客室は、6名の若手アーティスト達が彼らの作品として作り上げているのです。

6名の若手アーティストが手がけた個性的な部屋

6名の若手アーティストが手がけた6つの部屋の室内では、彼らの作品とともに過ごすことができます。 6名それぞれ、まったく違った作風のアーティストが手がけています。まずは、絵画やコラージュなどの手法で独特な世界観を作る権田直博が手がけたルームタイプ「ヒスイ」。窓辺には、外の景色と重なるように馬の体が描かれていたり、銭湯壁画を彷彿とさせるようなカラフルなイラストが特徴的です。 旅先に滞在しながら、その土地のカラーを纏った作品を創作する田中紗樹が手がけたルームタイプ「ルビー」には、あちこちに直描きの大胆なドローイングが施されています。

シックな和室や洋風のお部屋など、気分に合わせて選べます

女性なら思わず楽しくなってしまいそうなのが、LA 在住のミクストメディアアーティスト、Nona Washingtonが手がけたルームタイプ「うつぎ」。セミダブルのベッドが2台置かれた洋風のお部屋は、色鮮やかでかわいらしい少女達のポートレイトで彩られています。 シックな和風のお部屋もあります。ルームタイプ「はぎ」と「瀬戸」は、和風な雰囲気の中にユーモラスなイラストが印象的。シニカルな作風でドローイングやオブジェなどの作品を発表するwassaが手がけたお部屋です。

菊水旅館は、ゲストハウスとはいえお部屋はすべて個室。それぞれのお部屋の広さは9.6㎡〜21㎡まで様々で、全室無線LAN完備となっています。 それぞれの部屋の家具やインテリアも、部屋のテイストに合わせて厳選したという手の込みよう。エントランスや脱衣所などの共用スペースにも作品が飾られているので必見です。

瀬戸内海を舞台に開催される3年に1度のアートの祭典

(写真左)撮影 中村脩 (写真右上)松本秋則「アキノリウム」 (写真右下)直島パヴィリオン 所有者:直島町 設計:藤本壮介建築設計事務所 写真/福田ジン
宇野港からフェリーで渡ることができる瀬戸内海の島々は、最近ではアートの聖地として知られています。今年は、瀬戸内海の12の島と宇野港、高松港を舞台に「瀬戸内国際芸術祭2016」が開催されるため、さらに盛り上がりを見せているのです。 3年の1度開催されるこの芸術祭のテーマは「海の復権」。古来より交通の要衝として栄え、行き交う船によって常に新しい文化がもたらされた瀬戸内の島々。それらは島固有の文化と融合して発展してきました。これらの固有の文化を、アートを通じて見直そうというのがこのテーマの狙いです。 海でつながるアジア各国のアーティストたちが制作を行う「アジアー海とのつながりー」や瀬戸内が誇る独自の文化、獅子舞や地域の祭り、食文化などを発信するプロジェクトも予定されています。 宇野港からは、直島や豊島行きのフェリーが発着し、芸術祭の玄関口となるのはもちろん、港の近くにはアート作品も展示されます。市民から写真作品を公募して展示する「宇野港『連絡船』写真プロジェクト」なども。 瀬戸内海特有の美しい風景とのどかな空気の中で、現代的なアート作品を鑑賞できるのがこの芸術祭の醍醐味。現地に滞在しながら、アートと瀬戸内の文化に浸ってみてはいかがでしょうか?
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宇都宮薫 構成:相馬由子
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