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2020.08.08
【たび好きの本棚vol.3】今年の8月10日は「山の日」。山を身近に感じる3冊
2016年に施行された「山の日」も今年で4年目。日本の国土の約7割が緑豊かな山地であることから祝日に制定されました。今回は、山にまつわる3冊の本をご紹介します。本格的な登山というと、体力や装備の面で気がかりだったり、ハードルが高そうと心配しているひとにこそおすすめしたい、気軽に読めるラインナップです。 ふだんはインドア派や街歩き派の人でも、まずはページをめくって山の気分を味わってみませんか?
山スタイル手帖
凛とした雰囲気が美しい、モデルのKIKIさん。学生時代に建築を学んでいたり、写真家としても活動されていたりと多方面で活躍されています。趣味の登山に関する寄稿や出演も多いKIKIさんの『山スタイル手帖』は、山でのおしゃれをテーマとして多数の写真とエッセイで綴られた本。
雑貨や街着のように、好きなものを選んで少しずつそろえても楽しい
帯に“人気モデル初公開の愛用アイテム114”とあるように、KIKIさんが愛用する私物がたっぷり紹介されています。実用とかわいさを兼ね備えた服やグッズは、もちろん山用がほとんどですが、中には街で使えるアイテムも。紹介されているものすべてにKIKIさんのコメントがついているので、アイテム選びの参考になります。 行程の長い登山のなかで感じた、一瞬のきらめきや忘れられない出会いを綴ったエッセイからはKIKIさんのしなやかな感性が伝わってきます。
著者:KIKI
出版社:講談社
発売日:2011年07月30日
価格:本体1300円(税抜)
山登り12ヵ月
「ことりっぷWEB」でも記事にご登場いただいたこともある、アウトドアスタイル・クリエイターの四角(よすみ)友里さん。『山登り12ヵ月』は、日本全国37の山との思い出を綴った山歩きエッセイ&ガイド集。四季折々の山歩きのなかで見つける、小さなアイディアや自分らしく山を歩むヒントがつまっています。
四角友里さんに聞いた山歩き。ことりっぷWEBの記事はこちら
季節の花や天候も、カフェ気分の山小屋もどんなことも登山の楽しみになれる
本書に登場するのは、北は北海道から南は沖縄まで季節も場所もいろいろな山々。写真とコースや日程まで12か月ぶんの記録が描かれています。四角さんが、あまりにも自然体で気負いなく登山を楽しんでいるので、読んでいると登山ってこんなに自由でいいんだ、とワクワクします。寝坊した日は近場のナイトハイクで月を楽しんだってっていいし、無理して山頂まで行かなくたっていい。山でのおやつやごはんだって、山を楽しむ十分な動機です。 まずは、近所の裏山を気軽にのびのびと楽しんでみませんか。
著者:四角友里
出版社:山と溪谷社
発売日:2018年6月18日
価格:本体1500円(税抜)
街と山のあいだ
山岳に関する本の専門出版社を経て、編集者・文筆家として活躍する若菜晃子さん。若菜さんは山や自然に関することを綴ったリトルプレス雑誌「murren」(ミューレン)も年に2回、不定期で刊行しています。『街と山のあいだ』は、山にまつわる記憶やエピソードに彩られた59篇が収められた初エッセイ集です。
軽さと手触りもすてき。地理がわからなくても巻末の日本地図を参照して
やさしいタッチの葉っぱやお花の挿絵と、シンプルながら情景が浮かび上がるような繊細な文章に癒される1冊です。1編がそれほど長くないので、寝る前やお気に入りのカフェなどで読むのにぴったり。山の風景に花や生き物、人の出会いなど、若菜さんが感じた自然に触れる喜びを分けてもらっているような気分になります。「人生に山があってよかった」と語る若菜さん。低山でも登山家憧れの北アルプスも同じように山であり、“どんな山も、山は皆すばらしい”(本書より)。山ってなんだかいいな、と心に残る本です。
著者:若菜晃子
出版社:アノニマ・スタジオ
発売日:2017年9月21日
価格:本体1600円(税抜)
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朝光洋理
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