海辺にたたずむ無人駅「下灘駅」から、見渡す限りの水平線を眺める

列車がやってくるのは1～2時間に1本

かつて「日本一海に近い駅」といわれたJR下灘駅。たびたび映画のロケ地や青春18きっぷのポスターにも起用され、フォトジェニックなロケーションとして有名になりました。線路と国道を隔てたすぐ先に海が広がり、まるで絵画のような景色は鉄道ファンからカメラ女子まで老若男女問わず多くの人々を癒やしてくれています。

悠々とカモメが飛び交う海を眺めてボーっとする贅沢な時間

瀬戸内海の穏やかな海にぽつりぽつりと浮かぶ大小の島々。ホームに降り立つと、そんな瀬戸内ならではの多島美が目の前に広がります。屋根付きの青色のベンチが下灘駅のトレードマーク。ここに座って海を眺めたり写真を撮ったりして、思い思いに過ごしましょう。無人駅なので改札はなく、夕方の人が多い時間帯には地元の人がボランティアで案内をされているそう。「天気が良い日には、瀬戸内海に浮かぶ忽那諸島と山口県の周防大島まで見られることもありますよ」と地元の人が教えてくれました。

心ときめくドリンクスタンド「下灘珈琲」で愛媛生まれの柑橘ジュースを

店の前には柑橘をディスプレイ

下灘駅のもうひとつのお楽しみは、ころんとしたフォルムがかわいいドリンクスタンド。駅舎を出てすぐのところで、旅人を出迎えてくれています。ここではオリジナルブレンドのコーヒーや焼き菓子などを販売。テイクアウトしたメニューは下灘駅の駅舎で絶景とともに味わったり、トレーラーの横にあるオープンエアのテラス席で楽しむこともできますよ。

「みかんジュース」各500円。（左）定番の温州みかんと（右）爽やかな河内晩柑

こちらの人気は、愛媛県産の柑橘を生搾りする果汁100％のみかんジュース。温州みかんと河内晩柑のほか、旬の柑橘を使った全3種類が登場します。味はもちろん香りや甘みなどどれも個性あふれる味わい。青い海に映える一杯のジュースを、旅のおともにしてみてくださいね。

「Ledru Rollin 378」で自家製パンのブランチやおいしい焼き菓子はいかがですか

（左下）「ちょこっとプレート ドリンク付き」1170円（右下）「ベイクドチーズケーキ」460円

JR下灘駅の隣、伊予上灘駅から徒歩7分のところにある、築100年余りの造り酒屋の屋敷を改装した隠れ家的なカフェが「Ledru Rollin 378」（ルドリュロランサンナナハチ）です。自家製パンがおいしいブランチや手作りケーキが味わえます。2階からは伊予灘の絶景が眺められ、まさに景色もごちそうです。

（左）「ブラウニー」300円、（右）「ビスコッティ アーモンドとチョコレート」1袋210円

1階には種類豊富なクッキーやスコーンなど、10種類前後の手作り焼き菓子が並びます。アンティーク雑貨や器、花瓶など、オーナーがセレクトしたセンスのいい雑貨も販売しているので、ブランチのあとのお買い物も楽しめますよ。

瀬戸内の果物がたっぷり。「うみとカモメ」の見た目も美しいフルーツサンド

「7種のミックスサンド」500円～など。季節によって果物は異なる

スイカやメロンなど、瀬戸内で採れた旬の果物のサンドイッチを販売するキッチンカー。甘さ控えめの生クリームとフルーツがゴロゴロと入り、味はもちろんその断面の美しさも人気の理由です。全6種類のフルーツサンドは、生食パンやチョコ食パン、アールグレイパンなどさまざまなパンでサンドしており、パンの風味も楽しめますよ。

カモメのイラストがシンボルマーク

目印は海に映える黄色いトラック。しもなだ運動公園をはじめ、県内各地で移動販売しているので、出店場所はSNSで確認を。オープン1時間前から行列ができるほどの人気で、売切れ次第終了なので早めの来店がおすすめです。

下灘周辺のおいしいおみやげは珍味店「くじら」でどうぞ

「とろろするめ」1袋250円

おみやげ探しは菜の花の名所として知られる閏住（うるすみ）地区にポツンとたたずむ珍味屋さんへ。双海で採れた小魚の加工品が店内に所狭しと並び、思わず目移りしてしまいそう。おすすめは噛むほどにおいしさがしみだす「とろろするめ」や、香ばしい「炙り小いわし」など。ソフトクリームも販売しているので、旅のひと休みに訪れるのもいいですよ。

いかがでしたか？「ことりっぷマガジン夏号 Vol.25」では、下灘駅からさらにひと足延ばして、四国屈指の港町、八幡浜やレトロな町並みが残る三津浜など、愛媛の鉄道旅を紹介しています。素敵な景色やお店との出会いに期待して、旅の計画をはじめましょう。