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2020.11.28
京都が誇る74もの伝統産業品が集結!2020年にリニューアルオープンした「京都伝統産業ミュージアム」
美術館や博物館など、アートにまつわる施設が点在する京都屈指の文化ゾーンとも言えるエリア・岡崎。この地に、京都の伝統産業を存分に楽しめるスポット「京都伝統産業ミュージアム」があります。リニューアルしたばかりのミュージアムを早速訪ねてみました。
74もの伝統工芸が一堂に楽しめるギャラリー
ものづくりの製造方法や道具、素材などを展示
「京都伝統産業ミュージアム」は、市バス「岡崎公園 美術館・平安神宮前」から徒歩すぐ。さまざまな展示会などが行われるイベント会場「みやこめっせ」の地下にあります。
西陣織や京漆器から、伏見人形まで京都市の伝統産業品目がそろう
「京都伝統産業ミュージアム」は、京友禅をはじめとする京都市が定めた伝統産業74品目が展示される施設。1977年にオープンして以来、京都の伝統産業や職人のわざを間近で感じられる施設として人気を集めてきました。今年のリニューアルでは、大人も子どももより楽しみながら伝統産業について学べる施設として生まれ変わりました。
パネルや動画で、ものづくりの過程をたっぷりと学べる
ミュージアムは「出会い」「発見」「繋がる」の3つがコンセプト。これまで伝統産業にふれることのなかった人にとっては出会いの場に、すでに伝統産業の世界に惹かれている人にとっては新たな魅力を再発見する場となる、「人と伝統産業が繋がる場」であることを目指しています。
大人も子どもも楽しめる体験型のスポット
子どもに人気のおりんコーナー。鳴らすとここちよい音が響く
そのコンセプト通り、常設展はこれまでの「見る」だけの展示ではなく、実際にふれて、聞いて、感じられる体験型のスポットになっています。 例えば、京仏具のおりんを紹介するコーナーでは、音階順に並べたおりんを実際に鳴らすことができます。おりんの音で演奏を楽しむお子さんも多いのだとか。
京指物コーナーでは、実際にふれて木のぬくもりを感じることができる
また、金具や接着剤を使用せず、木と木を組み合わせたり、溝を彫って差し込んだりして箪笥などの箱物をつくる「京指物(きょうさしもの)」を紹介するコーナーでは、指物に使用されるさまざまな種類の木々を展示。木目や香りの違いを学ぶことができます。
元は宮中の女性たちの遊びから始まったという京こま
更に、芯の長さや大きさもさまざまな京こまを回すことのできるコーナーも人気。指先でひねるだけでくるくると回るので、女性や子どもでも気軽に体験できます。
職人のわざが詰まった商品が並ぶミュージアムショップ
ギャラリーで展示される作品の中には、こちらで購入することができるものもある
併設のミュージアムショップでは、職人さんの技がきらりと光る商品を購入することができます。
左:清課堂の酒器24750円、右:ぐい呑み小6600円・大9460円
例えば、錫製品の老舗・清課堂による酒器。錫ならではの性質がお酒の美味しさを引き立て、不思議とまろやかな味わいに感じられるのだとか。すべて手作業なので、少しずつ表情が異なるのもの魅力です。
つづれ織りあだちの名刺入れは3630円~
お土産で人気の商品が、上七軒でつづれ織りをされている株式会社あだちの小物。つづれ織りとは、西陣織の織り方のひとつで、職人さんが自らの爪をのこぎりの刃のように削り、その爪で掻くようにしながら模様を織り上げていく、まさに職人さんの魂が込められた織物です。 伝統的な柄はもちろんのこと、日常に使いやすい現代的な柄もたくさんそろっていますので、ぜひお気に入りを見つけてみてくださいね。
雀休の干支モチーフの京こま1980円
そして、ユニークなのは、京都唯一の京こま専門店・雀休(じゃっきゅう)が手がける創作京こま。京野菜や干支、京都の風物詩をモチーフにした愛らしい京こまたちがずらりと並びます。一見こまのかたちには見えませんが、どれもきちんと回るのがおもしろいところ。干支シリーズは十二支すべてがそろうので、自分の生まれ年や新年の干支を選んでみるのも楽しいですね。
伝統工芸のみならず、京の食文化や、祭りにまつわる道具なども展示する
企画展は不定期で開催され、伝統産業が集結するスポットならではの、ユニークな切り口で展示を行っています。 2020年12月19日からは、伝統産業を色、かたち、素材、道具などさまざまな要素を基に分解し紹介する、企画展「工芸を分解してみる」を開催します。これまでと少し違った視点で伝統工芸を見ることで新たな発見に出会えるかも。週末には職人による実演やワークショップも行いますよ。 新しくなった「京都伝統産業ミュージアム」でぜひ伝統産業の世界にふれてみてください。
京都伝統産業ミュージアム
キョウトデントウサンギョウミュージアム
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田中 麗 写真:小川 康貴
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