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2024.02.25
京都・出町柳の「ごはんや お福」で、自家製麹を使った旨味たっぷりの発酵ごはんを♪
日本が誇る食文化のひとつに多彩な発酵食品があります。納豆のように食材自体が発酵をするものをはじめ、醤油や味噌のように他の素材をおいしくする発酵調味料など、その種類はさまざま。京都の「ごはんや お福」では、自家製の麹や甘酒を調味料として使ったランチが注目を集めています。からだにも優しく、自然の旨味がたっぷり味わえる和ごはんで、ほっと一息ついてみませんか。
京大のキャンパスが広がる東一条通の一軒
お店は11:30~と13:00~の二部制。予約を忘れずに
「ごはんや お福」へは、京阪電車の出町柳駅で下車。鴨川の流れとともに南へ向かい、東一条通を左へ折れたところにあります。駅からは徒歩で8分ほどの距離です。米から作る麹を思わせる真っ白なのれんが迎えてくれます。
古きよき日本のいいもの「麹」を広める発酵カフェ
8席ほどの家庭的な雰囲気のお店。リピーターも多い
醤油、味噌、酢など発酵調味料のベースにある「麹」は、和食における縁の下の力持ち。そこに焦点をあてたのは、「若い子の食生活の乱れが気になったから。皆、みそ汁が体にいいということは分かっていても、それを作って食べるところまではできなくて。それなら、ここで食べていって、というのが始まりです」と店主の 梶原えつこさん。 コンビニやスーパーに行けばすぐに食べられるものがそろっていますが、それとは対照的に、じっくりと時間をかけて肉や魚、野菜をおいしくしてくれる麹。その魅力を、忙しい現代人にこそ届けたいというのが梶原さんの願いです。
手作りの発酵調味料を使ったランチとスイーツ
「お福のお昼ごはん」1500円。ボリュームもたっぷり
彩りよく詰められた丸いお弁当箱には、10種類以上のおかずがぎっしり。黒麹に漬けて揚げたアジの南蛮漬け、塩麹で味付けしたセロリ炒め、甘酒で炊いたカボチャなど、いずれもが麹を使った自家製発酵調味料で味付けされた一品です。 また、野菜と豚肉を重ね煮して作る豚汁に使われているのは、米麹、麦麹から作った自家製味噌を数種ブレンドしたこだわりの味。さらに、おにぎりのご飯までもが酵素玄米という発酵食品で、炊いたご飯を3日間保温してモチモチ食感になったもの。腸内をきれいにする働きもあるそうです。
「特製ヨーグルトパフェ」500円。この日のフルーツはイチジク
食後には自家製ヨーグルトのデザートをどうぞ。水切ヨーグルトに、黒麹から作る少し酸味のある甘酒をかけ、季節の発酵フルーツで仕上げた華やかな味わいです。水切ヨーグルトはさっぱりしながらも、クリームチーズのようなコクが。また、クエン酸やアミノ酸をたっぷり含む黒麹は、疲れた体やお肌に元気を取り戻してくれるそうです。
テイクアウトできるコロンとかわいいお寿司
「お福のおいなりさん」10個1200円(テイクアウト) 。竹皮は繰り返し使える
もうひとつのお福名物といえば、おいなりさん。京都の油揚げといえば肉厚のものが多いのですが、梶原さんのふるさと、九州ではもっと薄く食感もモッチモチなのだそう。赤い酢飯は、ポリフェノールを含む黒千石大豆を米と炊き上げたもの。そこにゴマやシソ、チリメン山椒やレンコンなどを加え爽やかに仕上げています。おやつ替わりに食べたり、おもたせにも使えそうです。
「お福の麹べんとう」1200円(テイクアウト)。曲げわっぱとあずま袋のセットは5000円
ふだんの生活にこそ、麹の力を取り入れて欲しいという思いは、こんなメニューにも。お福で、曲げわっぱとあずま袋のセットを購入すると、曲げわっぱにその日のおにぎりやおかずを詰めてくれます。つまり、空のお弁当箱を持っていくと中身を詰めてくれるというサービスです。いくつになっても、お弁当箱を蓋を開けるときのドキドキ感っていいですよね。
麹の力はオリジナルアイテムにも
「糀せっけん」90g1200円。素朴なパッケージもかわいい
食品だけでなく雑貨にも展開されているお福の麹。米麹に含まれる保湿成分や、自然のハーブ、野草から抽出した成分をたっぷり閉じ込めた無添加・自然由来の「糀せっけん」を使えば、お肌もしっとりしそうです。 このように、「麹」を軸に多彩なアイデアで楽しませてくれるお福では、ワークショップも定期的に開かれています。味噌の仕込みや、酵素玄米の炊き方など、内容はさまざま。ホームページで日程などがチェックできるようになっています。 お店からは下鴨神社も近く、お参り帰りに立ち寄ったり、お寿司やお弁当をテイクアウトすれば、徒歩2~3分の鴨川でピクニックもできます。春爛漫の桜が舞う岸辺で、滋味豊かな発酵ごはんを楽しんでみませんか。
ごはんや お福
ごはんや おふく
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戸塚江里子(らくたび) 撮影:小川康貴
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