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2025.03.17
登録有形文化財内にある伏見稲荷大社近くの「喫茶ろく」でくつろぎの時間を
千本鳥居で知られる伏見稲荷大社から歩いて4分の本町通り沿い。レトロな2階建ての洋館内に「喫茶ろく」はあります。国の登録有形文化財である松井家住宅主屋(中井産院)の1Fを間借りしたカフェで、女性店主が手づくりするひとつひとつこだわるコーヒーやスイーツ、軽食が楽しめる店です。

日常を忘れてひと息つける空間

国登録有形文化財(建造物)の表示がある2階建ての建物
JR稲荷駅前の本町通りを北へ歩き、観光客でにぎわう伏見稲荷大社の喧騒を抜けると見えてくる「喫茶ろく」。落ちついた雰囲気のドアから靴を脱いで入ります。

ノスタルジックなゆがみのある大きな窓から、灯籠を配した庭をみながらゆっくり過ごせる
靴を脱ぐ玄関を入ってすぐは、もともと産院だった名残を感じさせる洋室。また、廊下を抜けた奥に庭が見える空間が広がります。ここは床の間や違い棚があったり、欄間が素敵だったりと和室をリフォームしていますが、椅子や机などは海外のヴィンテージだったりと、この空間に似合うような調度品が置かれて、それが大人の雰囲気のカフェを演出しています。

ひと手間ひと工夫をするメニューばかり

大人の固いめプリン650円
人気メニューのひとつは、ほろ苦なビターカラメルの食べ応えあるプリン。限界までカラメルを煮詰めて底に沈めて、低温で1時間くらい蒸し焼きしたプリンは、とても固めな仕上げです。とはいえ、生クリームやバニラビーンズが入って口当たりがよく香り豊かなスイーツ。白くなめらかなシャンティクリームとともに味わいましょう。

ラオスの森コーヒー800円。酸味がなく飲みやすいが、ビターチョコレートのようで、ほどよい苦みと甘みがある1杯
コーヒーは、豆の品質がストレートに伝わるフレンチプレスで提供。店主が試飲し納得をして仕入れる「海ノ向こうコーヒー」を使います。産地ごとのストーリーがあり、例えばラオスの森コーヒーは、森が減少しているラオスで、モン族の人々が森を守るために森の中で育てているコーヒーです。ほかにもミャンマーの庭先コーヒーなど、ネーミングも楽しい5種類から選べます。もちろん紅茶やハーブティーも用意していますよ。

喫茶ろくの特製ブラウニー800円
大きめサイズなのが嬉しい、店内で焼き上げたケーキもいろいろ。中でもブラウニーが好評で、クーベルチュールチョコレートのビターとミルクをブレンドさせた生地を大きなバッドに流し込み仕上げます。9等分されたブラウニーは、提供寸前にほんのり温めて、バニラアイスとドライベリーをちりばめます。濃厚そうに見えて意外とあっさりしていて、くるみの食感などが楽しめるので飽きずに味わえます。

ほぐした鶏の胸肉に特製バジルソースをからめて、キャロットラペとサンドした、バジルチキンサンドウィッチ1600円
断面映えのサンドイッチもあります。バジルのグリーンとキャロットラペのオレンジが彩り良い「バジルチキンサンドウィッチ」がその代表格。ボリューム満点でランチにおすすめです。お店では、スイーツ・フードメニューは、こだわりのコーヒーなどドリンクとともに味わうといいですね。

空間の使い方やステンドグラスなど。店内はゆっくり見学したい
店主は、神戸・大阪・京都のレストランやカフェを経験し、紅茶関連のマネージメントなどもしてきた飲食のプロ。独立してお店を開く時に考えたのは「料理やスイーツをつくるその先、農家の人々などを大事にしたメニューを展開したかった」ということ。国の登録有形文化財の建物一角を借りることができたのはラッキーだったそうで「ここでのひとときが特別な時間になれば」と話します。

六角形で囲む店名のロゴが印象的
建物とそのディテールでくつろぎ、手づくりメニューを味わう、二つの楽しみがある「喫茶ろく」。訪れることで、落ちついた雰囲気に馴染み、気が付けば心も体もリセットできている、理想的なカフェの過ごし方をしてみませんか。

喫茶ろく
キッサロク
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文:土井淑子 撮影:佐藤祐樹
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