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2026.04.15
クラシカルな近代建築を再生した「帝国ホテル 京都」で、憧れのホテルステイ&グルメ
今から130余年前の1890(明治23)年、海外からの賓客をもてなす迎賓館としての役割を担い、東京の日比谷に誕生した「帝国ホテル」。東京、上高地、大阪に続いて30年ぶりの2026年3月5日、4か所目の「帝国ホテル 京都」が祇園に開業し、話題を集めています。憧れのホテルステイのほか、宿泊をしなくても楽しめるオールデイダイニングの京都限定メニューや、ペストリーショップのスイーツをご紹介。自分へのご褒美に、とびきり優美な時間を過ごしませんか。
京情緒が香る祇園の中心部

京阪祇園四条駅から徒歩8分、京の都に春の訪れを告げる都をどりの会場・祇園甲部歌舞練場に隣接
帝国ホテル 京都は、先斗町歌舞練場や大阪の松竹座などを手がけた劇場建築の名手、木村得三郎(株式会社大林組)の設計により、1936(昭和11)年に建てられた弥栄会館の一部を保存・活用。興行のための劇場として、祇園のお茶屋さんや芸舞妓さんたちの花代を元手に建てられた弥栄会館は、花街祇園を象徴する大切な建物でした。

2021年の着工から4年半の歳月をかけて弥栄会館の一部を保存・改修。デザインは継承しつつ窓の数は増やしてホテル仕様に

テラコッタタイル、エントランス天井のエッチングガラス、北木石の柱など、弥栄会館当時の意匠を多く残す。タイルや銅板瓦葺屋根など元の意匠を受け継ぎながら現代の職人の技術により新たに作り直した資材と融合
弥栄会館は国の登録有形文化財で、界隈は歴史的景観保全修景地区。保存・活用には通常の何倍もの工程と技術を要します。10万枚にもおよぶ外装タイルを取り外し、付着しているモルタルを除去して一枚一枚状態をチェック。その約1割にあたる1万6千枚を再利用、残りは同じ大きさや色合いのタイルを新たに作り直しました。そうした作業を幾つも重ねて南側と西側の外壁と構造体を残し、歴史的価値の高い景観を継承しています。
歴史と伝統を受け継ぐ本棟

ロビー正面には、帝国ホテル 京都の名を螺鈿細工で綴った樹齢1000年のケヤキの一枚板が飾られている
元々の意匠を継承しながら次世代につなげるため、当時と同じ石材を探し求めるなど、並々ならぬこだわりが。工事の際には、ベテラン棟梁が「こんなに良い石材を今の時代になってまた使うことができるなんて」と喜びを嚙みしめたのだとか。

新旧の銅板瓦葺屋根や竣工当時のタイルなど、資料を展示するシーティングエリア。銅板瓦葺屋根は、時が経つにつれ正門の屋根のような風合いのいい緑青色へと変わっていく

エレベーターも重厚なデザイン
弥栄会館の意匠を継承したスイートルーム

シグネチャースイートのひとつ、「弥栄スイート」(103㎡+バルコニー13㎡)1室2名58万700円~(税・サービス料・宿泊税別)※料金は時期により変動
本棟保存エリアの客室は、弥栄会館の柱や窓枠などの一部を保存し、空気感を残しています。京都の街並みや山々を望むスイートルームは、いつか泊まりたい憧れの部屋。こだわりの自然素材で設えたという上質な空間はどこをとっても美しく、目も心も奪われます。

「弥栄スイート」は、窓枠や室内を飾った千鳥のアート、バルコニーのタイルなど弥栄会館時代の面影を色濃く残す

チェックイン・チェックアウトも行う宿泊者ラウンジ
新しく増築した地上2階建ての北棟

靴を脱いで部屋へ。木のぬくもりが安らぎへといざなう
本棟の北側に増築された北棟には、帝国ホテル初となる畳を設えた客室も。祇園のシンボルが桜であることにちなみ、床材には山桜と水目桜と2種の桜の木を使用するなど、モダンな中に和の趣が漂います。「祇園の中に住まう」をイメージした客室の窓からは、風情ある町並みが広がります。

「北棟プレミア(55㎡)」1室2名17万7100円~(税・サービス料・宿泊税別)※料金は時期により変動。部屋の中央には畳、ベッドサイドの床材は、名栗加工を施した栗の木

「本棟グランドプレミア」(57㎡)19万4900円~(税・サービス料・宿泊税別)※料金は時期により変動
帝国ホテル初、薪窯のあるレストラン

明るい光が差し込むテーブル席のほか、半個室の席も
本棟2階のオールデイダイニング「弥栄」は、朝食を除き、宿泊をしなくてもランチ、ティータイム、ディナーが楽しめます。帝国ホテルグループの中で唯一、キッチンに薪窯グリルを備える京都だけの薪窯料理のほか、コース料理、帝国ホテルのシグネチャーメニューなど、充実したラインアップ。

貴賓室にあったというガラス×銅板のアートなど、弥栄会館時代の意匠はもちろんのこと、薪窯で料理が出来上がるライブ感も見どころ。写真提供(右下):帝国ホテル

薪窯で仕上げたグリル野菜とビーフを添えた「弥栄カレー」4700円(税・サービス料込)。バターで仕上げたルーに、薪窯由来の炭オイルでスモーキーな香りとコクを加えた京都限定の味

「本日のケーキ」1500円、コーヒー・紅茶1400円(税・サービス料込)

このときの「本日のケーキ」もうひと品はモンブラン。デザートはほかに、薪窯を使ったものなども

フランス料理「練」の看板は、日本を代表する現代美術作家・杉本博司によるもの。帝国ホテル東京の2代目本館を設計したアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライトによる意匠をモチーフに制作した装飾も見られる。壁のアートは左官技術で東山から吹く風の感覚やゆらぎを抽象化したイメージ
本棟2階のフランス料理「練」や、帝国ホテルの歴史を物語る7階のオールドインペリアルバーも、宿泊客以外の利用が可能です。 「練」の扉は、弥栄会館時代、舞台の大道具を搬入した部屋(現・スイートルーム「弥栄スイート」)の扉。内装は、帝国ホテル初のカウンターフレンチであることから、”料理人の舞台”をイメージしています。

京都の街並みを臨む本棟のルーフトップバーは、宿泊客限定 写真提供:帝国ホテル
ホテルメイドのスイーツ

おみやげや贈りもの選びに立ち寄りたい、ザ ペストリーショップ
ロビーの左手には、ザ ペストリーショップも。帝国ホテル東京でも販売されているプレミアムクッキー缶をはじめとした焼き菓子やチョコレート、ケーキなどが並び、その一部は併設の工房製。モンブランやショートケーキなど定番のケーキは、東京、上高地、大阪、京都それぞれの土地柄を加味したレシピで作っています。アーモンドパイとミニブルーベリーパイは、京都限定商品です。

写真右下の京都限定「ミニブルーベリーパイ」は、京舞の名手から「(舞妓さんの)おちょぼ口でも食べられるものがあったら」との声から食べやすいミニサイズに

帝国ホテル 京都
テイコクホテルキョウト
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文:佐藤理菜子 写真:マツダナオキ
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