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2026.05.24
祇園の路地奥にたたずむ「ZEN CAFE」で楽しみたい、極上の甘味と静かな時間
京都五花街のひとつ、祇園の路地奥にひっそりとたたずむ「ZEN CAFE(ゼンカフェ)」。花街の粋人や文人墨客たちに愛された「くずきり」で名高い、江戸時代の享保年間(1716-1736)創業の老舗和菓子店・鍵善良房が手がけるカフェです。花街の喧騒が遠のく静かな隠れ家で、和菓子職人の技がキラリと光る和菓子や、季節のフルーツサンド、選りすぐりの茶葉でていねいに淹れたお茶をゆったりと味わいませんか。
祇園南の静かな路地奥へ

鍵善良房の純和風の店構えとは対照的な「ZEN CAFE」。オープンは2012年
京阪祇園四条駅から徒歩5分ほど。四条大橋たもとに建つ南座前からすぐ、大和大路を下がって一筋目を東へ進みます。観光客でにぎわう街の喧騒が届かない閑静な路地の一角に「ZEN CAFE」はあります。

坪庭の風情を楽しむカウンター席
古い建物をリノベーションした店内は、まるでギャラリーのよう。日本と北欧の家具をミックスした空間は、モダンな雰囲気をたたえています。坪庭を臨むケヤキの一枚板のカウンター席、半個室の円テーブル席、ひとりの時間に浸れるソファ席など、どの席も表情が異なり、それぞれに魅力的です。

本棚と向かい合わせで座るひとり席

装丁を眺めるだけでも心が弾む本棚

奥には半個室のテーブル席もある
多彩なアートを身近に感じて

樂雅臣による石彫作品『輪廻』シリーズより「天生」
彫刻家・樂雅臣の石彫作品や、陶芸家・辻村史郎による油絵など、鍵善良房の歴代当主が収集したアートや、さりげない季節の草花が彩る上質な空間は、とても静か。メニューをオーダーするときは、テーブルの上に置かれた小さなハンドベルをちりんと鳴らします。

陶芸のみならず、書、水墨画などにも秀でた辻村史郎による油絵

照明などインテリアには、デンマークを中心としたアンティークも取り入れている

さりげなく飾られた草花になごむ
季節の移ろいをそっと告げる上生菓子

「上生菓子とお茶」1700円。京都・椿堂の和紅茶をセレクト
メニューは鍵善良房に併設の喫茶室とは異なる、ZEN CAFEだけのオリジナル。「和菓子に合わせる飲みものといえばお抹茶という敷居が高いイメージがありますが、じつは和菓子はコーヒーや紅茶など西洋のものともよく合います。そんなライフスタイルをご提案できれば」と店長の畠山さん。 お店を訪れたのは、葉桜の美しい頃。桜が満開を迎えた頃には薄紅色の濃・淡2色だったという上生菓子は、名残りの桜の薄紅色と、遠くの山の新緑を思わせる萌黄色との2色に変わっていました。

桜から新緑へと移ろう頃の上生菓子。銘は遠山(えんざん)
季節のフルーツサンド

「フルーツサンド」1700円
中京区の人気ベーカリー「ワルダー」のパンを使ったフルーツサンドは、イチゴ、パイナップル、桃、いちじく、ラムレーズンなど季節替わり。甘さや脂肪分を微調整し、素材の風味を最大限に引き立たせるのは、和菓子職人だからなせる技です。

「季節のジュース」1100円
コーヒー、煎茶、ほうじ茶などドリンクも充実。このときの「季節のジュース」は、オーダーを受けてから果実を搾る、デコポンのフレッシュジュース。レモンスカッシュ、黒糖を使ったジンジャーエールなど、そのときどきの旬が感じられるフルーツや自家製シロップのジュースへと移ろっていきます。 アンティークショップ「昂-KYOTO-」や、吹きガラス工房「PONTE」なと、ご近所の名店による見立てやオーダーメイドのうつわ使いも素敵。

ドリンクには、鍵善義房の代表銘菓のひとつ、菊寿糖のミニサイズが付く
ZEN CAFEで季節の甘味を傍らにゆるりと過ごしたら、鍵善良房が手がける向いの美術館「ZENBI-鍵善良房-KAGIZEN ART MUSEUM」へも立ち寄ってみて。 麗しいものを見て、味わって、良い香りを感じて。きっと五感が満ちる一日になりますよ。

ZEN CAFE
ゼンカフェ
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文:佐藤理菜子 写真:マツダナオキ
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