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2021.08.21
【カメラ講座Part6】デジタル一眼カメラの標準単焦点レンズに挑戦!
簡単に習得できて、すぐに使えるテクニックを写真教室「たのしいカメラ学校」主催の矢島直美さんが伝授!今回は、デジタル一眼カメラユーザーの方に向けて、「標準単焦点レンズ」を特集します。「デジタル一眼カメラでいい写真が撮れない…」と思っている方は「標準単焦点レンズ」に変えるだけで、見違えるほど、素敵な写真になりますよ! まるでプロのような憧れの「ボケ味の大きな写真」が簡単に撮れるんです。そのうえ「標準単焦点レンズ」は小さくて軽いので、旅先の持ち歩きにもぴったりです。
標準単焦点レンズがおすすめ!
装填した単焦点レンズ、左手に持っているのが標準ズームレンズ
デジタル一眼カメラは、レンズを交換できるのが大きな特長のひとつ。 購入時にセットとなっている「標準ズームレンズ」は画角を変えられてとっても便利ですが、デジタル一 眼カメラの醍醐味といえば「標準単焦点レンズ」です。
【CHECK!】
単焦点レンズについて :焦点距離をひとつしか持たない(ズームができない)レンズのこと
標準レンズについて:一般的に35ミリ判換算値(※)で焦点距離50mm前後のレンズのこと。目で見たままの視角に近い画角で、自然な遠近感で撮影できます。他に、 「広角レンズ(=標準レンズより画角が広い)」、「望遠レンズ(=標準レンズより画角が狭く遠くのものを大きく写せる)」があります。
(※)デジタルカメラの場合、イメージセンサーの大きさの違いによって、焦点距離が同じレンズでも写る範囲が変わるため、「35ミリ判フィルムに 換算した焦点距離」が基準値になっています。標準の画角の焦点距離は以下の通りです。
・APS-Cサイズの場合:レンズの焦点距離×約1.5の値
ゆえに焦点距離50m前後とは、35mm前後のレンズのこと
・マイクロフォーサーズの場合:レンズの焦点距離×2の値
ゆえに焦点距離50mm前後とは、25mm前後のレンズのこと
単焦点レンズの特長って?
ボケ味のある写真は、奥行き感が生まれ、ピントが合っていない被写体の輪郭が滲んでやわらかい印象に写すことができるのが魅力です。
カメラは、レンズの中にある「絞り」を大きくしたり小さくすることで光量を調節して像を写し出します。この「絞り」は「絞り値(F値)」という数値で表しますが、レンズによって調整できる値の範囲が異なります。「絞り値(F値)」が小さいほど、背景が大きくボケた写真を撮ることができます。
F1.8で撮影/屋根のかわいい装飾を撮影。 背景がボケて奥行き感が出た
F1.8で撮影 /花柄のタイルを撮影。少し斜めから写すことで手前と奥が大きくボケて、 やわらかい雰囲気に
【CHECK!】
レンズを見てみると、左のレンズの場合は「25mm 1:1.8」といった表記があります。 この「25」という数値は焦点距離のことで、「1.8」という数値はそのレンズが一番小さくできる値を示しています(「解放絞り値(F値)」という)。 単焦点レンズはこの値がF2.8以下の小さいもの(=明るい仕様のもの)が多いです。
開放絞り値(F値)の小さな単焦点レンズは、一度に多くの光を取り込むことができるため、暗い場所での撮影も得意です。手ブレを起こしにくく、キレイな画質で撮影できます。
F1.4で撮影/夜のパリ。雨で濡れた石畳にピントを合わせて。 石畳に光が反射して幻想的
F1.8で撮影/スペインのレストランにて。 薄暗い照明の中でも、美味しそう!
どんな風に撮るの?
それでは、標準単焦点レンズを装填し(カメラ内部に埃が入らないように、電源をOFFにし素早く行いましょう。また内部にある撮像素子を触ったりすると指紋がついてしまい、場合によっては修理に出さないといけなくなりますので注意しましょう)、さっそく撮影してみましょう!大きなボケ味を味わいたいなら、「絞り値(F値)2.8以下」で撮るのがおすすめです。
ピンボケに注意!
F1.8で撮影/ ピント面が少しずれるだけでボケてしまうので、 慎重にピントを合わせる
大きくボケるということは、反面、ピントが合う範囲が狭いということ。ピント面が少しずれるだけで他のところにピントが合ってしまい、写したい箇所がボケてしまうので、被写体に狙いを定めたら、シャッターを半押ししてピントをしっかりと合わせて、カメラを前後に動かさないように 静かに全押ししてシャッターを切りましょう。
F1.8で撮影 /木漏れ日が美しい玉ボケになって印象的な一枚になった
標準単焦点レンズについてご紹介しましたが、いかがでしたか? デジタル一眼カメラはレンズを変えるといろんな画が楽しめますが、中でも手頃な価格で購入できる「標準単焦点レンズ」 はおすすめです。撮影するのがグンと楽しくなりますので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
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