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2021.09.09
自転車宿から邸宅宿まで♪尾道の素敵な宿5選
「ヒト・モノ・コト」が交差し、独自のカルチャーを生み出す広島県尾道市には、個性あふれる宿があちらこちらに点在しています。今回はサイクリストが集まるホテルから洋館を再生した邸宅宿まで5つの宿をご紹介。旅のスタイルに合わせてセレクトしてくださいね。
250年の歴史を受け継いだ料亭宿「おのみち帆聲-Hansei-」
海辺の複合施設にある自転車宿「HOTEL CYCLE」
まるでギャラリーのような古民家宿「水尾之路」
しまなみ海道を走るサイクリストにおすすめの別荘宿「AGAL onomichi」
尾道の歴史にふれる邸宅宿「せとうち 湊のやど」
250年の歴史を受け継いだ料亭宿「おのみち帆聲-Hansei-」
バルコニーを備える「和モダンルーム」
江戸時代の創業以来、「胡半(えはん)」から「藤半」へと名前を変え、2019年に惜しまれながら閉店した料亭宿。「幕末志士や伊藤博文らも訪れたという宿の歴史を受け継ぎたい」と、2020年に「おのみち帆聲-Hansei-」として再生されました。和モダンにリノベーションされた館内には、趣の異なる5タイプの客室を用意。半露天風呂付の「プレミアルーム」やひのき風呂と専有バルコニーを備えた「和モダンルーム」など、特別感を楽しめる空間が広がります。
黒猫のイラストがかわいい「今川玉香園茶舗」のお茶
訪れるお客さんに「尾道らしさを楽しんでもらえるように」と、入口では尾道帆布ののれんがお出迎え。客室やダイニングでは、尾道の老舗茶舗・今川玉香園茶舗のお茶が味わえます。季節によっては広島県産レモンを使った自家製ドリンクが登場したり、ウェルカムサービスで尾道・因島名物のはっさく大福が味わえたり、地元生まれのおいしいものを使ったおもてなしに心が温まります。
夕食のメインには瀬戸内海の幸が登場する(写真は一例)
料理のひとつひとつにこだわるのも元料亭だからこそ。夕食では尾道の食材をふんだんに使った会席が味わえます。メインの瀬戸内海の幸の刺身には、レモン塩、ハーブオイル、土佐醤油をつけて味の違いを楽しんで。鯛茶漬けや「桂馬蒲鉾商店」のかまぼこが味わえるランチは宿泊をしなくても、日帰り利用ができますよ。 尾道らしさをぎゅっと詰め込んだ料亭宿「おのみち帆聲-Hansei-」で、ここならではの時間を過ごしてみませんか。
おのみち帆聲-Hansei-
オノミチハンセイ
海辺の複合施設にある自転車宿「HOTEL CYCLE」
建物は広島出身の建築家、谷尻誠氏と吉田愛氏が手がけた
「HOTEL CYCLE」が入るのは、大きな海運倉庫をリノベートしたサイクリストフレンドリーな複合施設「ONOMICHI U2」。瀬戸内メイドの雑貨がそろうショップや地元の食材を使った料理が味わえるレストラン、サイクルスルーを設けたカフェなど7つのお店が集まる尾道のカルチャー発信地です。
客室は全28室。スタンダードとデラックスの2タイプからセレクトを
「HOTEL CYCLE」では、スタイリッシュな空間で建築やアートに触れる宿泊が楽しめます。客室には地元の伝統産業を生かしたインテリアや、縁側をイメージした通路など、こだわりの建築意匠があちらこちらに。 さらに宿泊する客室まで自転車を持ち込むことができるのもこちらの魅力。パブリックスペースではメンテナンスや工具のレンタルもできるそう。ほかにも自宅から発送した自転車の受け取りや発送サービスなど、サイクリストの聖地、しまなみ海道のスタート地点ならではのおもてなしが充実しています。
HOTEL CYCLE
ホテルサイクル
まるでギャラリーのような古民家宿「水尾之路」
「ゆったりと過ごしてほしい」と1日1組限定で定員は1~2名
家屋が連なる住宅街の路地裏にあるのは、古民家を改装した宿「水尾之路」。かつて地元名士の屋敷だったという築80年の建物に、作家が紡ぐ手仕事の逸品やデザイナーズ家具などを調和させた新旧が融合する空間が広がります。宿泊スペースは2階にあるかつての客間。16畳のゆったりとした客室に格式高い家具やインテリアが配され、まるでギャラリーのような心地よい時間が流れます。
(左上)デザイナーズ家具や調度品を配したカフェスペース(左下)カフェメニューの「クリームチーズとアップルのタルト」490円、「アイスカフェラテ」550円(右)住宅街の一角に建つ
「宿泊以外でも気軽に訪れてほしいから」と、1階はカフェとして開放。瀬戸内レモンなど地元の旬の食材も使いながら、ていねいに手づくりされる軽食やスイーツを提供しています。尾道に息づく伝統や風土が感じられる「水尾之路」で、心を満たす豊かな時間を過ごしてみませんか。
水尾之路
ミオノミチ
しまなみ海道を走るサイクリストにおすすめの別荘宿「AGAL onomichi」
(左上)大きなソファが配された客室(左下)開放感あふれるテラス(右上)星空観察も楽しみのひとつ(右下)ベッドは全部で7台
サイクリストであるオーナーが「こんな宿があったらいいな」を叶えた、1日1組限定、1棟貸しの別荘宿。JR尾道駅から徒歩2分の場所にあり、船着き場にも近いのでしまなみサイクリングの拠点にぴったりの宿です。3階の屋上テラスでは、瀬戸内海を眺めながらBBQをしたり、夜は星を眺めながらゆっくりくつろいだりと至福の時間が過ごせます。寝室は全部で2室あり、最大8名まで宿泊できるそう。サイクリング仲間や家族で宿泊するのにおすすめの一軒です。
AGAL onomichi
アガルオノミチ
尾道の歴史にふれる邸宅宿「せとうち 湊のやど」
「島居邸洋館」のダイニング(photo:Tetsuya Ito)
情緒ある坂道に建つ昭和初期の擬洋風建築「鳥居邸洋館」と、江戸時代に出雲国松江藩の役人が交易の拠点としていた「出雲屋敷」の2棟を再生した宿。尾道の歴史が育んだ、異なる表情を見せる邸宅宿です。いずれも人数によって、半棟利用か一棟貸切から選べるそう。館内では備後絣や備後畳表といった地元の工芸品を生かした調度品が歴史ある建物に溶け込み、宿泊客を迎えます。眺望の良さも坂道エリアだからこそ。「鳥居邸洋館」や、「出雲屋敷」の「雲」の客室からは尾道水道が眺められますよ。
(左上)「島居邸洋館」一棟貸切の場合に利用できるリビング・ベッドルーム(左下)「鳥居邸洋館」はレトロな佇まいの洋館(右上)風情ある出雲屋敷(右下)出雲屋敷には小さな煎茶室がある(photo:Tetsuya Ito)
チェックインのあとはスタッフが常駐しないので、プライベートな時間を過ごせるのも魅力のひとつ。食事は中庭で繋がる複合施設「LOG」のダイニングで、地元の農家が育てる野菜や瀬戸内海の幸を使った、滋味豊かな一品を楽しんでくださいね。 尾道の風景に溶け込む邸宅宿で、穏やかに流れる時間を感じながら非日常を味わって。尾道の町で暮らすように宿泊を楽しめます。
せとうち 湊のやど
セトウチミナトノヤド
【ひと足のばして】生口島に誕生した新たな宿「yubune」へ
(左)築140年の邸宅を改装した新たな旅館「Azumi Setoda」の別棟として建つ「yubune」(右上)畳敷の客室(右下)銭湯の日帰り入浴料は900円
2021年3月、尾道からしまなみ海道で繋がる生口島に新たな宿「Azumi Setoda」と、通りの向かいに別棟の旅籠「yubune」がオープンしました。プロデュースしたのは、アマン創業者のエイドリアン・ゼッカ氏。瀬戸田港のすぐ近くに続くしおまち商店街に建ち、島を訪れる旅人やサイクリストを迎えます。なかでも「yubune」は「旅人と島の人たちが交流できるように」と宿泊施設だけでなく、日帰り利用もできる銭湯を併設。アーティスト、ミヤケマイ氏によって描かれた壁画を眺めながら、ゆっくりと入浴が楽しめます。客室は天然の無垢材や畳を使うことで、くつろげる空間に。周辺には観光案内所やショップ、レストランを備えた「SOIL SETODA」も誕生したので、しまなみ海道に訪れる際は、ぜひ立ち寄ってくださいね。
yubune
ユブネ
サイクリングの旅やおこもりステイなど、思い思いのスタイルで旅が楽しめる懐の深い尾道。旅の目的に合わせた個性派宿に泊まって、とっておきの思い出を作ってくださいね。
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橘春花(フォレスト)
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